アナリスト(証券)になるには

  • 2020.02.28
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アナリスト(証券)になるには

アナリスト(証券)の概要や仕事内容

アナリスト(証券)とは?

 まずアナリストというのは「分析」という意味の「アナリシス」という言葉から派生した言葉で、日本語でいうと主に分析家や評論家といった職業のことを指します。
 
 そのうち証券アナリストというのは、金融市場(株式市場、債券市場、商品市場など)の分析や調査を行う専門家のことです。そのため財務分析家や株式アナリスト、投資アナリストなどと呼ばれることもあります。

 証券アナリストの仕事をしていれば証券アナリストを名乗ることはできますが、通常は証券アナリストの民間資格である「CMA資格」を取得している人のことを証券アナリストといいます。採用情報の「歓迎スキル」としてCMA資格を掲載している企業も多く、採用後も昇進するための指標として使われることもあるそうです。
CMA資格については後述します。

アナリスト(証券)の仕事内容とは?

 前述したとおり、証券アナリストというのは金融市場の分析や調査を行う専門家です。
 証券会社や銀行などの金融機関や投資顧問会社に所属し、次のような業務を行っています。
  ・企業の収益・経営状態の分析調査
  ・企業の増資、新製品開発の動向などの分析調査
  ・国内外の経済政治情勢などの分析調査
  ・為替や原油価格、金利の動向の分析調査
    ⇒これらの調査により株価の評価や金融の動向を予測すること
  ・投資に関するアドバイス
  ・資判断基準となる基礎的材料の提供

 証券アナリストの分析調査によって、企業の価値を判断したり個人投資家に向けて情報適用を行っています。

アナリスト(証券)になる方法(資格取得方法等)

 こちらも前述したとおり、資格がなければ証券アナリストを名乗ることができないというわけではありません。しかし就職や昇進に有利な資格であるのは日本証券アナリスト協会が認定する民間資格のCMA資格(証券アナリスト資格)です。

 資格を取得するためには段階を踏んでいくことになります。
①第一次レベル
通信教育講座による体系的な学習を行い(受講必須)、検定試験を受験します。
試験は
・証券分析とポートフォリオ・マネジメント
・財務分析
・経済
の3つの科目に分けて実施されます。試験の合否も科目別に判定されます。
第一次レベルの検定試験の3科目全てに合格したら、3科目合格の達成年を含め3年以内に第2次レベル講座を受講します。

②第二次レベル
第一次レベルと同じく通信教育講座を受講してから検定試験を受験します。
試験は第一次レベルの内容を深めたもので、
・証券分析とポートフォリオ・マネジメント
・コーポレート・ファイナンスと企業分析
・市場と経済の分析
・職業倫理・行為基準
の4科目からなっています。試験の合否は4科目の総合問題形式で出題され、合否判定されます。

③資格の付与
証券分析の実務経験を3年以上有する者と認定されたら、日本証券アナリスト協会の検定会員として入会の資格が付与されます。(証券分析に関する学識や経験、能⼒を充分に備えた者(学識経験者)も資格の付与の対象です。)

実務経験年数が不足している場合は「検定会員補」として登録されます。検定会員補は第一次レベルの試験3科目すべての合格者も登録可能で、検定会員補には機関誌の配布やセミナーの受講割引といった特権や、名刺への称号記載が可能になります。
実務経験を積めたら正会員としての資格を得ることができます。
    

資格難易度や試験について

試験について

 では、CMA資格の第1次試験についてチェックしていきましょう。

 ●試験の概要
 ※下記は2020年の試験の日程です。
受験要件:証券アナリスト教育・試験制度は、試験や称号の付与だけを目的としているのではなく、教育・学習過程を重視しているため、講座の受講が受験の要件となります。初回試験は、受講年度の翌年です。

 受験書類の受付:春試験…2020年2月7日(金)~3月9日(月)
          秋試験…2020年7月21日(火)~8月19日(水)

  試験日程:春試験… 国内9会場および香港 2020年4月26日(日)
ニューヨークおよびロンドン 2020年4月25日(土)

       秋試験… 国内9会場および香港 2020年9月27日(日)
ニューヨークおよびロンドン 2020年9月26日(土)

