歯科衛生士になるには?仕事内容や将来性、向いている人の特徴を解説!
- 2019.12.25
投稿日:2019年12月25日|最終更新日:2024年8月26日
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歯科衛生士になるにはどのような方法があるのでしょうか?また、歯科衛生士として働くにはどのようなスキルや資格が必要なのでしょうか?
この記事では、歯科衛生士の概要や仕事内容、生涯役立つ国家資格の取得方法、就職先、関連する職業や資格などについて詳しく解説します。
歯科衛生士という素敵なお仕事に興味がある方は、ぜひこの記事を読んでみてください。歯科衛生士になる方法や将来性、おすすめの学校まで詳しく知ることができます!
歯科衛生士とは?
歯科衛生士は歯科疾患の予防及び口腔衛生の向上を図ることを目的として(歯科衛生士法第1条より)、歯科医師の指導のもと口腔内のケアなどを行う国家資格です。
20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われており、生涯自分の歯で食事を楽しめるように「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という8020運動などがあるように、口の健康を守ることは長い人生を生きる上で大切なことです。
食事を楽しむだけでなく、会話を楽しみ、口の先にある消化器官の健康を守り、さらに顔の一部である歯を美しく保つことで幸福感もアップすると言います。
このように口の健康を守るということは人を幸せにするといっても過言ではありません。そのサポートをする素敵なお仕事をするのが歯科衛生士とも言えます。
歯科衛生士の仕事内容
歯科衛生士の仕事は歯科衛生士法第2条により、次の3つの業務を行う者として定められています。
・歯科診療補助
・歯科保健指導
それぞれについてみていきましょう。
●歯科予防処置
歯科衛生士法第2条1項には予防処置の行為として
①歯牙露出面及び正常な歯茎の遊離縁下の付着物及び沈着物を機械的操作によって除去すること。
②歯牙及び口腔に対して薬物を塗布すること。
と定められています。
具体的には虫歯抵抗性を与えるフッ化物などの薬品の塗布、虫歯や歯周病を予防するために歯石や歯垢といった口腔内の汚れを機械を使って除去すること、などが挙げられます。
歯を失ってしまう原因の9割は虫歯と歯周病によるものなのだそうです。
逆に言えばこの二つを防いでいれば歯を守ることができると言えるのではないでしょうか。歯科予防処置は歯を守る重要な役割を果たしているのです。
●歯科診療補助
歯科医師の診療を補助する事や、歯科医師の指示のもと歯科治療の一部を行うなど、歯科医師の診療の手助けをします。
例えば治療器具の準備や殺菌消毒、治療中の器具の受け渡し、治療中・治療後の口腔内の清掃、矯正装置や義歯を作成するための歯型採取、歯科の規模によってはカルテ管理や診療報酬請求まで行うこともあります。
また、患者さんと歯科医師の間に立ってコミュニケーションを築くお手伝いをしたり、患者さんの緊張を和らげたりといったことも診療補助の大切な役割です。
このように歯科診療補助として歯科診療を行うために幅広く業務を行うことになります。
●歯科保健指導
フッ化合物の塗布や歯石の除去なども大切なことですが、実は虫歯や歯周病は生活習慣病ですので、予防処置をしてもらう前に日々の生活習慣を改善することが重要なのです。
そこで歯科衛生士が虫歯や歯周病を予防するために歯磨きの指導などを中心に指導を行います。
歯科保健指導は年齢や健康状態に関わらずすべての人に必要な指導ですので、患者さんの年齢や身体の状況に合わせて様々な指導を行っていくことになります。例えば歯磨きの指導だけではなく、寝たきりの方には訪問口腔ケアを、高齢者の方の咀嚼する力が弱くなっている場合は摂食訓練を行うなどといった指導があります。
歯科衛生士になる方法(資格取得方法等)
歯科衛生士になるためには高校卒業後に歯科衛生士養成機関(大学、短大、専門学校など)を卒業するなどして国家資格の受験資格を得て、国家試験に合格しなければなりません。
国家試験に合格した後は一般財団法人歯科医療振興財団に歯科衛生士免許の登録申請を行い、歯科衛生士名簿に登録されることによって歯科衛生士の免許証が交付されます。
歯科衛生士になるには国家試験に合格し、免許を取得しなければならないというのは歯科衛生士法第3条によって定められています。
また、業務を行うには就業地の保健所へ届出しなければなりません。届出には氏名、年齢、住所、名簿の登録番号及び登録年月日、業務に従事する場所の所在地及び名称を記載しなければなりませんので、名簿の登録及び免許証の交付は必ずしなければならないということになります。
資格難易度や試験について
歯科衛生士の国家試験について
歯科衛生士の国家試験は、毎年3月上旬ごろに行われます。
試験の合格率は95%前後とかなり高めです。
