中卒でも入れる専門学校・スクールはある?自分に合った通える学校の探し方
投稿日:2019年9月17日|最終更新日:2025年4月14日
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中卒でも通える学校、ちゃんとあります!
「中卒でも行ける専門学校ってあるの?」「自分に合う学校が見つかるか不安…」
そんな悩みを抱えている方に向けて、この記事では、中卒からでも通える専門学校やスクールについてわかりやすく解説します。
実は、中学卒業後すぐに入学できる「高等専修学校」のほか、同級生と同じタイミングで入学できる「専門学校」など、中卒の方でも進学できる道は複数あるんです。
それぞれの特徴を知って、あなたに合った進学先を見つけましょう!
中学卒業後のもうひとつの進路「高等専修学校」とは?
まずは知っておきたい中卒で入学できる学校のひとつに、高等専修学校(専修学校高等課程)があります。
高等専修学校は、一般的な高等学校(高校)と同様に、中学卒業後の15歳から入学資格があります。
1年制から5年制までありますが、3年制の高等専修学校のほとんどで、その多くの学校で卒業後は大学等への入学が可能になり、進学や就職、資格取得の際に高卒と同等の扱いを受けることができます。
社会で役立つ資格取得に力を入れている学校が多く、不登校や中退を経験した生徒も学校生活を楽しめるよう配慮されていることが多いです。
高等専修学校とは?
・不登校だった/高校を中退した人も安心して通えます
・就職に直結した専門知識を学び、早く自分の夢や目標に近づけます
・3年制の学校の多くで、高校卒業と同等の資格を得られます
高等専修学校(専修学校高等課程)とは?専門学校との違い
まず、「専門学校」とは、正式に言うと「専修学校」の一種です。
専修学校には
・高校卒業後に入学できる「専修学校 専門課程」
・中学校卒業後に入学できる「高等専修学校(専修学校 高等課程)」
・誰でも入学ができる「専修学校 一般課程」
の3種類があります。
一般的に「専門学校」と呼ばれている学校は、専修学校の「専門課程」で、高校卒業以上の人が入れます。
「高等専修学校」とは専修学校の「高等課程」で、高校のように中卒の15歳から入れる学校です。
校名は「○○高等専修学校」または「○○専修学校 高等課程」となりますが、上記の専修学校「専門課程」(いわゆる専門学校)が、その高等課程として設置している場合、「○○専門学校 高等課程」などの校名になっていることもあります。
「一般課程」は、年齢や学歴などに関係なく、誰でも自由に専門的な知識・技術を学べる専修学校です。洋裁や調理などのほか、河合塾など大学受験のための学校もあります。
ちなみに「高専」と呼ばれる5年制の「高等専門学校」は、専修学校とは別のくくりの教育機関です。
今回注目する「高等専修学校(専修学校高等課程)」は、全国に現在約400校あり、約3万3600人が学んでいます。(令和4年度学校基本調査より)
中卒でも入れる専門学校・スクールを探してみる高等専修学校(専修学校高等課程)の特徴
・仕事に活かせる資格を取得できる
・エンタメ系、クリエイター系など「なりたい職業」をサポート
・不登校経験者や多様な個性を持つ生徒の自立を支えてくれる
高等専修学校は「職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図ること」を目的としているため、社会で役立つ資格取得に力を入れているところが多く、国家資格が取得できる学校もあります。
専門学校(専修学校の専門課程)が開校している高等専修学校も多く、ミュージシャン、ダンサー、ゲームクリエイター、デザイナー、製菓、医療、通訳 等、学習指導要領にとらわれない自由なカリキュラムを展開して、「なりたい職業」を目指す生徒の夢の実現をサポートしています。
多様な個性のある生徒が社会で自立した生活を送れるよう、その生徒に合ったサポートを行っており、不登校を経験した人や発達障害等、支援が必要な人にあわせたカリキュラムを組む高等専修学校もあります。
高等専修学校(専修学校高等課程)の学科
認可されている高等専修学校(専修学校高等課程)はこちらの8分野を学ぶことが出来ます。
- 工業(情報処理、自動車整備、放送技術など)
- 農業(農業、園芸、畜産、造園など)
- 医療(看護、歯科衛生、理学療法、作業療法など)
- 衛生(栄養、調理、理容、美容など)
- 教育・社会福祉(保育、社会福祉、介護福祉など)
- 商業実務(経理・簿記、旅行・観光・ホテル、医療秘書など)
- 服飾(ファッションビジネス、スタイリストなど)
- 文化・教養(公務員、デザイン、音楽など)
学校により学べる分野は異なりますが、調理師、理容・美容、自動車整備、准看護師、服飾関連など、就職に直結しやすい学校が多い傾向にあります。
また、高卒と同等の資格を得られる「大学入学資格付与指定校」や「技能連携校」の場合は、それぞれ必要となる普通科目(国語・数学など)の授業時間数が定められています。
中卒でも入れる専門学校・スクールを探してみる
どんな人が高等専修学校に入学するの?
