通関士になるには?仕事内容や必要な資格、向いている人の特徴を紹介!

  • 2020.01.29
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通関士になるには?仕事内容や必要な資格、向いている人の特徴を紹介!

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「通関士になるにはどうすればいい?」「資格は難しい?」——そんな疑問を持っている方に向けて解説します。

結論から言うと、通関士になるには国家試験に合格したうえで、通関業者に就職する必要があります。

ただし、通関士試験の合格率は例年15〜20%前後と決して高くなく、法律科目の学習が必要なことから、しっかりとした対策が求められる資格です。

一方で、受験資格がなく誰でも挑戦できる点や、貿易・物流の分野で安定したニーズがある点から、将来性のある専門職として注目されています。

この記事では、通関士の仕事内容から資格の取り方、難易度、就職先、年収まで、「結局どうなのか?」がわかるようにわかりやすく解説していきます。

【3秒でわかる】通関士になるには

  • 必要なこと:国家試験に合格+通関業者に就職
  • 難易度:やや高い(合格率15〜20%)
  • おすすめ度:★★★☆☆(安定性は高いが、専門知識と継続学習が必要)

目次

通関士とは?仕事内容と役割

通関士は、輸出入に関わる書類作成や税関への申告手続きを専門に行う、財務省管轄の国家資格者です。海外から商品を輸入したい企業が「この荷物、日本に通すためにどんな手続きが必要か」と専門家に依頼するとき、その窓口になるのが通関士です。

国家試験に合格した後、勤務先の通関業者からの申請をもとに財務大臣(税関長)の確認を受けてはじめて「通関士」として業務に従事できます。試験合格だけでなく、通関業者のもとで働くことが前提となっている点がこの資格の特徴のひとつです。

通関とは何か——まず基本を押さえよう

「通関」という言葉は耳慣れないかもしれません。簡単に言うと、貨物を輸入・輸出しようとする者が税関に対して必要な申告を行い、検査を受けて許可をもらうプロセスのことです。輸入の場合は関税などの納付もここに含まれます。

日常的に使っているスマートフォン・衣類・食品にも、海外から輸入されたものがたくさんあります。そのすべてが通関という手続きを経て日本国内に届いているわけで、その手続きを代行するプロフェッショナルが通関士です。

通関士の仕事内容

通関士の主な勤務先は、通関業務を専門とする「通関業者」や運送会社・倉庫会社などです。取引先企業から依頼を受け、輸出入に必要なあらゆる手続きを代行します。

具体的には次のような業務を担います。

  • 通関に必要な書類の作成・確認
  • 対象貨物が法令・規制に違反していないかのチェック
  • 関税定率法に基づく税率の判断と関税・消費税の計算
  • 輸出申告・輸入申告の手続き(NACCSによる電子申告を含む)

書類の精度が特に問われる仕事で、申告内容に誤りがあれば依頼企業に罰則や損失が発生するリスクもあります。ただ、その分だけ1件の通関が無事に完了したときの達成感も大きい、とよく言われます。

通関士の1日の仕事の流れ(例)

通関業者に勤務する通関士の1日を例として紹介します。港湾・空港のスケジュールに業務が左右されることも多く、貨物の到着が遅れれば締切ギリギリの対応になる日もあります。

書類や申告作業が中心に見えますが、実際には多岐にわたる知識が求められます。輸出入が禁止されているものや規制対象の品目を正確に把握し、海外とのやり取りでは英語力も欠かせません。国際ビジネスの最前線に立つ職種といっても過言ではないでしょう。

通関士の仕事はきつい?よくあるギャップ

通関士は「安定している」「専門職」というイメージがありますが、実際に働いてみてギャップを感じる人も少なくありません。

  • 納期に追われやすい
    貨物の到着時間に合わせて申告を行うため、スケジュールがタイトになることがあります。
  • ミスが許されないプレッシャー
    申告内容の誤りは企業の損失につながるため、常に高い集中力が求められます。
  • 残業が発生しやすい職場もある
    港湾・空港のスケジュールに左右されるため、繁忙期は業務が集中することがあります。