  試験地:国内(9会場):札幌、仙台、東京、金沢、名古屋、大阪、広島、松山、
福岡
海外(3会場):ニューヨーク、ロンドン、香港

試験科目:試験は同じ日に科目別に実施されます。
 科目は以下の通りです。
 ・証券分析とポートフォリオ・マネジメント
  →この科目は、1.計量分析と統計学、2.ファンダメンタル分析、3.個別資産(株式や債券等)の分析・評価、4.ポートフォリオ・マネジメントの4つの領域から構成されています。
 ・財務分析
  →企業の公表する損益計算書や貸借対照表などの財務諸表から、当該企業の活動状況を読み取る技法を中心に学習します。そのため、会計学(簿記を含む)と財務諸表分析の知識が必要となります。
 ・経済
  →マクロ経済学(金融財政と国際経済学を含む)とミクロ経済学の2つの領域に分かれ、証券分析とポートフォリオ・マネジメントを理解するうえでの基礎的諸概念や分析ツールを理解することを目標とします。

       試験は証券分析業務に必要な基本的な知識および分析力を問うものであり、原則としてテキストから出題されます。学習した基本的な理論、概念、分析ツール等を正確に理解していることが鍵となります。

すべての問題は正解が1つの客観問題(計算問題、穴埋め問題を含む選択肢問題)で、答案用紙はマークシートを使用しています。各問題の冒頭には、問題ごとの配点(=解答に要する時間の目安、1分=1点)が表示されており、 その配点合計は試験時間(分単位)と一致します。

  合格発表:春試験は6月上旬までに、秋試験は11月上旬までにマイページの「試験結果の確認」からご覧いただけます。

今後のアナリスト(証券)の将来性

 日本のアナリストの多くは企業で働いています。
 資本主義の高度化に伴って、証券アナリストの業務は拡大・専門化が進んでいます。そのため企業からの需要があることはもちろんのこと、賃金があまり増加しないため個人投資家だけでなく一般の方からも証券アナリストのデータ分析調査の需要が増えているといいます。

 実際にアメリカなどでは企業ではなくフリーランスで働く証券アナリストが増加しているそうです。日本でも同じようにフリーランスの証券アナリストが増加すると予測されているそうです。
 このことからもわかるように、この先も需要は続いていくと考えられますので、将来性は十分にあるといえるのではないでしょうか。
 

アナリスト(証券)の就職先

 アナリストの主な就職先は金融機関です。具体的には
 ・証券会社
 ・投資信託会社
 ・投資顧問会社
 ・銀行
 ・生命保険会社
などが挙げられます。

他にもコンサルティング会社やフリーランスで活躍する証券アナリストもいます。

アナリスト(証券)の平均年収・MAX年収

 証券アナリストの平均年収は約600万円~1,000万円となっており、一般のサラリーマンの平均年収約400万円と比較するとかなり高い年収を得ることができると考えられます。
 同じ証券アナリストでも、外資系企業の場合は平均年収が800万円~1,500万円とさらに高額になります。その分たくさんの知識や語学力が必要となることは間違いありません。

 調査していると最大2,000万円という求人もありました。こちらは「日本証券アナリスト協会検定会員、または同等以上の資格」「TOEIC900点以上」というのが必須スキルとなっていました。
 CMA資格と英語の語学力があれば、かなりの年収が期待できるということになるでしょう。

アナリスト(証券)に向いているのはこんな人

 証券アナリストに向いている人は、まず経済や株式投資に興味がある人です。
 その上で情報収集や分析を得意とする人で、それを発信する能力が高い人が向いていると言えます。
 業務でアドバイスや情報提供をするためにはコミュニケーション能力が求められることはもちろんですが、わかりやすい説明ができる能力も求められます。

アナリスト(証券)に関連する職業や資格

関連する資格

国際公認投資アナリスト(CIIA)
   CIIAは、国際的に認められた証券アナリストの資格で、広く認知されている国際的な資格です。
   CIIAを管理・運営する非営利法人であるACIIAでは「CIIA資格ポータビリティ制度」を採用しており、加盟協会の多くがこの制度を採用しています。そのためCIIAの資格を持っている人は加盟協会に入会することができるのです。
   日本でCIIA試験を受けられるのは、CMA資格取得者だけとなっています。

TOEIC
   外資系企業に就職したい場合は取得しておきたい資格です。
   TOEICは、ビジネスや日常生活における会話や文章でのやりとりといった英語能力を測るためのテストで、合格不合格ではなくスコア制となっています。これがいわゆる「TOEIC○○点」というものです。

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