【美術系学校の進学希望者必見】美大を卒業した先輩のリアルボイスを聞いてみた!

【美術系学校の進学希望者必見】美大を卒業した先輩のリアルボイスを聞いてみた!
      

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投稿日:2022年9月5日 | 最終更新日:2022年9月5日

「美術系の学校に進学したい!でもちょっと不安だなあ…」そう思っている人はいませんか?
コロナ禍でなかなか先輩の話も聞けず、進路について不安を感じている人も多いのではないでしょうか。

そんなみなさんのために!編集担当のハラちゃんが美大の卒業生にインタビューを行い、卒業後のリアルなお話を聞いてきました!
よくある卒業生インタビューとは一味違った、ここだけの貴重なお話が聞けちゃう!
先輩たちのリアルボイスをお届けします♪

今回インタビューした方のTwitterアカウントはこちら!
『株式会社建設システム:KENTEM(ケンテム)』さん☞@kentembrand

※以下、インタビュー担当:ハラちゃん、美大卒の先輩:ケンテムさん

インタビュー

美大を選択した理由は?

ハラちゃん:美大出身のケンテムさん!元々絵を描くことが好きで美大に入ったのですか?

ケンテムさん:そうですね!子供の頃から絵を描くのは好きだったんですが、美大に行きたいとか仕事にしたいなどの具体的なことはあまり考えていませんでした。でも、進路を考えるときになって様々な大学のパンフレットを見ていたら、偶然美大のパンフレットがあって。そのパンフレットを見ているうちに『自分の気持ちを作品で表現できたらカッコいいな!』と思うようになりました。そして『将来はデザイナーになって、自分の得意なことを活かした仕事がしてみたい!』とも思ったんです。その思いをきっかけに、美大に行きたいと思うようになりました。時期としては、高校2年生の夏くらいだった気がします…!

ハラちゃん:じゃあパンフレットを取り寄せたりオープンキャンパスに行ったりするのは美大ばかりだったんですか?

ケンテムさん:いえ!美大以外の進路も視野に入れていました!気になった大学のパンフレットを取り寄せたり、オープンキャンパスに足を運んだりして、どんな大学があるのか調べたりしていました。

ハラちゃん:美大以外の選択肢も考えていたんですね!

ケンテムさん:そうですね。当時の好きな教科が英語だったので語学系の学科を見たり、ぬいぐるみが好きだったのでぬいぐるみ製作ができる学科を見たり…。幅広い分野に興味がありましたね!
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ケンテムさんの就職事情については…?

ハラちゃん:美大の就職活動はどんな感じだったんですか?

ケンテムさん:ワタシは今いるKENTEMとは別の、デザイン系ではない企業の総合職として新卒入社しました。でも、企業の面接に行くと『デザイン系の企業や職種を選ばなくて良いのですか?』と聞かれたり、学校で制作した作品を見せると『こんなに才能があるのにどうしてデザイン系の企業を選ばないのですか?』と、ワタシにはもったいないお褒めのお言葉をいただくこともありました…!しかし、ワタシが在籍していた学部はデザインというよりアートを学ぶ学部だったので、デザインに関する知識を学ぶ機会はあまり多くなかったと思います。説明が少し難しいのですが、アートとデザインは異なるもので、アートは自己表現や主観的なものであるのに対して、デザインはロジックがあるというか客観的というか…。昔いた職場のデザイナーさんは『デザインで大切なのはロジックを理解すること!』とおっしゃっていました。ワタシは自分の好きなものや作りたいものを作ることは得意だったんですが、デザインすることには自信がありませんでした…。実際、デザイン系の授業で教授や友だちから作品を褒められたことはあまりなかったですし…(笑)

そんな経験や思いから『自分はデザインすることに向いていない』と感じて、デザイン系の企業や職種は選びませんでした。かといって、画家になったり作家になったりできるほどの実力もなかったので企業に就職しようと思ったのですが、なかなかその思いが理解されづらくて…。
企業の面接では必ずと言っていいほど『美大にいったのにどうしてデザイン系の仕事をしないのですか?』と言われましたし、逆にデザイン系の企業や職種では『あまりデザインは勉強してこなかった感じですかね…?』という風なことを言われたので、どこの会社にも入れないんじゃないかとすごく悩みましたし、内定をいただくまで時間もかかりました。

ハラちゃん:そうだったんですね…!