こうした特徴から、通関士は「楽に稼げる仕事」ではなく、コツコツと正確に仕事を進められる人に向いている職業といえます。

通関士になるには——資格取得の流れ

通関士になるには、毎年1回実施される国家試験に合格することが出発点です。試験合格後は税関長への届出と承認を経て、正式に通関士として業務に就くことができます。

通関士を目指す3つのルート

通関士を目指す方法は大きく3つあります。自分の状況やペースに合ったルートを選ぶことが、合格への近道です。

受験資格は不要——誰でも挑戦できる

通関士試験には受験資格がありません。学歴・年齢・経験・国籍に関わらず誰でも受験できます。「まだ学生だから無理かも」と思う必要はなく、在学中から挑戦することも十分可能です。

試験の概要

試験は例年10月頃に実施されます。受験申し込みは試験実施地を管轄する税関で例年7月下旬〜8月上旬の約2週間にわたって受け付けられます。試験地は例年、北海道・宮城県・東京都・神奈川県・新潟県・静岡県・愛知県・大阪府・兵庫県・広島県・福岡県・熊本県・沖縄県など全国各地に設けられています。

試験科目は以下の3つです。

  • 関税法・関税定率法・外国為替及び外国貿易法(関係部分)
  • 通関書類の作成要領その他通関手続きの実務
  • 通関業法

合格基準は、関税法等・通関業法が満点の60%以上、通関書類の作成等が満点の50%以上です。通関業者での実務経験や税理士・弁護士等の関連資格保有など、一定の条件を満たした場合は科目免除制度を利用でき、1〜2科目を免除した状態で受験することも可能です。免除の適用条件は細かく定められているため、詳しくは試験の最新公告を参照してください。

試験の難易度と合格率

財務省が公表している通関士試験結果によると、近年の合格率は概ね15〜20%前後で推移しています。決して易しくはない難関試験ですが、試験範囲は明確で、計画的に学習を進めれば合格できる試験でもあります。専門学校や通信講座を活用して体系的に学ぶことが、合格への近道です。

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通関士の就職先——どんな場所で働くのか

通関士の資格を取得した後の就職先は多岐にわたります。

通関業者

輸出入に関する業務を請け負う専門業者です。税関のある港湾・空港の近くに営業所を構えていることが多く、通関業務のプロ集団として機能しています。

運送会社・倉庫会社

物品の輸送・保管にとどまらず、通関業の許可を取得して通関業務も行う運送会社が増えています。倉庫会社も同様に、保税蔵置場(外国貨物を保管できる施設)の管理と通関業を兼業するケースが多くなっています。

貿易会社・メーカー

貿易会社では輸入品の関税率を事前に把握して利益を試算するために、社内に通関士を置くことがあります。メーカーでも、部品の海外調達のために社内に通関部署を設けている企業は少なくありません。

百貨店・郵便事業会社など

輸入商品の直接買い付けを行う百貨店や量販店でも、通関業の許可を取得して通関士を採用する動きが広がっています。2009年からは郵便で運ばれる貨物の一部にも輸出入申告が義務付けられたことで、郵便事業会社でも通関士の採用が進んでいます。

通関士に向いている人の特徴

通関士の仕事に向いているのは、次のような特性を持つ人です。

まず、細かい作業を丁寧にこなせる人。書類の一つひとつが正確でなければ、依頼企業に大きな損失を与えてしまう可能性があります。慎重さと粘り強さが、この仕事の根幹です。

次に、英語でのやり取りに抵抗がない人。海外の取引先とのコミュニケーションや英文書類の作成が日常的に発生するため、英語力は仕事の幅を広げます。求人では「TOEIC500〜650点以上」を応募条件とする企業が多く見られます。

そして、法律や規制について継続的に学べる人。貿易に関するルールは随時変化するため、資格取得後も学び続ける姿勢が欠かせません。知識をアップデートしていくことを楽しめる方に向いている職業です。

通関士に向いていない人の特徴

通関士はやりがいのある仕事ですが、すべての人に向いているわけではありません。以下のような方は、ミスマッチを感じる可能性があります。

  • 細かいチェック作業が苦手な人
    通関業務は書類の正確性が重要です。小さなミスが大きなトラブルにつながるため、丁寧さが求められます。
  • 法律の文章を読むのが苦手な人
    試験では関税法や通関業法などの法律知識が問われます。条文を読むことに抵抗があると、学習が負担に感じやすくなります。
  • 英語に強い苦手意識がある人
    試験自体は日本語ですが、実務では英文書類や海外とのやり取りが発生します。最低限の読解力は必要です。
  • スピードより正確さを求められる仕事が合わない人
    納期に追われる場面もありますが、それ以上に「正確さ」が重視される仕事です。

