航空整備士になるには?仕事内容や必要な資格、おすすめの専門学校を紹介!

  • 2020.12.04
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航空整備士になるには?仕事内容や必要な資格、おすすめの専門学校を紹介!
      
              

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投稿日:2020年12月4日|最終更新日:2024年5月22日

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航空整備士の概要や仕事内容

航空整備士とは

航空整備士とは、航空機の整備を行う職業です。航空機の安全な飛行のために、日々入念な整備や点検を行い、不備が見つかった際には修理を行います。

航空機が飛行している最中の機体の故障や機器の不具合は、大事故に繋がりかねません。故障した機体自体に危険が及ぶことはもちろん、何万とあるうちのパーツがひとつでも落ちてしまったり、整備に使った工具を機器の中に置き忘れてしまったりすれば、地上にも危険を及ぼすことになってしまいます。

そのため、航空整備士は、多くの人々の命を預かる、非常に責任の重い仕事を担っていると言えるでしょう。そして毎日の仕事には、緊張感を持った丁寧さが求められます。

また、航空機の整備には非常に専門的なスキルが必要であり、国家資格取得者でなければ整備を行うことはできません。
航空機の利用が一般的になった現代において、専門スキルでフライトを支える航空整備士は、今後も裏方として航空業界を支えていくでしょう。

航空整備士の仕事内容とは

航空整備士の仕事は、大きく「ライン整備」「ドック整備」「ショップ整備」の3種に分かれます。それぞれの仕事内容をご紹介しましょう。

  • ライン整備
    離陸前、着陸後の機体点検・整備を行う。フライトとフライトの合間に行われるため、短時間ながら徹底した作業が求められる。
    ライン整備を行うには、大型機の場合は各機種の「一等航空整備士」資格、小型機の場合は各機種の「二等航空整備士」資格が必要。
  • ドック整備
    格納庫に収納した機体の点検・整備を行う。全体的なメンテナンスし、部品の交換や修理、塗装、非破壊検査なども行う。
    ドック整備を行うには、大型機の場合は各機種の「一等航空整備士」もしくは「一等航空運航整備士」資格、小型機の場合は各機種の「二等航空整備士」もしくは「二等航空運航整備士」資格が必要。
  • ショップ整備
    機体からエンジンや電装部品、油圧系統部品などを取り外して、点検・整備を行う。エンジンや電装部品は航空機の核となる部分であるため、入念な整備、または次回の整備までの劣化予測などが求められる。
    ショップ整備を行うには、「航空工場整備士」資格が必要。

このように、航空整備士は取得資格によって、担当できる仕事が違います。ただし、どの仕事も航空機の安全運航にためには欠かせないものであり、ミスのない仕事が求められます。

航空整備士になる方法

航空整備士になるためには、「一等航空整備士」「一等航空運航整備士」「二等航空整備士」「二等航空運航整備士」「航空工場整備士」のどれかの国家資格を取得しなければなりません。

このうち、まず取得する人が多いのは「二等航空整備士」資格です。「二等航空整備士」資格を取得し、整備士になるための主なルートは、以下の2つです。

  1. 航空系専門学校卒業(国土交通大臣指定の航空従事者養成施設)
    →二等航空整備士資格取得(実地試験免除)
    →航空会社へ就職
  2. 大学・短大・専門学校・高校卒業
    →航空会社へ就職→(航空局認定整備訓練修了)
    →実務経験を経て二等航空整備士資格取得

航空整備の仕事には専門的なスキルが必須であるため、航空系の専門学校で知識と技術を学び、「二等航空整備士」資格取得した後に、航空会社へ就職するルートが一般的でしょう。
また、ショップ整備を担当したい場合には、まず「航空工場整備士」の資格を取得する人もいます。
そして、多くの人はその後キャリアを積み、「一等航空整備士」資格を取得します。
航空整備士になれる学校はこちら

航空整備士に求められる資格や試験

先述の通り、航空整備士として働くためには、「一等航空整備士」「一等航空運航整備士」「二等航空整備士」「二等航空運航整備士」、もしくは「航空工場整備士」の国家資格が必要です。
各資格によって扱える業務には以下のような違いがあります。

一等航空整備士 大型機のライン整備・ドッグ整備
一等航空運航整備士 大型機のドッグ整備
二等航空整備士 小型機のライン整備・ドッグ整備
二等航空運航整備士 小型機のドッグ整備
航空工場整備士 ショップ整備

それぞれの試験を受けるためには、年齢および実務経験の条件を満たすことが必要です。また、試験は学科試験と実地試験に分かれており、学科試験合格者は実地試験に進むことができます。

航空整備士系試験や難易度について

航空整備士系資格は国家資格であり、資格を取得するには一定の年齢および実務経験が必要です。
学科試験だけでなく実地試験も実施されるため、難易度はかなり高いと言えるでしょう。