これは決して試験問題が簡単だというわけではないのですが、きちんと学校に行って勉強をしていれば合格することができる可能性が高い試験だとも言えます。
受験書類の配布:9月下旬ごろから各養成所にて配布。
既卒者の場合は歯科医療振興財団に郵送にて請求。
受験書類の受付:1月上旬に一般財団法人歯科医療振興財団に書留郵便をもって送付によって提出する(原則)。
試験日程:3月上旬(日曜日)
試験地:北海道、宮城県、千葉県、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県及び沖縄県
試験科目:人体(歯・口腔を除く)の構造と機能
歯・口腔の構造と機能
疾病の成り立ち及び回復過程の促進
歯・口腔の健康と予防に関わる人間と社会の仕組み
歯科衛生士概論
臨床歯科医学
歯科予防処置論
歯科保健指導論
歯科診療補助論
※年によって少しずつ合格点は異なりますが、おおよそ60%の点数を取得すれば合格となるようです。
合格発表:3月下旬
今後の歯科衛生士の将来性
現在の歯科医療は予防することに重点が置かれるようになっています。
前述した8020運動などが推進されている今、超高齢化社会を迎えるにあたって歯科予防処置や歯科保健指導などを行ってくれる歯科衛生士の需要が高まっています。
さらに、歯科予防処置などだけではなく、日本の死因の第3位である「肺炎」の原因が不衛生な口腔内で、高齢者の肺炎の約70%誤嚥性肺炎(※)に関係しているとされていることなどから、高齢者に向けて口腔ケアや訪問診療といった業務が注目されています。
※口の中の物が誤って肺に入り込むことによって起きる肺炎。異物と一緒に細菌も飲み込んでしまうことが原因とされている。
もちろん予防が重要視されているのは全年齢ですので、高齢者の方だけではなく保育園、幼稚園、学校や企業、在宅ケアなど様々で、活動する場は広範囲に広がっていると言えます。
これらのことから、歯科衛生士の求人数は増加傾向にあります。
また、歯科衛生士は女性の割合が高いため、結婚や妊娠・出産で離職する方が多いのも特徴です。離職率が高いため常に求人がある状態なので就職しやすく、同時に復職もしやすいようです。
求人数が多く、これからはもっと需要が高まる可能性がある歯科衛生士の将来性は十分にあると言えるでしょう。
歯科衛生士の就職先
歯科衛生士の就職先は歯科診療所(一般の歯科医院)が9割を占めています。
ほとんどの人は歯科診療所に就職しているということになります。
歯科診療所以外だと保健所や市町村、病院、老人介護施設、企業、歯科衛生士学校など、幅広い活躍の場があります。
公務員試験に合格すれば、公務員として国立病院や県病院・保健センターなどで働くことも可能です。パートで働く場合は公務員試験に合格していなくても臨時職員として採用されれば勤務することができます。
最近ではフリーランスとしていくつかの歯科診療所と契約をして働いたり、講師活動をする方もいらっしゃるようです。
歯科衛生士に向いているのはこんな人
歯科衛生士が行う業務として歯垢や歯石の除去、フッ化合物の塗布、歯型の採取などが挙げられますが、細かい作業が多いのが特徴です。
歯石の除去などを行う際には機械を使用しますので、患者さんに誤ってけがをさせてしまうことが無いように慎重な作業を行っていくことになります。
そのため、細かい作業が得意で手先が器用であることは大切な条件の1つなのではないかと考えられます。
また、老若男女問わず対応することができるコミュニケーション能力も求められます。
小さい子供は歯医者さんが苦手だという子も多いはずです。安心して治療を受けてもらえるように恐怖心を取り除いたり、緊張を和らげてあげたりといったスキルが欲しいところです。
お年寄りの場合は正しい歯磨きの方法や治療などについてわかりやすく説明する事や、抱えている症状や悩みごとの対応をしなければなりません。
そして患者さんだけでなく、歯科医師の診療補助を行う際も、歯科医師が治療に専念できるようサポートを行う必要があります。
治療を円滑に進めていくためにコミュニケーション能力が高い人が重宝されるというわけですね。
歯科衛生士に関連する職業や資格
関連する職業
例えば摂食障害や嚥下障害がある場合は、食事の状態や口腔内の衛生状態、栄養状態などをチームで治療していくことがあります。
この場合に関わる医療従事者は医師だけでなく、看護師や栄養状態の管理や食事指導をおこなう管理栄養士、日常生活における動作を行えるよう治療を行う作業療法士など、様々な専門職と連携して治療を行うことになります。
関連する資格
高齢者の治療や介護施設での業務を行うことから、ケアプランを作成することができる「ケアマネージャー」や、障碍者歯科や老年歯科など、特定する専門分野において高度な業務実践の知識・技能を有すると認められた「認定歯科衛生士」などの取得を取得してスキルアップをすることで自分の歯科衛生士としての価値を上げることも可能です。
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