エンバーマーになるには?資格・仕事内容・専門学校と進路を解説
記事をシェアする
この記事は約 5 分で読めます。
「亡くなった人をきれいにする仕事に就きたい」「エンバーマーになるには、どんな学校や資格が必要?」と考えている高校生や進路検討者も多いのではないでしょうか。
エンバーマー(遺体衛生保全士)は、ご遺体に専門的な衛生保全・修復処置を行う仕事です。日本でIFSA認定エンバーマーを目指す一般的な進路は、高校卒業後に認定養成校で学び、卒業後の資格認定試験に合格すること。この記事では、仕事内容から資格・専門学校・学費、納棺師との違い、就職までをわかりやすく紹介します。
- エンバーマーになるための具体的な進路と必要な資格
- 仕事内容と、納棺師・葬祭ディレクターとの違い
- IFSA認定養成校の学費と、関連する専門学校の選び方
- 看護師資格・通信講座・年齢などの疑問
エンバーマーになるには?
日本国内のIFSA加盟事業者でエンバーマーとして働くことを目指す場合は、IFSA(一般社団法人 日本遺体衛生保全協会)が認定する養成校で専門知識と技術を身につけ、認定試験に合格するルートが基本です。
- STEP 1高校を卒業
- STEP 2認定養成校で2年間学ぶ
- STEP 3IFSA認定試験に合格
- STEP 4関連企業に就職
養成校を卒業すると認定試験の受験資格が得られますが、卒業だけで認定資格が取得できるわけではなく、就職も保証されません。試験は原則年1回の実施と案内されています。
海外で学ぶ方法もある
アメリカなど海外の教育機関でエンバーミングを学び、現地のライセンス取得を目指す方法もあります。ただし、必要な学歴・実習・免許要件は国や地域によって異なります。海外資格が日本のIFSA認定資格に自動的に切り替わるわけではないため、帰国後の就職を考える場合は事前に協会や採用先へ確認しましょう。
エンバーマーとは?仕事内容を紹介
エンバーマーは、故人のお身体を衛生的に保全し、できる限り生前の自然な姿に近づける専門技術者です。「遺体をきれいにする仕事」を探している人が出会う職業の一つですが、外見を整えるだけでなく、防腐処置や修復も行う点に特徴があります。
エンバーミングの主な役割
- 衛生保全:適切な処置によってご遺体の状態を保ち、衛生面に配慮する。
- 修復・外見のケア:病気や事故などによる外見の変化に対して、可能な範囲で自然な状態を目指す。
- お別れの時間を支える:葬儀まで日数が空く場合などに、ご遺族が落ち着いてお別れできる環境づくりを支える。
専用の施設でお身体の洗浄・消毒、薬剤を用いた防腐処置、必要に応じた修復を行い、衣服やメイクを整えます。
- 消毒・洗浄:全身を丁寧に殺菌・消毒し、清潔な状態に整えます。
- 防腐処置:ご遺体の一部を切開し、動脈から防腐剤を循環注入して静脈から血液を排出。胸腔や腹腔内の残存物も処置します。
- 修復・形成:お顔の陥没や損傷部分がある場合、シリコン注入や特殊な縫合で元の自然な状態へ近づけます。
- 整容・メイク:再度全身を洗浄し、希望の衣服を着せ、化粧を施してお別れの準備を整えます。
エンバーミングは衛生管理や感染リスクの低減に役立ちますが、「施術をすれば感染リスクがゼロになる」という意味ではありません。また、ご遺体の状態や必要な保全方法は個別に異なります。
エンバーマーの資格は国家資格?
日本でエンバーマーになるためのIFSA認定資格は、国家資格ではなく、業界団体による認定制度です。IFSAはエンバーミングの適正な実施に向けて自主基準を設けています。
IFSA認定資格については、認定養成校の修了後に受験資格が得られ、資格試験の合格が必要です。養成校の募集要項には試験が年1回(3月予定)と記載されています。
なお、医師・看護師などの医療国家資格と、IFSA認定エンバーマー資格は別のものです。看護師免許を持っているだけで、IFSA認定エンバーマーになれるわけではありません。
エンバーマーを目指せる養成学校と学費
2026年10月時点で、IFSAが現在の募集先として案内している認定養成校は、神奈川県平塚市の日本ヒューマンセレモニー専門学校・エンバーミング学科です。昼間2年制で、解剖学などの関連知識、遺体衛生保全、専門技術を学びます。
| 修業年限 | 2年間(昼間) |
|---|---|
| 募集定員 | 25名 |
| 出願資格 | 高校卒業者・卒業見込みの人、高卒認定合格者など |
| 2027年度入学の出願期間 | 2026年10月1日〜2027年3月31日(定員に達し次第締切) |
| 選考方法 | 一般常識・作文・面接 |
| 1年次納付金 | 130万円 |
| 2年次納付金 | 115万円 |
| 別途費用 | 2年間合計32万円(過年度実績。教科書・制服等) |
| 2年間の費用目安 | 約277万円(過年度の別途費用を含む試算。検定料等は除く) |
出典:IFSA「エンバーマー養成校のご案内」、日本ヒューマンセレモニー専門学校「入学案内」。学校の最新募集要項をご確認ください。
一般的な「葬祭ディレクター学科」は葬儀の企画・運営などを学ぶ学科であり、卒業によってIFSA認定エンバーマー試験の受験資格が得られるとは限りません。エンバーマーを直接目指すなら、認定養成校かどうかを最初に確認しましょう。
エンバーマーの資格取得を直接目指すなら、認定養成校の公式募集要項を確認しましょう。
エンバーマーの就職先・年収・将来性
主な就職先と働き方
エンバーマーの主な就職先は、自社でエンバーミング施設を持つ大手葬儀社や専門事業者などです。職場によっては葬儀担当者との調整、施術後のお化粧直し、海外搬送に関わる業務なども行います。
年収・給料の目安は?
エンバーマーだけを対象にした信頼できる全国平均年収は、現時点で確認できません。給与は企業・地域・経験年数・勤務形態などによって異なるため、求人票の基本給、資格手当、賞与、休日、勤務時間を個別に確認しましょう。
将来性は?
葬儀までの安置期間や、ご遺族が希望するお別れの形が多様化するなか、専門的な衛生保全・修復に対する役割が注目されています。一方で、専門職の採用枠は勤務先や地域に左右されるため、需要の増加がそのまま就職のしやすさにつながるとは限りません。
エンバーマーの仕事には、解剖学や衛生管理などの科学的な学びと、ご遺族の気持ちを受け止める姿勢の両方が必要です。海外へのご遺体の搬送に関わる職場もあり、英語や国際的な手続きの知識が役立つ場合もあります。「理科が好き」「細かな作業が得意」「人の役に立つ仕事がしたい」という関心が生きる職業です。
エンバーマーに向いている人
- 医学や生命科学に興味がある人:人体の構造や衛生管理について、学び続けられる。
- 丁寧な作業を積み重ねられる人:小さな変化を見逃さず、細部まで気を配れる。
- 相手の気持ちを尊重できる人:ご遺族や故人への敬意を大切にできる。
- 冷静に判断し、チームで働ける人:決められた手順や安全管理を守り、周囲と協力できる。
納棺師・葬祭ディレクターとの違い
| 職種 | 主な役割 | 進路選びのポイント |
|---|---|---|
| エンバーマー | 衛生保全、防腐処置、修復、外見のケア | IFSA認定養成校と資格制度を確認する |
| 納棺師 | 湯灌・着替え・死化粧・納棺のサポートなど | 納棺実習や葬祭サービスを学べる学校を探す |
| 葬祭ディレクター | 葬儀の企画・準備・進行、遺族対応 | 葬祭ディレクター学科や現場実習の内容を比較する |
葬祭・セレモニーを学べるおすすめの専門学校
「エンバーマーに興味があるけれど、納棺師や葬祭ディレクターの仕事も気になる」という人は、葬祭分野を専門的に学べる学校を比較してみましょう。以下はコレカラ進路.JPに掲載されている関連校です。
※ここで紹介する3校は、IFSA認定エンバーマーの直接の養成校ではありません。
専門学校 東京ホスピタリティ・アカデミー(東京観光専門学校より校名変更)