学科試験のCBT化について

2023年11月期試験から、航空従事者技能証明等学科試験のCBT(Computer Based Testing)化が行われております。
今まで定められた2日間(又は1日間)において、全国8か所の会場で受験頂いていた学科試験が、10日程度の試験期間において、全国各地の試験会場から、受験者の皆様のご希望に合わせてご自身で日程・場所等を選択可能になります。
試験方法についても筆記方式ではなく、会場に設置されたパソコンを通じて回答する方式に変更になります。(航法計算盤が必要となる問題は学科試験では出題しませんが、実地試験等で知識・技量を確認することを検討しています。)

国土交通省:航空従事者技能証明等申請・学科試験について より

航空整備士関係の学科試験のCBT化により、全国2~8会場でのみ行われていた学科試験は全国約140会場で受験可能になりました。原則として年6回、土日を含む連続した10日間で行われます。試験開催の通知、会場予約、試験申請の具体的な手続き等については、国土交通省及びCBT事業者HPにて随時確認が必要です。

航空整備士系資格の概要は、以下の表、および国土交通省航空局の公式ホームページをご確認ください。

一等航空整備士 二等航空整備士 一等航空運航整備士 二等航空運航整備士 航空工場整備士
受験日程 5月・7月・9月・11月・1月・3月
受験料 学科5,600円 実地50,100円 学科5,600円 実地45,000円 学科5,600円 実地37,200円 学科5,600円 実地34,600円 学科5,600円 実地50,100円
試験会場 CBT事業者にて予約可能な会場 ※CBT化しない資格(科目)は東京
試験形式 CBT、実地試験
受験資格 20歳以上かつ整備経験4年以上 19歳以上かつ整備経験3年以上 18歳以上かつ整備経験2年以上 18歳以上かつ整備経験2年以上 18歳以上かつ整備経験2年以上
合格条件 学科試験 得点率7割以上

※CBT化後の受験料は要確認(7,800円~)

今後の航空整備士の将来性

航空業界の市場規模は、近年拡大しています。旅客輸送はもちろん、物流にとっても航空機は欠かせない手段となっており、旅客数自体も徐々に増加してきました。LCCをはじめとした新企業の参入も続き、登録航空機数も増えています。

そして航空機の利用および航空機数の増加により、航空機整備士の需要も高まりを見せています。航空整備士がいなければ、飛行機を飛ばすことはできないため、今後も航空整備士の需要が極端に減るようなことはないでしょう。

しかし、2020年のコロナショックにより航空機の旅客利用が激減してフライト数が減り、整備業務の従事者も減少傾向がみられました。また今後は整備士の高齢化が進むとともに大量退職時期に入ります。
航空整備士は将来性の高い職業ですが、専門職であり養成には一定の期間が必要になることから、整備士の養成・確保は喫緊の課題として国と航空会社が共通で対策を進めています。

航空専門学校での履修状況に応じて資格試験の内容を簡素化したり、イベントやセミナーを増やしたり、女性向け講演会を行ったりするほか、令和6年度からは航空会社や航空専門学校など関係団体の連携した無利子貸与型の奨学金制度の創設されています。

航空需要は今後も継続的に増加していく見込みです。航空整備士の需要も増していくと思われるため、新設される制度等を随時確認して航空整備士を目指すとよいでしょう。

航空整備士の就職先

航空整備士の主な就職先は、航空会社です。航空会社には、以下のような種類があります。

  • FSC(一般的な航空会社)
  • LCC(格安航空会社)
  • ハイブリッド航空会社(FSCとLCCの中間的航空会社)
  • リージョナル航空(小型航空機で地方地点を結ぶ航空会社)

各航空会社では、新卒だけでなく中途採用で航空整備士の採用を行っていることも多いです。また、航空機の整備を専門に行う航空機整備会社も、航空整備士の就職先のひとつです。

どの会社に就職するにしても、航空整備には専門知識や技術が必要であり、航空系の学歴や資格があれば、就職は有利になるでしょう。

航空整備士の平均年収・MAX年収

厚生労働省の就業者統計データによると、航空整備士の年収は全国平均で494.1万円です。平均年収の最高は50歳代で648.9万円となっています。

ただし所属する会社によって大きく待遇は変わり、大手の航空メーカーに就職した場合、または自衛隊の航空整備士になった場合は、平均以上の年収を得られる可能性があります。一方小規模な航空会社や航空整備会社の場合であれば、年収は200〜300万円代であることもあるでしょう。

また、航空整備士は取得資格によって扱える仕事に違いがあります。より上位の資格を取得していれば仕事の幅が広がるため、キャリアアップや年収アップの可能性も見込めます。

航空整備士に向いているのはこんな人

航空整備士の仕事には、高いスキルが求められます。知識だけでなく技術もなければ、複雑な航空機の整備は行えません。また、航空機を扱うための国家資格も取得しなければならず、航空整備士として働くためには常に勉強が必要です。そのため、コツコツと努力を続けられる人でなければ航空整備士は務まりません。