もちろん、これらに当てはまる場合でも努力によって克服することは可能です。ただし、あらかじめ仕事内容との相性を理解しておくことが、進路選びで後悔しないポイントになります。

通関士の将来性

関税の規制緩和が進み、アジア方面を中心に貿易取引量は増加傾向にあります。大企業だけでなく中小企業が海外市場へ進出するケースも増え、通関の需要は拡大しています。

通関業者の営業所には通関業法により、従業員10名につき1名以上の通関士を配置することが義務付けられています。現状では通関業務の増加に対して通関士の数が追いついていないのが実情で、資格保有者のニーズは根強くあります。

国際物流・貿易の専門家として活躍できるフィールドは今後も広がっていくと考えられており、将来性のある職種のひとつです。

【独自視点】通関士×ITスキルで広がる新たなキャリア

近年、貿易手続きのデジタル化が進んでいます。税関の申告システムの電子化(NACCS:輸出入・港湾関連情報処理システム)の活用は広く普及しており、物流データの分析やAIを活用した書類チェックへの取り組みも一部の企業で始まりつつあります。

こうした流れのなかで、通関士の資格にプラスしてデータ活用スキルやデジタルリテラシーを持つ人材は、今後の貿易業界でより重宝される存在になっていく可能性があると考えられています。「貿易DXのスペシャリスト」としてのキャリアはまだ発展途上の領域ですが、通関の知識とITスキルを同時に磨ける環境で学ぶことが、将来の差別化につながるかもしれません。

通関士試験の勉強方法

通関士試験は関税法・関税定率法・通関業法・実務の3科目にわたる広範な出題が特徴です。どの勉強方法が自分に合っているかを早めに見極めることが、合格への最短ルートになります。

通関士試験の勉強方法の比較

方法 こんな人に向いている 費用感 ポイント
独学 自己管理が得意・費用を抑えたい方 テキスト代のみ(数千円〜) 300〜500時間の学習目安。法律条文の読解が最初の壁になりやすい
専門学校・予備校 体系的に・確実に学びたい方 数十万円〜 出題傾向を踏まえた効率的な学習。貿易実務・英語も並行して習得可能
通信講座 働きながら・自宅で学びたい方 数万円〜十数万円 スキマ時間を活用しやすい。独学よりも体系的で費用のバランスが良い

費用・期間は目安です。各機関の最新情報をご確認ください

独学で挑戦する場合

市販のテキストと過去問を組み合わせて学習するスタイルです。費用を抑えられる反面、自己管理が必要で、受験指導機関が目安とする300〜500時間を計画的にこなす意志力が求められます。法律の条文読解に慣れていない場合は、最初の取りかかりに時間がかかることも想定しておくとよいでしょう。

専門学校・予備校を活用する場合

通関士試験に特化した講座では、出題傾向を踏まえた効率的なカリキュラムで学べます。講師への質問や模擬試験を活用しながら合格を目指せる環境は、特に法律学習が初めての方に向いています。貿易実務や英語も並行して学べる専門学校は、就職後のキャリアまで見据えた学習ができる点も魅力です。

通信講座を活用する場合

働きながら学びたい方や、自宅学習を希望する方に向いています。動画講義とテキストを組み合わせた通信講座は、スキマ時間を有効に使える点が強みです。独学よりも体系的に学べるため、学習効率と費用のバランスを取りたい方にとって現実的な選択肢です。

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通関士の年収

通関士の給与は、勤務先の企業規模・所在地域・経験年数・役職によって大きく異なります。多くの求人情報や解説では、年収の目安として300〜500万円程度が挙げられることが多いです。

通関業務の需要増加とともに、専門資格保有者の評価が高まっている傾向もあり、資格を持っていることが昇給・キャリアアップの後押しになる職場も多いようです。

通関士を目指すために今から学べること

通関士を目指す場合、専門学校や大学で貿易実務・国際ビジネス・外国語を体系的に学ぶことが近道です。特に英語力と法律知識の両方を鍛えられる環境を選ぶことが大切です。

おすすめの関連資格

通関士試験の受験準備として、また就職活動での評価を高めるために、以下の資格取得も検討してみてください。

TOEIC(Listening & Reading Test):英語力を客観的に証明できる資格。通関士として働く際には600〜650点以上を目安に目指すとよいでしょう。リスニング・リーディング合計990点満点で、点数によって英語力が証明されます。