ケンテムさん:『美大で〇〇を学びたい』とか『作品制作をたくさんしたい!』と前向きに思えるのであれば、美大はすごく楽しいところだと思います!実際ワタシも同世代の子の作品にふれたことで刺激を受けましたし、趣味や考え方が似ている子や自分と異なる考え方の子など、いろいろな考えにふれられて非常に楽しかったです!しかし、通っている途中や進路を決めるときになって『自分には美術やデザインの道は向いてないかもしれない…』『違う進路を選びたい』と感じた場合は、ワタシのように就職活動で悩んでしまう可能性があるかもしれません…!
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美大のリアル就活事情とは!?

ハラちゃん:美大の友だちは就職活動中どうだったんですか?

ケンテムさん:ワタシの友だちは、就職活動に積極的な子は少なかった印象です。デザインが得意な子や知識のある子は、デザイン事務所やデザイン系の企業・職種で就職活動する子もいましたが、ワタシと同じように内定獲得に時間のかかる子や苦労している子が多かったですね…。あと卒業制作と就活・内定者研修などの時期がかぶっていたこともあり、なかなか両立が難しかったです…!また、就職は決まっていないけどバイトをしながら好きなことをやれればそれでいいっていう子もいましたし、親の稼業を継ぐという子もいました。
友だちの中に『就職したい!』とか『内定先が決まらない!』みたいに焦っている子はあまりいなかった気がします。『人は人!自分は自分!』っていう感じの子が多かったです!
だから自分の中に『芯』を持っている人は、自分を見失わずに就活や進路選択に臨めるのではないかと思います!
逆にワタシは周りの人と比べちゃうタイプだったので、就活では悩んだり焦ることが多かったです…(笑)

ハラちゃん:そうなんですね…!なかなか就活に苦労されていたとのことですが、美大に進んだことは後悔していますか?

ケンテムさん:それはしていないです!もし高校生のときに美大進学を諦めていたら、それはそれで『やっぱり行きたかったな…』と後悔していたと思います。だけど就活で苦労した身としては『何で美大に行きたいのか』『自分が将来的にどうなりたいのか』をしっかり考えてから、美大進学を選んだ方がいいかなと思います。ワタシみたいに『絵を描くのが好きだから』とか『得意なことを活かした仕事に就きたい』とか抽象的ではなく、もう少し自分の考えを掘り下げてみるといいかもしれません。『好き』だけじゃなくて『〇〇が学びたい』とか『△△に挑戦してみたい』っていう、具体的な何かがあるんだったら、美大受験に挑戦した方がいいのではないかと思います!
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美大によっても全然違う!?アドバイスは!?

ケンテムさん:美大は美大でも、学校や学科・学部によって全然雰囲気が違うんじゃないかと思います。
ワタシのいた学部は入学後すぐにPhotoshopやillustratorを使ったデジタル作品の制作や、平面作品(絵画)の制作、立体作品の制作など、実践的な授業が多くありました。周りの子はソフトを使い慣れていたり、どんどん制作を進めているのに、ワタシはPhotoshopとillustratorってなに!?立体作品って何から手を付ければいいの?みたいな、何もかもわからない状態で…(笑)でもそのぶん自分で試行錯誤する力や自由に作り上げる力は得られたと思います!自分の得意な画風や作風を発見できた時は嬉しかったですし、難しい課題作品を完成させられた時は達成感を感じていました!でも、ワタシと同じ大学の違う学部に通っていた子は『すごく丁寧に教えてもらえた』と言っていて、同じ大学でも学部によって違うんだなと驚きました。なので、スキルに自信のない子は始めからちゃんと教えてくれる学校や学部を選んだり、逆にスキルに自信があって早く作品制作したい!自由に作ってみたい!という子は、実践が多い学校や学部を選んでみると良いかもしれませんね。自分のスキルや性格にあったところを探すのがいいと思います!

ハラちゃん:なるほど…!ちなみに美大進学にあたって何かアドバイスはありますか?

