理容師になるには?仕事内容や資格、将来性、美容師との違いとは?
- 2020.01.29

投稿日:2020年1月29日|最終更新日:2024年9月11日
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昔ながらの床屋さんのイメージが強い理容師ですが、実は今、理容師の仕事は大きく変化しています。現代の理容師は、ただ髪を切るだけでなく、お客様の個性を引き出すスタイリストとして活躍しているのです!
でも「どうすれば理容師になれるの?」「理容師になりたいけど、美容師との違いがよくわからない。」そんな風に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、理容師の仕事内容や資格、美容師との違いをわかりやすく解説。さらに、将来性や求められるスキルについても詳しくご紹介します。理容師という仕事に興味がある方は、ぜひご覧ください!
理容師とは?
理容師といえば床屋さんにいる方のイメージですが、床屋さんに勤めている人のことを理容師というのかと言うと厳密にはそうではありません。
理容師とは、髪を切る、顔そりをするなど、お客様の容姿を「整える」ことを仕事とする国家資格を持つ専門家です。
理容師と美容師の違いとは?
美容師と理容師の違いもよくわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は理容師も美容師も、国家資格です。それぞれ理容師法と美容師法により業務内容が定められているため、行える業務が異なるのです。
中でも一番の違いは、理容師はカミソリを使用して顔そりや髭そりができるという点です。主に頭髪の刈り込み、顔そり、髭そりなど、容姿を「整える」ことを目的とした施術を行います。
一方、美容師はカミソリを使用することは制限されており、パーマ、カラー、メイクなど、容姿を「美しくする」ことを目的とした施術を行います。
理容師の仕事内容とは?
では具体的に理容師の仕事内容を見ていきましょう。
理容師法第1条の2の第1項には
「この法律で理容とは、頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えることをいう。」
と定められています。
理容=容姿を「整える」ことと定められており、美容=容姿を「美しくする」こと(美容師法第2条)と定められています。似ているようですが、役割が異なるということになるのですね。
とはいうものの、具体的な仕事内容は以下のようなものになります。
・シャンプー
・パーマ
・顔そり
・髭そり
・マッサージ
・ヘアカラー
このような一般的な理容室で行われる施術だけでなく、最近では
・エステ
・メイク
など、トレンドのヘアスタイルをカットするだけでなく、頭皮ケアやメンズエステなどの、幅広いサービスを提供する理容室も増えています。
美容室との本当に具体的な違いはカミソリを使用することができるかどうかということになりますね。(厳密にいうと美容師も剃刀を使うことはできるのですが顔そりしか行うことができません。)
特に最近流行りのツーブロックに関していうと、美容師でも施術をすることは可能ですが、理容師はカミソリの使用方法についてきちんと学び、実務経験もありますので理容師のほうがきれいにできると傾向にあるということになります。
もちろん上手な美容師さんもいらっしゃると思いますが、ツーブロックが流行っていること、また、女性のヘアスタイルにも剃りこみが取り入れられていることなどから理容師の需要がアップしていると言います。
理容師を目指せる専門学校はこちら
理容師になる方法(資格取得方法等)
前述したように理容師は国家資格ですので、まずは国家試験に合格しなければなりません。
国家試験の受験資格は次のように定められています。
昼間課程 2年以上
夜間課程 2年以上
通信課程 3年以上
(※平成10年4月1日以降に入学した人)
このように理容師の専門学校や短期大学、高等専修学校などの養成施設であらかじめ課程を修了しなければなりません。
年齢制限や学歴については記載されていませんが、専門学校の入学資格は「高校卒業以上」などと定められていることが多いため、まずは高校を卒業することが必須になるでしょう。高等課程など、専門的な学習をしながら高卒の資格を得られる学校もあります。
養成施設には昼間課程、夜間課程、通信課程の3つがあり、昼間は2年以上、夜間は2~2年半以上、通信課程は3年以上(通信授業+養成施設での面接)の期間、養成施設で学ばなければなりません。
夜間や通信があるため、アルバイトや仕事をしながら養成施設で学び受験資格を得ることができます。
受験資格を得たらいよいよ国家試験を受験します。
理容師資格の難易度や試験について
試験について
理容師の国家試験は年2回で、筆記試験は毎年3月と9月、実技試験は毎年2月と8月に行われます。
合格率は2018年が47.3%と少し低かったのですが、2014年~2017年の平均は68.4%と決して低い数字ではありません。ちなみに夏の試験よりも冬の試験のほうが、学校の卒業生が多く受験するため80%以上と高くなっているようです。
このことから学校でしっかり勉強して受験することが大切だということがわかりますね。
試験日程:実技試験…2月~、筆記試験…3月
試験地:実技試験…秋田県、岐阜県、滋賀県、大分県、宮崎県を除く各都道府県