葬儀に関する知識や接遇、グリーフケアを学び、葬祭ディレクターや納棺の仕事を目指せる学校です。企業での現場研修を通じて、遺族への接し方や式の運営を実践的に学びたい人に向いています。
専門学校 大阪ホスピタリティ・アカデミー(大阪観光専門学校より校名変更)

葬儀のしきたりや接客マナー、宗教観などを学び、葬祭ディレクターを目指せます。葬儀運営に関わる仕事と、お別れの場をつくるサービスの両方に興味がある人におすすめです。
国際ホテル・ブライダル専門学校

葬祭ディレクター科で葬儀に関する知識や納棺技法を学び、現場でのインターンシップにも取り組みます。葬祭の仕事を幅広く知り、実習を通して将来の職種を考えたい人に向いています。
学校ごとに学べる内容や目指せる資格は異なります。気になる学校はパンフレットやオープンキャンパスの情報を比較してみましょう。
エンバーマーのよくある質問(FAQ)
Q. エンバーマーの資格は通信講座・独学で取れる?
日本でIFSA認定資格を取得する一般的なルートでは、認定養成校で専門的な講義や実習を受け、認定試験に合格する必要があります。通信講座を受講するだけでIFSA認定資格を取得できる制度は、公式案内では確認できません。
Q. 看護師からエンバーマーに転職できる?
目指すことは可能です。解剖学や衛生管理の知識を生かせる場面もあります。ただし、看護師免許はIFSA認定資格の代わりにはならず、資格取得の要件や採用条件を確認する必要があります。
Q. エンバーマーになるのに年齢制限はある?
日本ヒューマンセレモニー専門学校の公開募集要項では、出願資格として高校卒業等の条件が示されており、年齢の上限は明記されていません。社会人からの進路変更も検討できますが、最新の募集条件を学校に確認しましょう。
Q. 高卒からでも目指せる?
はい。高校卒業見込みの人は認定養成校の出願対象に含まれています。高校在学中から進路情報や学費を調べ、必要な入学試験対策を始めることができます。
Q. エンバーミングと納棺は同じこと?
同じではありません。エンバーミングは専門的な防腐・衛生保全・修復処置を含みます。一方、納棺は着替えや死化粧などを通じてお別れを整える仕事です。職場によって業務の一部が重なる場合もあります。
まとめ|仕事内容と資格を知って進路を選ぼう
エンバーマーは、衛生保全や修復の専門技術を用いて、故人の尊厳とご遺族のお別れの時間を支える仕事です。日本でIFSA認定エンバーマーを目指す場合は、認定養成校で学び、資格認定試験に合格することが基本的な道筋となります。
一方、葬祭業界には納棺師や葬祭ディレクターなど、異なる専門性を持つ仕事もあります。まずは「自分がどのような形で人を支えたいのか」を考え、学べる内容や資格・就職先を比べてみましょう。
葬祭の仕事や学校について、もう少し詳しく知りたい人へ。
掲載内容は2026年10月28日時点の確認情報です。募集要項・学費・採用条件は更新されるため、進学・応募前に必ず最新の公式情報を確認してください。
記事をシェアする
専門学校を探す
職種から探す
特徴から探す
学費制度から探す
資格・職業を考える