日商ビジネス英語検定:商工会議所が実施する検定で、英文書類の作成能力と貿易実務の知識が同時に問われます。3級では「インボイス(商業送り状)」「船荷証券」「信用状」といった貿易書類の基礎が出題範囲となっており、通関士の学習内容と親和性が高い資格です。

マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS):ExcelやWordなどのPCスキルを証明できる資格。通関業務では書類作成にPCを多用するため、スペシャリストレベル(一般)を取得しておくと実務に役立ちます。

よくある質問(FAQ)

通関士になるには大学と専門学校、どちらがよいですか?

どちらにも強みがあります。大学では法律・経済・国際関係の幅広い基礎を身につけながら在学中に受験を目指せます。専門学校では通関士試験に特化したカリキュラムで効率よく学べ、貿易実務・英語も並行して習得できます。「幅広い教養も身につけたい」なら大学、「通関士一本に絞って最短で実力をつけたい」なら専門学校、というイメージで選ぶとよいでしょう。

通関士は英語が得意でないと難しいですか?

通関士試験そのものは日本語で行われるため、英語が苦手でも資格取得は可能です。ただし、実際の業務では英文書類の作成や海外との英語でのやり取りが発生するケースが多く、就職後のことを考えると英語力を磨いておくと有利です。TOEIC600点以上を目標にすると、求人の選択肢が広がります。

通関士の資格は在学中に取得できますか?

はい、可能です。通関士試験には年齢・学歴などの受験資格がないため、在学中でも受験・合格することができます。就職時に資格を持っていると大きなアドバンテージになるため、早めに学習を始めることをおすすめします。

通関士として働くには必ず通関業者に就職しなければなりませんか?

通関士として「通関業務」を行うためには、通関業法に基づき通関業の許可を持つ業者(通関業者・運送会社・倉庫会社など)に勤務することが必要です。ただし、貿易会社やメーカーなどでも通関に関わる知識を活かした業務に携わることは可能で、資格を持つことで貿易に関わるさまざまな職場でのキャリアが開けます。

通関士試験に科目免除制度はありますか?

はい、あります。通関業者での実務経験や税理士・弁護士等の関連資格保有など一定の条件を満たした場合に、1〜2科目の免除が認められます。適用条件は細かく定められているため、詳しくは財務省・税関が公表する最新の試験公告を確認してください。

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通関士を目指すなら学校選びが重要な理由

通関士試験は独学でも受験できますが、法律科目の理解や出題傾向の把握が難しく、途中で挫折してしまう人も少なくありません。

そのため、試験対策と貿易実務を同時に学べる学校を選ぶことで、合格率と就職率の両方を高めることができます。

おすすめの通関士に関連する専門学校

ここからは、おすすめの通関士に関連する専門学校をご紹介します。
いずれも外国語教育に関連する分野でとても評価の高い学校なので、通関士になるために専門的に学びたいという方には最適な学校です。

富山市立富山外国語専門学校【富山県富山市】

◆関連学科:実務英語科、専攻科

外国語を学ぼう!富山市立富山外国語専門学校は全国で唯一の公立外国語専門学校です。

富山市立富山外国語専門学校の詳しい紹介はこちら

河原外語観光・製菓専門学校【愛媛県松山市】

◆関連学科:外国語学科

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国際外語・観光・エアライン専門学校【新潟県新潟市】

◆関連学科:国際文化観光科 英語キャリアコース

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結論:通関士はどんな人におすすめ?

通関士は、専門性の高い国家資格であり、貿易・物流業界で安定して働きたい人にとって有力な選択肢です。

ただし、「資格を取ればすぐ高収入」「誰でも簡単に合格できる」といった職業ではありません。法律科目を中心とした試験対策が必要で、就職後も実務経験を積みながらスキルを高めていく必要があります。

そのため通関士は、次のような方に向いている職業です。

  • 安定した専門職に就きたい
  • コツコツと知識を積み上げるのが得意
  • 貿易・国際ビジネスに興味がある

一方で、「とにかく楽に稼ぎたい」「勉強は最小限にしたい」という方には、ややハードルが高い職業といえるでしょう。

※本記事は財務省および税関が公表している試験情報をもとに作成しています。

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