2024/03/21
1月1日に能登半島を中心に発生した地震、津波により、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
現在も余震が続き、避難、救助活動が続いていることが報道されています。今回の地震や津波の災害で、自宅の屋根などに太陽光パネルを取り付けている家屋の倒壊や破損などの可能性があります。すでに経済産業省から災害時における太陽光パネルの取り扱いについて注意喚起のメッセージが公式「X」(旧Twitter)に掲載されていますが、技術的な面から本学工学部電気電子工学科 濱田俊之准教授が注意喚起、今後の対応策について解説します。
【本件のポイント】
■破損した場合でも太陽光パネルは日の光が当たると発電する可能性がある
■復旧作業などで近づいたり、触ったりする際に感電する可能性がある
■米国など海外の一部の国では火災時の感電事故防止のための安全装置の設置が義務化
■大阪電気通信大学では太陽光発電の災害被災時の安全装置を開発
【本件の概要】
太陽光パネルは、破損した場合でも日の光が当たると発電することがあります。過去の地震や・風水害でも破損・浸水した設備の危険性が指摘されており、経済産業省や各自治体のWebサイトでも注意喚起が行われています。
この現象について工学部電気電子工学科 濱田俊之准教授は「故障や破損した太陽光発電は電気が発生している部分(充電部)が露出していたり、漏電していたりすることがあります。このような状態での太陽光発電設備あるいは漏電している部分に触れてしまうと感電事故の原因となります。また、太陽光発電で発電した電気を送るための電線が損傷していることもあるので、一見被害がないように見える太陽光発電も安心はできません。復旧作業をされる方はまずは作業対象の施設に太陽光発電の有無を確認してください。絶縁性の高い手袋や服装、そして、布や段ボールなど物理的に光を遮ることのできるもので太陽光パネルを覆った上で、作業をするなど感電事故に気を付けていただきたい」と注意喚起しています。
大阪電気通信大学では実学教育を基本方針としており、実社会で役立つ教育・研究を推進しています。