ケンテムさん:今になって思うのが『画塾』っていうんでしょうか…、美術系の学校に進学したい人たちが集まったり、美大受験専門の塾、みたいなところに行った方がよかったのかなと思います。そういうところで志望校の雰囲気や進路実績などの情報収集ができたらいいですよね!たとえばそこの先生に『○○の美大ってどうですか?』と聞いてみることができるかもしれないですし。あとは、同年代の人がどれくらいの絵のスキルなのか、自分自身はどのくらいのスキルを持っているのかなど、客観的に自分のスキルやレベルを知ることができるのは良いことなのではないかと思います。また、作品制作に対して自分がどのくらい真剣に、かつ集中して向き合えるか、周りの子がどのくらいの熱量で制作しているか、みたいなことも知ることができるのではないかと思います。ワタシはそういうところに参加せず、何も知らない状態で美大に行ってしまいました。なので、それまで小・中・高と学校で一番絵が上手と言われていたのに、美大に入った途端急に下手な方になってしまい、美大の同級生の作品制作にかける想いや真剣さにも驚いてしまって…。当時、自分の特技は絵を描くことだけだと思っていたので『ワタシは何も特技が無い人間なんだ…』と、ものすごくショックを受けました…(笑)今思えば、そこまで卑下することはなかったと思うんですけど、当時は自分の存在価値を感じられないほどに落ち込んでいました。
①情報収集、②自分のレベルを確かめる、③アートやデザインに向き合う情熱があるのか、というのを確かめるためにも、そういった場に参加してみるのもひとつの方法かなと思います。
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美大だけではなく専門学校も視野に入れましょう!

ハラちゃん:学校選びのアドバイスはありますか?

ケンテムさん:大学だけじゃなく専門学校なども視野に入れてみるといいのではないかと思います。当時のワタシは専門学校を視野に入れておらず、なんとなく大学限定で探していました。
でも、美大卒業後に一緒に働いた人たちの中に、デザインセンスが素晴らしく、デザインに関する知識も豊富な方がいて、その方は専門学校を卒業されていました。その方と出会ったことで『進路選択時に専門学校も視野に入れておけば良かったかも…』と思うようになりました。絶対大学!と縛られるよりは、気になるところは幅広く調べた方がいいかなと思います。
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情報収集が超重要!

ハラちゃん:ケンテムさんが当時の進路選択を振り返って『こうすればよかった』など、思うことはありますか?

ケンテムさん:ワタシの場合は、とにかく情報不足がよくなかったと思います。自分のスキルと同世代の子のスキルの差や、自分が本当にやりたい事・学びたい事など、もう少ししっかり調べたり確認しておけばよかったと思います。また、就活時にデザイン系の企業や職種を選ばなかった場合の影響も重要なポイントかなと思います。たとえば美大ではない一般の大学でも、学部の数が多くてその内のひとつに美術系・デザイン系の学部がある、という学校もあるかと思います。そういった大学であれば『自分に美術系・デザイン系の進路は向いていない』と思った時に違う学部に編入することが可能かもしれないですし、もしそれが可能ならば進路選択の幅を広げやすいのではないかと思います。また、そういう大学だと部活動やサークル活動などで、先輩や他の学部の子と交流できる機会が多いと思うので、就活のときも情報収集がしやすいのではないかと思います。
『絵を描きたいから美大』と決めつけずに、自分の性格やスキル、将来象などと照らし合わせてしっかり情報収集した上で、美大なのか、専門学校なのか、美術系・デザイン系の学部なのかを決めることができると良いのではないかと思います。
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デザインをひとくくりに考えないように!

ハラちゃん:美術を学ぶにしても、その中でも本当にたくさんの選択肢があるんですね!

ケンテムさん:『デザインがやりたい!』とか『美術がやりたい!』と単純にひとくくりにまとめずに、何がやりたいのかをしっかり考えた方がいいのかなと個人的には思います。デザインとアートの違いを調べた上で『自分が学びたい・やってみたいと思うのは、デザインなのかアートなのか』を確かめたり、デザインをやりたいとしても『洋服のデザインがやりたい!』という風に、何のデザインをしたいのか考えてみたり。たとえば『おしゃれが好きだから洋服関係の仕事に就きたい!』と思っても、お店でお客様に接客するのか、デザインを考えるのか、洋服の型を作るのか、販促の企画を考えるのか、というふうに、お仕事の内容も様々ありますよね。『洋服が好きだからファッション系の学校!』と大まかに決めるよりかは、自分が何をしたいのか・どんなことに興味があるのかという視点で選んでみると、ミスマッチは起こりにくいのではないかと思います!
『どうして絵を描くのが好きなのか』『何を描くのが好きなのか』『もしその分野で仕事をするなら、どんな仕事をしたいのか』など、自分自身の『好き』や『やりたいこと』を具体的にひもといていくことで、自分にとってベストな進路を選びやすくなるのではないかと思います!

コレくま

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