【心理学】って何が学べる?学問の研究内容や学ぶ方法についてご紹介します!

【心理学】って何が学べる?学問の研究内容や学ぶ方法についてご紹介します!
        

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投稿日:2024年3月7日 | 最終更新日:2024年4月3日

【心理学】では何が学べる?

産業革命の発達とともに近代以降に発展してきた心理学で、現代の社会問題にアプローチ!
言動から相手の気持ちを読み解く心理テストや占いなどで、とても身近なイメージがある心理学。
心理学は人文科学の中では比較的新しい学問分野で、自然科学の発展が本格的に始まった19世紀頃に誕生した学問です。それ以前は、人間の精神や心を扱う学問分野は、専ら哲学や宗教、神学の領域に限られていました。

心理学が発展した背景には、産業革命の発展があったと言われています。それまで動物とはかけ離れた特別な存在とされてきた人間を「一種の機械」と捉えることによる思想的変遷や、計測機器の技術的発達によって、人間の心や感情を定量的に測定できるようになったことが足がかりとなりました。こうした近代以降の技術の進歩によって心理学は急速に発展し、さまざまな形で産業応用されるようになったといえます。

今日の世界においては、過酷な労働現場における労働者のメンタルケア、戦争などショッキングな出来事による精神的な後遺症や虐待による精神発達ケアなど、臨床心理士のような心理学の専門性が必要な問題が山積しています。

これらの原因発見や問題解決のために多方面からアプローチすべく、現代の心理学は細分化されています。人間個人の心理状態を読み解く臨床心理学や、乳幼児や青少年の心の発達を扱う発達心理学、人々の集団心理を記述する社会心理学など、多くの観点から人間の心理について多角的に学びます。

【心理学】とはどんな学問?

細分化された心理学の種類。対象範囲は多岐にわたります
人が何を考えているのかを探る「心理学」。心理学の範囲は広範で、多岐にわたります。
心理学の分類の中には、悩みや相談などを受け原因を探り、相談者を支援するための「臨床心理学」があります。心理学の一般的なイメージにいちばん近いかもしれません。

また、心理学は社会とも深く関わっています。たとえば、人々の集団心理や、個人が集団や社会からどのような影響を受けるのか、人間心理と社会との関わりを考える「社会心理学」があります。
また、犯罪者が犯罪を行う動機や理由を解明する「犯罪心理学」もあります。

また、人間の成長の観点では、乳児期から青年期にかけての人間の精神・知能の発達を扱う「発達心理学」や、人格形成と教育の関係を扱う「教育心理学」もあります。さらに、人間の認知や行動を自然科学的に検証する「認知心理学」、心の理解を実験的手法によって目指す「実験心理学」もあります。

これらの細分化された心理学の各領域に共通しているのは、人間のこころや内面にダイレクトに迫る学問であることです。アプローチの方法はさまざまで、古典的な問いかけや質問による被験者の回答を探るものから、脳波やMRIなどの測定機器によって身体的反応を定量的に探る方法まであります。

【心理学】に関連する学部

心理学部だけではなく、文学部・教育学部なども含まれます
心理学を直接扱うのは、心理学部や、文学部の心理学科になります。
また、心理学に関連する学部としては、そのほか社会学部・教育学部・医学部などがあります。
心理学を学べる大学はこちら

【心理学】で学べる科目

臨床心理学、発達心理学など多彩な種類がある!
心理学では次のような科目を学びます。

  • 臨床心理学
    心理的な問題を抱える人を診断・治療・支援。カウンセリングや心理療法を行う。
  • 発達心理学
    人間の一生を通して心と行動がどのように発達していくのかを研究する。
  • 認知心理学
    人間の知覚、記憶、思考、言語などの認知過程を研究する。
  • 実験心理学
    実験を用いて人間の心と行動を研究する。
  • 社会心理学
    個人と社会との相互作用や、集団行動、態度形成などを研究する。
  • 教育心理学
    学習と教育に関する心理的なメカニズムや学習効果を高める方法などを研究する。

【心理学】に向いている人

人間の心に興味があることに加え、人文的な教養や幅広い能力をもっている人
まず第一に、日頃から人間の心や感情に興味があり、行動の裏側にある心理メカニズムを探りたい、と考えている探究心のある方に心理学は向いています。
加えて、心理学はジャンルが多く、幅広い学問分野であるため、専攻したいそれぞれの心理学領域によっても求められる能力や資質が異なります。

たとえば臨床心理学の場合、相談者との会話によって悩みを引き出し解決にたどりつくことが必要になるため、会話スキルや細かいことを察知するなど、高いコミュニケーション能力が求められます。
また、社会心理学や教育心理学の場合、心理学の専門知識を学ぶ意欲だけでなく、隣接する社会学や教育学への興味や知識があることも求められます。実験心理学の場合は、心理学の知識のほか、科学的実験の計画・遂行や得られたデータの解析能力など理数的な素養も必要になります。

このように、心理学にまつわる人文的な知識・素養のほかに、専攻する内容に応じたスキルや資質を備えた総合力が求められます。

【心理学】で目指せる職業/資格

人気のカウンセラーやキャリアコンサルタント、 スポーツメンタルトレーナーなど
心理学を学ぶことで得られる資格としては、悩みを相談するカウンセラーに必要な「臨床心理士」の資格があります。
心理学を学ぶことで目指せる職業としては、臨床心理士のほか、キャリアコンサルタント · 社会福祉士 · 心理カウンセラーなどがあります。また、犯罪捜査に必要な犯罪心理学を学べば、警察心理職や調査官・法務教官などを目指せます。

また、こうした職業でなくとも、人間の心や行動を説明できる心理学を学んだ人材は、公的機関や企業などの一般的な職場においても求められます。たとえば、長時間労働などの悩みを抱えた人のメンタルヘルスケアのため、多くの組織には「産業カウンセラー」の職業があります。
また、スポーツの分野ではアスリートの悩みを解決し、心身をサポートする「スポーツメンタルトレーナー」の資格もあります。

このように、人間の心のありようはどの業界でも普遍なため、心理学を目指すことで応用が効く分野は非常に幅広いものとなっています。

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