進路選択をする際、進学を検討される方もいれば就職を考える方もいると思います。
文部科学省の調査によると、高校卒業後に進学をしない方の割合は2割強とのことです。

もちろんどちらが正解というわけではなく、どちらにもメリットとデメリットがあります。
今このページを読んでいるあなたがどちらに気持ちが傾いているにせよ、 まずはどちらの進路も理解した上で納得して選択してもらえたらと思います。

進学のメリット

進学のメリットはやはりゆっくりと何かを学ぶ時間を得られることと、将来についてじっくり考える時間を確保できるという事です。
時間というのは非常に貴重で、社会人になってしまうと時間を確保することが難しくなります。
そのため基本的には高校卒業直後の数年間が人生で学問に集中できる最後の時間となる人もいるくらいです。

また卒業する学校によって就職後の待遇に影響が出ることもあります。
例えば大卒であれば大手企業へのエントリーも可能です。
専門学校であればその分野での就職のしやすさや高い資格合格率を得られ、在学中に実践的な経験を積むことが出来ます。

進学のデメリット

進学を選択した際にまずデメリットとして挙がるのは、多額の出費が発生するということです。
在学中にアルバイト等である程度学費を工面することも出来ますし、奨学金や分納等の負担軽減の方法はありますが、基本的に数百万円の支払いが発生します。

また大学に行けばどこかに就職できるかと言えばそんなことはありません。
専門学校へ進学しても同専門分野には基本的に就職を目指せますが、その他一般職となると高卒就職とそれほど条件は変わりません。
就職後に学んだことを活かす工夫が出来れば進学の意味もありますが、極論数年間の時間を無駄にしたという結果もありえます。
もちろん学校での経験が全て無駄になることは考えにくいですが、義務教育ではない以上は自分で進学を希望しているわけですから、積極的に学ぶ姿勢が重要です。
決して少なくないお金と時間を使って学びに投資するという意識は持っておきましょう。

就職のメリット

高卒で就職を考えた時に、最初に浮かぶ懸念点は実際に就職が出来るのかどうかではないでしょうか。
確かに就職活動は毎年何十社も受ける人がいるように、一筋縄ではいきません。
さらに職種によっては大学や専門学校で資格を取得している必要があったり、大手企業では大卒以上じゃなければいけない場合もあります。
しかし実は就職率自体は進学した場合とそれほど差はなく、厚生労働省の統計上では就職希望者内の就職率は98%前後です。

そのため、高卒就職の一番のメリットは、職種は限られるものの最速で社会人経験が積めることです。
企業への就職ももちろんですが、無資格で従事できる仕事にはパティシエや自動車整備などの専門的なものもたくさんあります。
当然資格が無いと携われない領域はありますが、職務経歴を一定期間以上積むことが国家試験受験資格となる分野もあるため、いち早く経験を積んで資格を取り、同年代より早くベテランを目指すことが出来ます。
学歴を重視するのは大手企業くらいのものなので、特に専門技術が必要な分野では高卒就職が有利になることも少なくありません。

就職のデメリット

高卒就職のデメリットは、進学を選んだときより選択できる職種に制限があることと、就職先によっては生涯年収に差が出てくるということです。
職種の制限というのは、例えば大手企業での大卒以上しかエントリー出来ない場合や、保育士や看護師のように高校卒業時点で資格を取得していることが難しい職業等、応募の時点で差が出てきます。
また昔ほど学歴社会ではないものの、やはり書面上でスキルや能力に差が見られない場合は、学歴で落とされてしまうケースもあります。
高卒で就職する理由も明確なものがないと、採用側の不信感に繋がる可能性があるため要注意です。

また企業によっては学歴によって初任給の額や昇給・昇格のしやすさに響く場合もあります。
そもそも職種自体が異なるのも要因の一つですが、高卒の場合と大卒の場合で高卒の場合3～4,000万円ほど少ないという統計結果があります。
あくまで平均値ではありますが、そういった差が出る可能性は把握しておくべきかもしれません。

まとめ

進学すると

特定の学問に集中しながら将来も見据えて準備することができる。
しかしお金はかかり、能動的に学ばなければリターンも少ない。

就職すると

最速で社会人経験を積むことができ、実践経験が求められる職種では同年代より有利に進む場合がある。
ただし就職先は進学した場合に比べれば制限され、場合により収入も抜かされてしまう可能性がある。