高等専修学校(専修学校高等課程)の中には不登校の人や、高校を中退した人の受け入れを積極的に行う学校もあります。
中学校で学校に馴染めず通えなかった人も、高校進学をしたものの様々な事情から中退してしまった人、基礎学力の定着を目指そうと考えている人なども、高等専修学校に進むことがあります。
もちろん、中学校卒業の時点でやりたいことがハッキリしており、いち早く社会に出ることを目指して職業に直結する実践的なスキルを身につけるために、高等専修学校で資格取得や能力向上を目指したいと考える人もいます。
高等専修学校から大学や専門学校に進学するには?
3年制の高等専修学校を卒業すると、専門学校(専修学校の専門課程)へ進学できるようになります。
さらに、「大学入学資格付与指定校」や「技能連携校」に指定されている3年制の高等専修学校であれば、定められた単位を取得して卒業すれば大学入学資格を付与されます。
高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)を受けることなく、大学・短大に入学できるようになるのです。
高卒認定試験との比較
高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定):合格者は大学や短大、専門学校に進学(受験)する資格が得られますが、高卒の学歴はつきません。
大学入学資格付与指定校:高卒と同様に大学や短大、専門学校に進学(受験)する資格が得られます。高等専修学校卒業の学歴がつきます。
技能連携校:高等専修学校と通信制または定時制の高校の両方に在籍することで、両方の学校の卒業資格が得られ、高卒の学歴もつきます。
1年制・2年制の高等専修学校について
大学入学資格を得られるのは3年制のみです。調理系の学科では1年制、准看護や理容・美容系は2年制が多いため、大学や専門学校への進学や就職を考えている場合は注意しましょう。
専門スキルを早く身につけることができる反面、高卒の資格を持たないことで、将来就職したい企業の採用基準に合わなくなることも考えられます。
なお、看護系の進路を考えている場合、高等専修学校で得られる資格は准看護師(受験資格)のみになります。准看護師は、2年で受験資格が得られますが、2年制の高等専修学校を卒業する場合は基本的に高校卒業同等の資格は得られません。
キャリアアップを目指すなら正看護師が有力ですが、准看護師は2年という比較的短期間で取得できるというメリットがあります。そして、中卒の准看護師は3年間の実務の後、2年間看護師学校養成所に通うことで正看護師(看護師)の受験資格を得ることができます。
中卒のほうが早く就ける職業は?
准看護師のほか、調理師、理容師、美容師、自動車整備士(3級)などは、高等専修学校で学ぶことで、最短1〜2年で国家資格取得が可能です。
看護師の場合、高等課程の看護学科(3年)から専攻科(2年)に進学し、合計5年で看護師を目指す、高等学校衛生看護科(5年一貫教育)と呼ばれるルートもあります。多くの場合、高校卒業後に3年制以上の看護専門学校または看護系大学に通ってから看護師になる人が多いため、5年一貫教育はもっとも早く正看護師になる方法とも言えるでしょう。
高等専修学校は、中学校卒業後に入学できる職業教育に特化した学校です。短期間で専門的な技術と知識を学び、国家資格取得も目指せるので、大学や専門学校に進学するよりも早く専門職に就けることはメリットとも言えます。
できるだけ早く社会に出て仕事に就きたいという人には、高等専修学校も選択肢の一つといえるでしょう。
中卒でも入れる専門学校・スクールを探してみるどんな高等専修学校があるの?
