精神保健福祉士になるには|何年かかる?受験資格や仕事内容を紹介!
- 2019.12.25
投稿日:2019年12月25日|最終更新日:2024年1月24日
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心に病を抱えた人をサポートする精神保健福祉士。この記事では、仕事内容やなる方法、国家試験の受験資格を得るには何年かかるのかを解説!
向いている人の特徴や将来性、おすすめの学校なども紹介するので、ぜひご覧ください!
精神保健福祉士の概要や仕事内容
精神保健福祉士とは?
精神保健福祉士とは、精神的な障がいや問題を抱える人々に相談や訓練などを行う専門職で、精神科ソーシャルワーカーの国家資格です。
ソーシャルワーカーとは生活する上で困難や不安などの問題を抱える人やその家族の課題解決や援助の提供をする人のことを言います。
日本の3大福祉士資格の1つで、残りの2つは社会福祉業務を全般的に行う「社会福祉士」、身体や精神の障害により日常生活を送ることに支障がある人の介護を行う「介護福祉士」です。
ではこの2つの資格と精神保健福祉士の違いは何かというと、まず介護福祉士が行う業務は要介護者の食事や排泄、入浴の介護を行う仕事ですので明らかに精神保健福祉士や社会福祉士とは業務内容が異なるのですが、社会福祉士と精神保健福祉士はどちらも日常生活を送るのに支障がある人達からの相談を受けたり、助言、支援を行うのが仕事という意味では同じです。
社会福祉士と精神保健福祉士の一番の違いは、社会福祉士は高齢者から低所得者・子供まで幅広い対象の支援などを行うことに対して精神保健福祉士は主に精神障がい者に対して支援を行うという点です。
ストレス社会である今、精神障がいが無くても不安や悩みを抱えて生きている人は多いものです。そのため精神保健福祉士は精神病院だけでなく企業で活躍する人も増えています。また、これからも精神疾患を抱える人は増えていくと考えられています。
国民の健康を守るために精神保健福祉士の役割は今後ますます重要になると考えられています。
精神保健福祉士の仕事内容は?
精神保健福祉士の主な仕事は精神障がいがある人やその家族に対する支援やアドバイスをすることです。
例えば精神病院や総合病院の精神科など医療機関で勤務している場合は、入院から退院までのサポートと、退院後に日常生活を送るための補助を行います。
勤務先によって業務内容は異なりますが、具体的な仕事内容は次のようなものがあります。
●相談や助言
・公的支援制度の紹介(医療費、生活費、減税措置など)
・障がい者支援施設などの紹介(障がい者更生施設、地域活動支援センター、グループホームなど)
・各種相談(よくある内容は入院や医療費、福祉施設、人間関係など)
・各種助言や提案(社会復帰の方向、退院後の住居、再就労の場など)
・家族に関する助言や提案(家族に理解をしてもらう、家庭環境を改善するなど)
●日常生活訓練
・掃除、洗濯、料理、買い物などの日常生活訓練
・生活リズムを整えるなど、規則的な生活を送る訓練
・公共交通機関を利用するなどの退院後に向けた訓練
・行事やレクリエーションなどによる社会参加の支援
・就労前トレーニング
・会話や生活マナーなどの訓練
●その他
・患者さんに対する情報発信
・休業や休学、医療費の確保などの各種手続きに関する援助
・家庭、学校、職場の受け入れ態勢の確認
・居場所の提供
・関係機関の連携
・講習会の開催
・職場のメンタルヘルス対策
・精神保健福祉士援助実習の現場指導者
このように、精神保健福祉士は精神障がい者が日常生活を送ることができるようになるように、様々なサポートを行っていきます。
精神保健福祉士になる方法(資格取得方法等)
精神保健福祉士になるには、国家試験に合格して精神保健福祉士の登録をしなければなりません。
国家試験を受けるためには以下の条件をクリアする必要があります。
精神保健福祉士になるには何年かかる?
