【農学】って何が学べる?学問の研究内容や学ぶ方法についてご紹介します!

【農学】って何が学べる?学問の研究内容や学ぶ方法についてご紹介します!
        

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投稿日:2024年3月14日 | 最終更新日:2024年3月14日

【農学】では何が学べるの?

伝統的な穀物生産から最新バイオテクノロジーまで農業の全てを学ぶ!
農学では、何が学べるのでしょうか?
農学では、私たちの食料となる植物や動物を生産する技術など、植物や動物を含む農業に関するさまざまな側面を学びます。遺伝、育種、栽培、作物、土壌などの基礎分野から、バイオテクノロジーや生態系、マーケティング、気象など幅広い分野を扱います。

たとえば、農学の代表的な学科である農業科では、生産技術・経営に関すること(植物の栽培、動物の飼育、バイオテクノロジーなど)、食品に関すること(食品の加工や栄養成分、衛生、流通など)、国土の保全や環境創造に関すること(森林や農業 土木、造園など)、植物や動物、地域資源の活用や地域振興に関することを中心に学びます。

農学が扱う範囲は多岐にわたり、DNA・RNA・タンパク質などを対象にする分子生物学、ミクロな微生物を扱う微生物学、細胞の仕組みを学ぶ細胞生物学、生物の歴史を扱う遺伝学、工学応用としてのバイオテクノロジーや合成生物学なども含まれます。

農学は急速に進化している分野でもあります。近年のバイオテクノロジーの進展によって、遺伝子組換え動物の作製など、社会から求められるものが増えており、農学は今後ますます発展する分野のひとつといえます。農学を学ぶと、バイオテクノロジーを扱う食品、製薬、農林水産関係の企業や公的機関などの職業を目指すことができます。

【農学】とは、どんな学問?

品種改良から始まり、近年はバイオテクノロジーで大きく発展
農学は、新しい技術や持続可能な農業の手法を探求し、食糧安全保障や農業の効率向上に寄与することのできる学問です。その観点から、動物・植物・微生物などの生命体を対象に、自然界での活動や個々の生体現象を解明し、生命の構造や機能、発生、進化、生態系などを研究します。

農学といえば、馴染み深いのは品種改良です。さまざまなお米の品種があることからわかるように、植物の異なる品種の掛け合わせによって、より美味しい品種や、より病原体に強い品種などを人類は編み出してきました。古来より経験的に知られてきたこの知恵は、洋の東西を問わず、植物の品種改良技術として受け継がれてきました。近代の遺伝法則の発見も、エンドウマメを用いた実験の賜物でした。

経験的な技術がテクノロジーに変わったのは、遺伝物質DNAの構造発見以降です。異なる品種を単にかけ合わせるだけでなく、遺伝子組み換えによって意図的に害虫に強い品種をも作り出すことができます。さらに、より高い精度で狙った部位で遺伝子改変を行うゲノム編集技術も登場しています。イネゲノムの解読などもあり、農学の可能性は近年一気に広がりつつあります。現代では強力なバイオテクノロジーの技術が農学を支え、さまざまな環境問題解決への道を開いています。

【農学】に関連する学部

農学部という名前にこだわらず、横文字の名前も増加!
農学に関連する学部としては、農学部のほか、畜産学部、バイオテクノロジー学部、バイオサイエンス学部、生物資源科学部、応用生物学部、生命科学部、生命理学部、理学部、工学部、理工学部などがあります。

また、大学名に「バイオ」がついているケースもありますので、「バイオ」で検索して調べてみるとよいでしょう。
農学を学べる大学はこちら

【農学】で学ぶ科目

作物、土壌、化学、微生物、経営など…農業に関する科目が充実
農学で学べる科目には、作物学、育種学、園芸学、昆虫学、植物病理学、農業経営学、土壌学、生物化学、分子生物学、細胞生物学、微生物学、動物生理学、植物生理学、生化学、遺伝学、生態学、先端生命科学、アグリサイエンス、フィールド環境、バイオ分子化学、食品科学などがあります。
講義だけでなく、実習も盛んに行われています。

【農学】に向いている人

農業や自然が好き、品種を開発したい、観察や実験が好き、など
農学に向いている資質としては、何よりも農業に興味のあることが挙げられます。農作業が好き、作物の収穫が好き、田んぼや畑の風景が好き、食物自給率に関心がある、自宅の園芸栽培が趣味、収穫した食べ物を食べるのが好き、など取っ掛かりは何でもよいでしょう。安全な遺伝子組換え食物を育てたい、穀物の生産量を増やしたい、新たな肥料や品種を開発したい、などを目標としている人にも農学は向いています。

また、農業の範囲は幅広いので必ずしも穀物や作物ではなく、広い意味での自然が大好きな人も農学に向いています。たとえば、魚獲りや釣りが好き、豚や牛など家畜の世話が好き、乗馬が好き、森林浴が好き、生き物全般に興味がある、動物園や植物園が好き、動植物の世話が好き、ペットを飼育した経験があること、なども農学に向いています。その意味では、広くアウトドアが好きな人、山登りや海で泳ぐのが好きな人なども農学に向いているといえます。

さらに、バイオテクノロジーとの関連から、生き物の観察や実験に夢中になったことのある人、人体に興味のある人、顕微鏡を覗くのが好きな人、農業の本や図鑑を読むのが好きな人、生命とはなにかを知りたい人などにも農学は向いています。

【農学】で目指せる職業/資格

各種農家、バイオテクノロジー関連の職種も目指せる!
農学を学ぶことで目指せる資格は幅広く、農業簿記検定、バイオ技術者認定試験、一般毒物劇物取扱責任者、フラワー装飾技能士国家資格、室内園芸装飾技能士国家資格、アーク溶接、ガス溶接、動物愛護社会化検定、などがあります。

農学を学ぶことで目指せる職業としては、農家や酪農家・畜産農家のほか、バイオテクノロジーを扱う食品、製薬、農林水産関係企業の研究員があります。他にも教職、試験所、博物館、動物園、植物園に関わる職業(分析官やアニマルトレーナー、学芸員など)を目指すこともできます。

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