裁判所事務官になるには?仕事内容・資格・採用試験の難易度と進路を解説
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裁判所事務官は、裁判所で裁判に関する事務や、総務・人事・会計など裁判所の運営を支える仕事をする国家公務員です。
裁判所事務官になるために、特定の資格や決められた学部・学科を卒業する必要はありません。主なルートは、裁判所職員採用試験を受験し、最終合格後に採用されることです。
高校生の場合は、高校卒業後に採用試験を受けるほか、大学・短大・専門学校などへ進学し、学びながら採用試験を目指す方法もあります。
この記事のポイント
- 裁判所事務官になるための特定の資格は必要ない
- 主なルートは裁判所職員採用試験を受験して採用されること
- 一般職には「大卒程度区分」と「高卒者区分」がある
- 高校卒業後すぐに受験するほか、進学してから目指す方法もある
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裁判所事務官とは?
裁判所事務官は、各地の裁判所で裁判に関する事務や、裁判所を運営するための司法行政事務を担当する国家公務員です。主な勤務先は「裁判部」と「事務局」で、配属先によって仕事内容が異なります。
裁判部での仕事
裁判部では、裁判所書記官のもとで各種の裁判事務を担当します。民事・刑事・家事・少年事件などの手続が円滑に進むよう、裁判官や裁判所書記官などと連携して仕事を進めます。
事務局での仕事
事務局では、総務・人事・会計など、裁判所という組織を運営するための司法行政事務を担当します。裁判所事務官は、裁判を支える業務から組織運営まで幅広い仕事を経験できる職種です。
裁判所事務官になるには?
裁判所事務官になるには、裁判所職員採用試験を受験し、最終合格後に採用されるのが主なルートです。採用試験には「総合職」と「一般職」があり、一般職には「大卒程度区分」と「高卒者区分」があります。
裁判所事務官になるまでの流れ
最終合格しただけで必ず採用されるわけではありません。勤務希望地や各裁判所の欠員状況などを踏まえて採用手続が行われます。
裁判所事務官になるために資格は必要?
司法書士や行政書士などの特定の資格は必要ありません。法学部の卒業も必須ではなく、自分が受験できる試験区分を確認して、その試験に合った対策を進めることが重要です。
高校卒業後すぐに裁判所事務官を目指す場合
高校卒業後すぐに目指す場合は、一般職試験の「高卒者区分」が主な選択肢です。基礎能力試験、作文試験、人物試験などがあるため、高校在学中から準備を進めましょう。
高卒者区分には受験できる期間がある
高卒者区分は、高校卒業後であればいつでも受験できるわけではありません。受験する年度の最新の受験案内を確認しましょう。
大学・短大・専門学校などへ進学して目指す場合
進学後に学校で学びながら採用試験を目指す方法もあります。大学・短大の公務員講座や、専門学校の公務員試験対策などを利用できますが、進学先の種類だけで受験できる区分が決まるわけではありません。受験時期と試験区分を確認して進学先を選びましょう。
裁判所事務官の採用試験
裁判所事務官の採用試験には「総合職試験」と「一般職試験」があります。一般職には「大卒程度区分」と「高卒者区分」があり、受験資格や試験内容が異なります。
総合職と一般職の違い
| 試験 | 主な区分・特徴 |
|---|---|
| 総合職試験 | 院卒者区分・大卒程度区分。政策の企画立案などに関わる高い能力を重視 |
| 一般職試験 | 大卒程度区分・高卒者区分。的確な事務処理に関わる能力を重視 |
一般職の受験資格は?
高校生が進路を考えるうえで特に確認しておきたいのが、一般職の「大卒程度区分」と「高卒者区分」の違いです。
一般職の主な受験資格【2026年度】
大卒程度区分
2026年4月1日時点で21歳以上30歳未満の人は、学歴にかかわらず受験できます。21歳未満の場合は、大学・短大・高等専門学校の卒業者・卒業見込みの人など、所定の要件があります。
高卒者区分
高校・中等教育学校の卒業見込みの人や、2026年4月1日時点で卒業後2年を経過していない人などが対象です。
「大卒程度区分」という名称でも、21歳以上であれば大学卒業が必須というわけではありません。受験資格は年度ごとに変わる可能性があるため、最新の受験案内を確認しましょう。
一般職の試験科目は?
一般職は、大卒程度区分と高卒者区分で試験内容が異なります。
大卒程度区分
| 試験 | 試験種目 |
|---|---|
| 第1次試験 | 基礎能力試験(多肢選択式)、専門試験(多肢選択式) |
| 第2次試験 | 論文試験(小論文)、人物試験(個別面接) |
2026年度は、第2次試験の試験種目である論文試験(小論文)も第1次試験日と同じ日に実施されました。大卒程度区分では、基礎能力試験だけでなく専門試験、論文、面接まで見据えた対策が必要です。
高卒者区分
| 試験 | 試験種目 |
|---|---|
| 第1次試験 | 基礎能力試験(多肢選択式)、作文試験 |
| 第2次試験 | 人物試験(個別面接) |
高卒者区分には、大卒程度区分のような専門試験はありません。ただし、筆記試験だけでなく作文や面接も行われるため、それぞれに向けた準備が必要です。
裁判所事務官の採用試験はいつ行われる?