実際に、高等専修学校(専修学校高等課程)にはどんな学校があるのでしょうか。様々な分野から、高等課程(高等部)を持つ学校の一例をご紹介します!
●町田調理師専門学校高等課程【東京都町田市】
基礎の基礎からスタートして、3年後には国家試験を受けることなく「調理師免許」と「高等学校普通科卒業資格」を手にできる!社会人になるための基礎をつくってくれる調理師学校。
●アイム湘南理容美容専門学校【神奈川県秦野市】
日本で最初の高校卒業資格の取得できる美容師養成校。技能連携制度を取り入れた美容学校(衛生高等課程)として、通常の高校と同じ3年間で「美容師免許または理容師免許(国家試験受験資格)」と「高等学校卒業資格」を取得可能!
●TSM高等課程【東京都江戸川区】
東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校の高等課程。ダンス・音楽・声優・俳優…中学卒業後からすぐに音楽&エンターテイメント業界を目指せる学校。通信教育なしで大学入学資格が取得できます。
●専門学校赤門自動車整備大学校【宮城県仙台市】
高等課程である3級自動車整備士科では、3年間で高校卒業、3級自動車整備士、自動車車体整備士の資格取得を目指せます。自動車の勉強が全体の3分の2、高校の普通教科が3分の1と、「自動車の勉強中心の3年間」が過ごせます!
●葛飾区医師会附属看護専門学校【東京都葛飾区】
高等課程の准看護学科は2年間で准看護師試験の受験資格が得られる学校。看護助手として働きながら通学している人も多くいます。高等課程卒業後、専門課程(看護学科)へ進学できる学内推薦制度あり。
●新潟調理師専門学校【新潟県新潟市】
高等課程を持つ調理師科なら、最短の1年で調理師に。日本料理、西洋料理、中国料理、集団調理という4つのジャンルを1年間で経験し、卒業と同時に調理師免許を取得します。
中卒でも、18歳以上なら進学できる専門学校・スクールがある!
これまでは15歳以上なら入学できる高等専修学校をご紹介してきましたが、もう中学校を卒業してしばらくたつという場合、中卒でも18歳以上なら進学できる専門学校やスクールがあることをご存じですか?
このような学校では「やる気」や「適性」を評価する入学制度を取り入れていることが多く、高校を卒業していなくても専門分野の学習にチャレンジすることが可能です。
専門学校は「入学資格審査」によって進学できる場合がある
文部科学省の認可を受けた「専門学校(専修学校専門課程)」では、原則として入学資格は高卒(同等)以上とされています。しかし2003年より、志願先の専門学校が認めた場合には、高認未取得の中卒者でも、その学校を受験することが可能になっています。
そのため、一部の専門学校では、18歳以上であれば学校が指定する「入学資格審査」に合格することで、入学試験を受けられるケースがあります。ただし、審査に通っただけでは入学が決まるわけではなく、審査通過後に別途、面接や筆記などの「入試」を受けて合格する必要があります。
スクールなら18歳以上であれば基本的に入学可
一方、文部科学省の認可を受けていない「スクール形式」の教育機関では、18歳以上であれば高校を卒業していなくても比較的スムーズに入学できるところが多くあります。特に、ゲームやアニメ、音楽、ファッション、美容などの分野に特化したスクールでは、学歴ではなくスキルや意欲を重視する傾向があります。
ただし、こうしたスクールを卒業しても学歴としては「専門学校卒業」とはなりません。「高卒資格」を持っていない場合、就職時に企業の応募条件(高卒以上など)を満たせないことがあるため、進学前に確認しておくことが大切です。
一部の専門学校やスクールでは、専門スキルを学びながら高卒資格も取得できる「高等部」などのコースが用意されていることもあります。多くは専門分野と高校の学習を併修する形になりますが、自分の将来像と照らし合わせて選択してみましょう。
どんな専門学校・スクールがあるの?