筆記試験…北海道、岩手県、宮城県、東京都、神奈川県、石川県、愛知県、大阪府、岡山県、広島県、愛媛県、福岡県、鹿児島県、沖縄県
試験科目:実技試験…理容実技
・カッティング
・シェービング
・顔面処置
・整髪
・衛生上の取り扱い
実技試験は減点方式で、次の(1)及び(2)の両方の条件を満たしている場合に合格となります。
(1)衛生上の取扱試験
減点が20点以下であること
(2)基礎的技術試験
減点が40点以下であること
筆記試験…①2019年10月1日以降に卒業する人
・関係法規・制度及び運営管理
・衛生管理(公衆衛生・環境衛生、感染症、衛生管理技術)
・保健(人体の構造及び機能、皮膚科学)
・香粧品科学
・文化論
・理容技術理論
② ①以外の人
・関係法規・制度
・衛生管理(公衆衛生・環境衛生、感染症、衛生管理技術)
・理容保健(人体の構造及び機能、皮膚科学)
・理容の物理、化学
・理容技術理論
筆記試験は50問中60%以上正解し、かつ全科目で0点の科目がないことが合格基準となります。
今後の理容師の将来性
理容師はいわゆる床屋さんのイメージがあり、古臭いなどと言われて人気が衰退していました。
しかし今、理容師の高齢化や新しく登録する理容師が少なく既存の理容院の後継者がいないこと、男性の美意識の変化などから、理容師の需要が増加しているのです。
また、今現在美容院に通っている若者が年を取ってからもずっと美容院に通い続けるのは抵抗がある、かといって昔からある床屋には行きたくない…といった理由から、特に「バーバー」としておしゃれな理容院が人気になってきているといいます。
つまり若手の理容師は、既存の理容師が高齢化によりいなくなる=同業者が減る、プラス男性の美意識の変化により理容師の需要が高まっている、ということから将来性があるということになります。
前述したとおり女性のヘアスタイルにも剃りこみが取り入れられていることもあり、女性の理容師の需要もアップしています。
美容師と理容師のダブル資格で幅広く業務を行う人も増えてきているといいますので、理容師の資格を取るならまさに今かもしれませんね。
理容師の就職先
理容院、美容院、ユニセックスサロン(理容・美容の両方を取り入れたサロン)などヘアサロンをはじめ、お客様の家に直接行って施術を行う訪問理容師、背中の毛そりやブライダルメニューなどを行うシェービング専門サロン、高齢者の方や障がい者の方のヘアカットを行うケア理容師など、ヘアサロン以外にも様々な場所で理容師は活躍しています。
理容師に向いているのはこんな人
手先が器用なことが当然求められると思いますが、さらにお客様の望む髪型にするため、希望を上手に聞き出すことができる聞き上手な人は理容師に向いている人だといえるでしょう。
希望を聞き出すためだけでなく、髪の悩みや会話も引き出すことができるコミュニケーション能力の高さが求められるでしょう。
理容師に関連する職業や資格
●美容師
美容師になるために必要な学校に通う期間や試験は、ほとんど理容師と同じ条件です。ただし国家試験の試験内容が少し異なります。
美容師と理容師の資格をダブルで取得することによって業務の幅が広がるだけでなく、フリーランスで働く場合に就職先の幅も広がりますし、独立した場合はどちらの業務も行えますのでお客様の幅も広がります。
学校によってはそもそもダブルで取得するためのコースを用意しているところもありますので、一定の需要があることは間違いなさそうです。
ただしダブル取得する場合は少なくとも3年の期間を必要とするので片方を取得することに比べて時間がかかること、ダブル取得するための費用が必要であることを念頭に置いておいたほうがよいでしょう。
●管理理容師
2人以上の理容師が勤める理容院などには、管理理容師の資格を持った人を設置することが理容師法で義務づけられています。
管理理容師は、理容室で毎日使う機材や備品の管理、理容室全体の清掃や空調管理など、理容業務を衛生的に遂行することができるよう管理する役割があります。
管理理容師になるには、次のすべての条件を満たさなければなりません。
1.理容師の免許を取得していること
2.3年以上理容業務に従事していること
3.厚生労働大臣が定める基準に従って、都道府県知事が指定した資格認定
講習を修了すること
ちなみに美容師も同じように管理美容師という資格があり、同じような条件を満たすことにより資格を取得することができます。
いずれにしても一人でサロンをする場合を除いて、独立して誰かと2人以上で開業する場合は必要な資格となっています。
理容師になるためのおすすめの専門学校
ここからは、理容師になるためのおすすめの専門学校をご紹介します。
いずれも理容分野でとても評価の高い学校なので、理容師になるために専門的に学びたいという方には最適な学校です。
神戸理容美容専門学校【兵庫県神戸市】
◆関連学科:理容科
<常識にとらわれない、理容のプロを目指す>
神戸B2(ビーツー)から、プロの世界へ!
兵庫県の理容組合と美容組合から生まれたプロの育成学校。
皮膚や毛髪などの人体の構造を理解するとともに、理容機器の正しい使い方などを学ぶほか、多様化するお客様のニーズに応えられるよう、エステやネイルなどの技術も習得します。
神戸理容美容専門学校の詳細はこちら
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