裁判所職員採用試験の日程は年度によって異なります。2027年度の試験日程は、2026年10月現在まだ公表されていません。
参考として2026年度は、一般職の大卒程度区分が3~4月に申込み、5月に第1次試験、高卒者区分が7月に申込み、9月に第1次試験というスケジュールで実施されています。
| 区分 | 2026年度の主な時期 |
|---|---|
| 一般職・大卒程度区分 | 3~4月:申込み 5月:第1次試験 6~7月:人物試験 7月:最終合格発表 |
| 一般職・高卒者区分 | 7月:申込み 9月:第1次試験 10月:人物試験 11月:最終合格発表 |
高校3年生で高卒者区分を受験する場合は、夏ごろには申込みが始まるため、早めに試験内容や受験資格を確認して準備しておくことが大切です。
2027年度の日程が公表されたら、裁判所の採用情報で最新の申込期間・試験日を確認しましょう。
裁判所事務官採用試験の難易度・倍率は?
裁判所事務官の採用試験は、一定の試験対策が必要で、簡単に合格できる試験とはいえません。ただし、倍率は年度や地域で変わるため、倍率だけで難易度を判断しないことが大切です。
一般職(大卒程度区分)の倍率
2026年度の一般職試験(裁判所事務官・大卒程度区分)の実施結果は、次のとおりです。
倍率は「第1次試験の有効受験者数÷最終合格者数」で算出されています。地域によって差があるため、希望する勤務地の実施結果も確認しておきましょう。
出典:裁判所「令和8年度実施結果 一般職試験(裁判所事務官、大卒程度区分)」
高卒者区分の倍率は?
2026年度はこの記事の更新時点で最終合格発表前のため、参考として2025年度の結果を紹介します。
高卒者区分も年度や地域によって倍率が変わります。数字だけでなく、試験科目や過去問題も確認して対策しましょう。
出典:裁判所「令和7年度実施結果 一般職試験(裁判所事務官、高卒者区分)」
採用試験に向けてどんな対策が必要?
まずは受験予定の区分の過去問題を確認しましょう。大卒程度区分では専門試験・論文・面接、高卒者区分では基礎能力試験・作文・面接など、それぞれに合った対策が必要です。
独学のほか、大学の公務員講座や専門学校を利用する方法もあります。進学先を選ぶ場合は、自分が受験する区分に対応しているかを確認しましょう。
裁判所事務官を目指す進学先の選び方
裁判所事務官になるために、特定の大学・短大・専門学校や法学部を卒業する必要はありません。進学する場合は、自分が受験する試験区分に必要な対策を受けられるかを基準に比較しましょう。
進学先選びで確認したいポイント
- どの裁判所職員採用試験を受験する想定なのか
- 筆記・作文・論文・面接の対策を受けられるか
- 裁判所職員を含む公務員試験の合格・進路実績を確認できるか
- 修業年限や学費、通いやすさが自分に合っているか
受験する試験区分と対策内容を確認する
一般職には大卒程度区分と高卒者区分があり、受験資格や試験内容が異なります。学校の種類だけで判断せず、受験予定年度の年齢や卒業時期をもとに対象となる区分を確認しましょう。
「公務員コース」という名称だけでなく、裁判所職員採用試験を合格目標としているか、筆記・作文・論文・面接のどこまで対策できるかも比較ポイントです。
大学・短大・専門学校の違いを比較しよう
| 進学先 | 特徴 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 大学 | 専門分野を幅広く学びながら、4年間かけて進路を検討しやすい | 公務員講座、法律科目、筆記・面接対策 |
| 短大 | 比較的短い期間で専門分野を学びながら、公務員試験を目指せる | 受験予定区分、公務員試験対策、進路支援 |
| 専門学校 | 公務員試験対策を中心に学べるコースがある | 対応区分、筆記・作文・論文・面接対策、合格実績 |
大学なら必ず有利、専門学校なら必ず合格しやすいというわけではありません。学びたいこと、受験までの期間、必要なサポートを比べて選びましょう。
法学部への進学は必須ではない
法学部以外からも裁判所事務官を目指せます。ただし、大卒程度区分には専門試験があるため、大学で法律を学ぶことが対策につながる場合があります。法学部以外でも、公務員講座や独学、専門学校などで必要な知識を身につけられます。
気になる学校があれば、資料請求やオープンキャンパスで、裁判所職員採用試験への対応区分や具体的な対策内容を確認してみましょう。
裁判所事務官を目指せる学校を探す裁判所事務官を目指せるおすすめ専門学校
ここでは、コレカラ進路.JPに掲載されている学校のうち、裁判所職員を目標とするコースや、公務員試験対策を学べるコースがある専門学校を紹介します。
駿台法律経済ビジネスカレッジ【東京都千代田区】