ここからは、実際に中卒・18歳以上で進学できる可能性のある学校の一例を分野別に紹介します。



【アニメ・ゲーム・エンタメ系】
●代々木アニメーション学院【東京都など】
アニメーター・声優・マンガ家などを目指す人に人気。
全日課程の声優・エンターテイナー学部、アニメーション学部、クリエイター学部では、義務教育修了以上であれば年齢・性別不問。 専科と高等部を併学するコースもあり、学歴にとらわれない指導スタイルが魅力です。
●バンタンゲームアカデミー【東京/大阪/名古屋/福岡/札幌】
ゲーム制作やeスポーツ、映像分野に強いスクール。企業法人が運営する専門スクールの特色を活かし、講師全員が現役クリエイターで構成されています。専門スキルの習得と同時に高卒資格の取得ができる「バンタンゲームアカデミー高等部」あり。
●専門学校ESPエンタテインメント東京【東京都新宿区】
音楽・声優・芸能・楽器などを学べる日本最大級の音楽専門学校。「音楽・楽器に深い興味を持ち、向学意欲旺盛」であれば、個別の筆記試験、面接試験の審査により入学資格が得られます。日本屈指のギターメーカーが原点の専門学校だから、アーティスト志望はもちろん、ピアノやギター、管楽器など楽器に興味がある人にも最適!
【美容・ファッション系】
●山野美容専門学校【東京都渋谷区】
美容師・メイクアップ・ネイル・ブライダルなど、美容業界で必要とされる技術と知識を総合的に学べる老舗の専門学校。100年以上の歴史を持ち、国家試験合格率や就職率の高さも大きな魅力です。入学資格審査を実施していて、美容の道を本気で目指す18歳以上の中卒者にもチャンスがあります。
●ヴェールルージュ美容専門学校【大阪府大阪市】
「技術力」と「人間力」の両方を育てることに力を入れており、即戦力として現場で活躍できる美容のプロを育成。サロン実習やイベント、現場体験も豊富で、楽しみながらスキルを磨けます。入学資格審査に合格すれば、AO入試、一般入試の受験が可能。
●文化服装学院【大阪府大阪市】
国内はもちろん、海外のファッション業界からも高く評価される名門校。デザイン・縫製・パターン・スタイリングなど、ファッションに関するあらゆる専門分野を網羅しており、卒業生は有名ブランドや企業に多数就職しています。授業料や選考料が減免されるAO入学との併用も可。
【医療・福祉・ビジネス系】
●早稲田速記医療福祉専門学校【東京都豊島区】
医療事務・医薬品登録販売者・介護福祉士・看護師など、実社会で即戦力として活躍できる人材を育成。「速記」の伝統を受け継ぎつつ、最新のITや医療知識に対応した教育を提供しています。学び直しを考える社会人や高校を卒業していない方に向けた支援体制も整っており、18歳以上であれば入学資格審査を経て進学できるコースもあります。
【調理・製菓系】
●辻調理師専門学校【大阪府大阪市】
フレンチ・和食・イタリアン・製菓など、食の本場で学べる環境が整っており、世界中の料理業界で活躍する卒業生を多数輩出。校内には本格的な厨房設備が整っており、現場さながらの実習を通じて確かな技術を習得できます。個別の入学資格認定試験によって、高卒と同等以上の学力を認められれば出願可能。
このように、18歳以上であれば、高卒資格がなくても進学のチャンスは広がっています。紹介校以外にも進学可能な学校や、夜間・通信課程などは多くあります。一方、同じ学校でも学部によっては入学できない場合もあります。また、「志願先が認めた場合には、高認未取得の中卒者でも、その学校を受験することが可能」なのは、専門学校だけでなく大学も同様です。
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まとめ
中学卒業後の進路は、高校だけじゃありません。「高等専修学校」という選択肢があることを知るだけでも、将来の可能性は大きく広がります。
実践的なスキルや資格を身につけて、夢に向かって一歩踏み出せる場所。それが高等専修学校です。不登校や中退経験がある人、早く社会に出て活躍したい人にもぴったりの学びの場。自分らしい進路を見つけたいなら、ぜひ一度チェックしてみてください!
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