ここでは、精神保健福祉士になるための国家試験の受験資格を得るためにどのくらいの期間が必要かを経歴別にみていきましょう。
●4年制大学を卒業した場合
・保健福祉系大学などで指定科目を履修した者【4年】
・福祉系大学などで基礎科目を履修し、短期養成施設(6ヶ月以上)で学んだ者【4年6ヶ月以上】
・一般大学などを卒業し、一般養成施設(1年以上)で学んだ者【5年以上】
●3年制短大等を卒業した場合
・保健福祉系短大などで指定科目を履修し、相談援助実務を1年以上行った者【4年以上】
・福祉系短大などで基礎科目を履修し、相談援助実務を1年以上行った上、短期養成施設(6ヶ月以上)で学んだ者【4年6ヶ月以上】
・一般短大などを卒業し、相談援助実務を1年以上行った上、一般養成施設(1年以上)で学んだ者【5年以上】
●2年制短大等を卒業した場合
・保健福祉系短大などで指定科目を履修し、相談援助実務を2年以上行った者【5年以上】
・福祉系短大などで基礎科目を履修し、相談援助実務を2年以上行った上、短期養成施設(6ヶ月以上)で学んだ者【4年6ヶ月以上】
・一般短大などを卒業し、相談援助実務を2年以上行った上、一般養成施設(1年以上)で学んだ者【5年以上】
●社会福祉士登録者の場合
・短期養成施設(6ヶ月以上)で学んだ者【4年6ヶ月以上】
※4年間で社会福祉士になった場合
※社会福祉士登録者は、重複する試験科目が免除されます。
●すでに相談援助を行っている場合
・相談援助実務を4年以上行った上、一般養成施設(1年以上)で学んだ者【5年以上】
つまり、精神保健福祉士になるには最短で4年間かかります。しかし、精神保健福祉士になるには様々なルートがあり、実務経験があれば必ずしも大学に行かなくてはならないわけではないことも分かったのではないでしょうか。
これらの条件をクリアすると、国家試験の受験資格が得られます。
国家試験に合格した後は公益財団法人社会福祉振興・試験センター精神保健福祉士の登録申請を行います。登録をすることによって精神保健福祉士を名乗ることができます。申請をせずに精神保健福祉士を名乗ることはできません。申請期間は設けられていませんが、早めに申請をしておいた方が良いでしょう。
精神保健福祉士を目指せる学校はこちらら
資格難易度や試験について
精神保健福祉士国家試験について
精神保健福祉士の国家試験は毎年2月上旬ごろに行われます。
合格率はここ数年60数%で推移しています。
受験資格を得るためには学校を卒業するなどしなければなりませんが、それでもこの合格率なので決して高い合格率とは言えません。そのためしっかりと勉強しておく必要がある試験だと言えるでしょう。
●精神保健福祉士国家試験の概要
※下記は令和6年度(2024年度・第27回)の日程予定です。
受験書類の配布:公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページや各学校にて配布
受験書類の受付:令和6年9月上旬から10月上旬
期間中に公益財団法人社会福祉振興・試験センターに送付する。
試験日程:令和7年2月上旬
試験地:北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県
試験科目:(1)人体の構造と機能及び疾病
(2)心理学理論と心理的支援
(3)社会理論と社会システム
(4)現代社会と福祉
(5)地域福祉の理論と方法
(6)社会保障
(7)低所得者に対する支援と生活保護制度
(8)福祉行財政と福祉計画
(9)保健医療サービス
(10)権利擁護と成年後見制度
(11)障がい者に対する支援と障がい者自立支援制度
(12)精神疾患とその治療
(13)精神保健の課題と支援
(14)精神保健福祉相談援助の基盤
(15)精神保健福祉の理論と相談援助の展開
(16)精神保健福祉に関する制度とサービス
(17)精神障がい者の生活支援システム
※この中から163問出題されます。
1問1点の総得点163点中60%程度取得することと、16科目の全ての科目で1点以上取得することが合格基準となっています。