また、努力を続けるためには、航空機が好きであることも大切です。航空機に対する熱意があれば、それはスキルアップにも繋がるでしょう。

さらに、航空機の整備には、少しのミスも許されません。ちょっとした気の緩みが事後につながる恐れもあり、整備には常に完璧が求められます。よって、航空整備士には丁寧で几帳面な性格の人や責任感のある人も向いていると言えるでしょう。

航空整備士に関連する職業や資格

航空整備士に関連する職業

航空整備士に関連する職業をご紹介します。

  • グランドスタッフ
    カウンター業務や案内業務など、空港でのサービル業務を行う。
  • グランドハンドリング
    航空機の誘導や搭乗口の取り付けなど、飛行場での地上作業を行う。
  • ディスパッチャー
    フライトプランを作成する。
  • 航空管制官
    航空機を安全に飛ばすため、航空機へ地上から指示や許可を出す。
  • キャビンアテンダント
    航空機内で、搭乗客が快適に安全に過ごせるようサービスを行う。
  • 操縦士(パイロット)
    航空機の操縦を行う。

これらは全て航空機を飛ばすための業務を担う職業で、グランドスタッフやグランドハンドリングなどの地上業務とキャビンアテンダントや操縦士などの機内業務に分かれます。
そして航空整備士はこのような職業と連携して、決められた時間で丁寧な機体整備を行っています。

航空整備士に関連する資格

航空整備士に関連する資格には、先述の航空整備士系資格以外にも、以下のようなものがあります。

  • 航空無線通信士
    航空機の無線機器を操作するために必要な国家資格
  • 航空特殊無線技士
    特殊航空機の無線機器を操作するために必要な国家資格
  • 第三級陸上特殊無線技師
    固定局や基地局等の無線設備を技術的に操作するために必要な国家資格
  • 危険物取扱者
    ジェット燃料等を搭載するために必要な国家資格

このような資格は、航空整備士の仕事に必要となる場合があります。どれも専門的な国家資格なので取得は簡単ではないですが、取得しておけば仕事の幅が広がり、キャリアアップにも繋がるでしょう。
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おすすめの航空整備士に関連する専門学校

ここからは、おすすめの航空整備士に関連する専門学校をご紹介します。
いずれも航空整備士に関連する分野でとても評価の高い学校なので、航空整備士について専門的に学びたいという方には最適な学校です。

国際航空専門学校【埼玉県所沢市】

◆関連学科:航空整備科

航空発祥の地で「空の仕事」のスペシャリストに!
就職率100%(航空業界就職率96%)の空にいちばん近い伝統校!

国際航空ならではの学びのフィールド
●全国で3校だけ!ANA・JALと連携した一等航空整備士取得準備コース
●関東唯一!二等航空整備士(飛行機)の資格が取得できる二等航空整備士飛行機コース
●関東唯一!二等航空整備士(回転翼)の資格が取得できる二等航空整備士ヘリコプターコース
●学校内で唯一ドローンの操縦訓練が可能な航空技術コース

国土交通大臣の指定を受けている航空専門学校だから、在学中に航空整備士の国家資格取得が可能です!
国際航空専門学校の詳しい紹介はこちら

成田つくば航空専門学校【茨城県取手市】

◆関連学科:航空整備学科

空を支える仕事を学ぶ。
空の仕事に求められるのは、高い安全性。その高い安全性を作り出すのは人。
安全性の高い航空機を飛ばすのも、素早く確実に貨物の搭降載を行うのも人。

成田つくば航空専門学校の詳しい紹介はこちら

東日本航空専門学校【宮城県岩沼市】

◆関連学科:航空機整備科

航空整備士、グランドハンドリング、グランドスタッフ、エアカーゴ、マーシャラーをめざすなら東日本航空専門学校

東日本航空専門学校の詳しい紹介はこちら

大阪航空専門学校【大阪府堺市】

◆関連学科:航空整備士学科

客室乗務員、グランドスタッフ、航空貨物、グランドハンドリング、航空整備士、
航空機製造、パイロットなど、あなたがなりたい航空業界の職種、すべて引き受けます。

大阪航空専門学校の詳しい紹介はこちら

日本航空大学校 石川能登空港キャンパス【大阪府堺市】

◆関連学科:航空整備科(3年制)

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日本航空大学校 石川能登空港キャンパスの詳しい紹介はこちら

日本航空大学校 北海道【北海道千歳市】

◆関連学科:航空整備科

航空業界のプロフェッショナルを育成する日本航空大学校 北海道。
日本航空学園グループの伝統と実績で培った本物の航空教育で多くの卒業生を航空業界へ輩出しています。

日本航空大学校 北海道の詳しい紹介はこちら

中日本航空専門学校【岐阜県関市】

◆関連学科:航空ロボティクス科(2023年4月新設)、航空整備科

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