「行政系公務員コース」は国家・地方公務員などを目指す2年制コースで、目標試験に「裁判所職員一般職(高卒程度)」、卒業後に目指す進路に裁判所事務官が明記されています。
数的推理・判断推理・文章理解などの公務員試験対策に加え、論作文演習などにも取り組みます。SPI対策やFP、MOSなども学び、民間企業への就職も視野に入れられます。
駿台法律経済ビジネスカレッジの詳しい紹介はこちら大原簿記法律専門学校梅田校【大阪府大阪市】
裁判所や検察庁、税務署などの公務員を目指すコースで、合格目標のひとつに「裁判所一般職」が掲げられています。
数的推理・判断推理を基礎から学び、教養科目、論作文、過去の面接試験データを活用した面接トレーニングなどにも取り組みます。
大原簿記法律専門学校梅田校の詳しい紹介はこちら大原公務員専門学校福岡校【福岡県福岡市】
「国家行政職コース」と「公務員総合コース」は、いずれも合格目標に「裁判所 一般職 高卒程度」が明記されています。
国家行政職コースは国家公務員を中心に目指したい人向け、公務員総合コースは基本科目を学びながら目指す職種を検討したい人向けです。現役公務員やOB・OG、人事担当者などによるガイダンスも行われています。
大原公務員専門学校福岡校の詳しい紹介はこちら受験したい試験区分への対応、修業年限、学費、通いやすさなどを比較して、自分に合った進学先を探してみましょう。
裁判所事務官に向いている人
裁判所事務官は、正確に事務を進める力や、周囲と協力して仕事を進める力を生かせる仕事です。
裁判所事務官に生かしやすい力・姿勢
- 正確・丁寧に仕事を進められる
- 責任を持って仕事に取り組める
- 周囲と協力しながら仕事を進められる
- 相手の立場を考えて落ち着いて対応できる
- 法律や裁判制度などについて継続して学べる
一方、「今は法律に詳しくない」という理由だけで向いていないと考える必要はありません。必要な知識は採用試験の勉強や、採用後の研修・実務を通して身につけていけます。
裁判所事務官のキャリア
裁判所事務官として経験を積んだ後は、法律の専門職である「裁判所書記官」を目指すほか、さまざまな部署で経験を重ねて昇進する道があります。
裁判所書記官を目指すこともできる
裁判所事務官などとして一定期間勤務すると、「裁判所書記官養成課程」の入所試験を受験できます。合格後、裁判所職員総合研修所で法律の理論や実務を学び、課程を修了すると裁判所書記官に任命されます。
養成課程は、法学部卒業者などが学ぶ第一部が約1年、それ以外の人が原則として学ぶ第二部が約2年です。裁判所書記官は、法廷への立会いや調書の作成など、法律で定められた専門的な職務を担います。
事務局などで経験を積み、昇進する道もある
裁判所では、採用試験の種類にかかわらず、能力や勤務成績に応じて昇進の道が開かれています。さまざまな部署で経験を積みながら専門性や強みを広げることができます。
裁判所事務官についてよくある質問
裁判所事務官になるには資格が必要ですか?
必要ありません。主なルートは裁判所職員採用試験を受験し、最終合格後に採用されることです。
高卒でも裁判所事務官になれますか?
はい。一般職試験には「高卒者区分」があります。ただし受験できる期間などの条件があるため、最新の受験資格を確認しましょう。
裁判所事務官になるには法学部に進学した方がいいですか?
法学部は必須ではありません。ただし大卒程度区分には専門試験があるため、法律を学ぶことが試験対策につながる場合があります。
大学と専門学校ではどちらが裁判所事務官を目指しやすいですか?
どちらが必ず有利というわけではありません。受験予定の試験区分への対応や、筆記・作文・論文・面接対策の内容を比較して選びましょう。
裁判所事務官と裁判所書記官の違いは?
裁判所事務官は裁判事務や司法行政事務を担当します。裁判所書記官は法律の専門職として、法廷への立会いや調書の作成などを担います。
裁判所事務官の採用試験は難しいですか?
一定の試験対策が必要です。倍率だけで判断せず、受験する区分の試験科目や過去問題を確認して早めに準備しましょう。
専門学校に進学すれば裁判所事務官になれますか?
専門学校を卒業するだけではなれません。採用試験への合格と採用が必要です。進学する場合は、受験予定の区分に対応した対策を受けられるか確認しましょう。
まとめ|自分に合った進路から裁判所事務官を目指そう
裁判所事務官になるために特定の資格を取ったり法学部を卒業したりする必要ありません。高校卒業後すぐに受験するほか、大学・短大・専門学校などへ進学してから目指す方法もあります。
まずは自分がいつ・どの試験区分を受験するのかを確認し、必要な対策を考えましょう。進学する場合は、裁判所職員採用試験への対応内容やサポートを比較して、自分に合った学校を探してみてください。
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