※社会福祉士登録者は1~11が免除されます。
合格発表:令和7年3月上旬
今後の精神保健福祉士の将来性
超高齢化社会、ストレス社会と言われている今、精神保健福祉士や医療機関や福祉施設だけでなく行政機関、一般企業からも雇用が増えているため需要は増えているといえます。
超高齢化社会は2040年にピークを迎えますし、その後も高齢者の人口推移は緩やかに少なくなっていきますが総人口比だと2060年には約40%が高齢者になると言われていますので、福祉士としての需要が続くことは間違いないと考えられます。
また、高齢化だけでなく、終身雇用が無くなったりささいなことでセクハラ扱いされてしまうようになったなど安心して会社勤めができないストレス、パソコンによるストレス、ネット社会によるストレスなど、様々なストレスをまともにくらうようになった時代なので、このストレスによって精神を病んでしまう方も多いため、今の社会の流れという面からも需要は増えるのではないでしょうか。
精神保健福祉士の就職先
精神保健福祉士の主な就職先は次のようなものがあります。
・医療機関(精神科病院、総合病院、心療内科、精神科など)
・福祉関連施設(精神障がい者福祉施設、知的障がい者更生施設、重症重心身障がい者施設、障がい者支援施設、就労継続支援事業所、地域活動支援センターなど)
・養護関連施設(救護施設、グループホーム、デイケア、更生施設、児童養護施設、福祉型障がい児入所施設など)
・行政機関(市役所、保健所、精神保健福祉センター、福祉事務所、市町村社会福祉協議会、相談支援事業所、更生保護施設、保護観察所など)
・一般企業、教育機関(小学校・中学校など)
医療機関では既に人員が確保されている機関が多いため求人が少ない一方で、障がい者の雇用が義務付けられたことから一般企業からの求人や、高齢化に伴い介護施設など高齢者を受け入れている施設からの求人が増えています。
精神保健福祉士に向いているのはこんな人
精神保健福祉士は精神疾患を抱える人やその家族と向き合い、社会で生活していく支援を行っていく役割があります。
そのため、相手の立場や思い、考え、痛みなどを親身に考えて理解できる優しさを持っている人が向いている人だと考えられます。
精神疾患を抱えてしまった人は自覚症状がなく、本人の同意を得られないまま入院するケースもあります。そういった場合は患者さん自身が家族だけでなく社会からも見捨てられたような気持ちになってしまうため、暴言を吐かれたり何もしゃべってくれなくなったりする方もいらっしゃいます。
そんな時にも患者さんに寄り添う優しい気持ちを持って接することができる人、意思疎通をしてくれるよう根気強く接することができる人が求められるでしょう。
精神保健福祉士に関連する職業や資格
関連する職業
患者さんのために医療機関や行政、各種サービスを繋げていく役割がありますので、医療関係者だけでなく行政や各種サービスの関係者とも関わっていくことになります。
関連する資格
精神保健福祉士が地方公共団体の福祉事務所で社会福祉主事(ケースワーカー)として働くためには「社会福祉主事任用資格」の資格を取得したうえで地方公務員試験に合格する必要があります。
地方公共団体で働かない場合は生活相談員や医療ソーシャルワーカーとして活躍する方もいらっしゃいます。また、社会福祉主事任用資格を持っている方の求人もありますので、スキルアップや就職のために取得しておいても良い資格なのではないかと考えられます。
精神保健福祉士に関連するおすすめの専門学校
ここからは、おすすめの精神保健福祉士に関連する専門学校をご紹介します。
専門学校の中にも養成施設として認定され、精神保健福祉士を目指せる学校があります。
いずれも精神保健福祉士に関連する分野でとても評価の高い学校なので、精神保健福祉士に関連する分野について専門的に学びたいという方には最適な学校です。
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