電気工事士になるには

  • 2020.01.29
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電気工事士の概要や仕事内容

電気工事士とは?

 電気工事士とは電気工事を行うことができる資格を持っている人のことを言います。
 家の電気の配線から変電所の配線まで、電気設備を使用するための工事を行うには電気工事士の資格を持っている人でなければ行うことはできません。

電気工事士の資格は「第一種電気工事士」と「第二種電気工事士」の二種類があります。第二種は一般住宅・店舗などの600ボルト以下で受電する場所の配線や工事を行うことができます。第一種は第二種の範囲に加えて、最大電力500キロワット未満の重要施設(工場、ビルなど)の工事も行うことができます。

このように第一種と第二種では扱える仕事の規模が異なります。
電気工事士は国家資格なのですが受験資格がないため、第二種であれば高校や専門学校で勉強して試験に臨んだり、中には独学で資格を取得される方もいらっしゃいます(技能試験があるため正直なところ独学は難しいようですが)。
第一種も受験資格はないのですが、次のいずれかの条件を満たして免状を受け取らなければ第一種の資格者として働くことはできません。

 ①電気工事の実務経験が5年以上あること
②電気工事士の実務経験3年以上あり、大学または高等専門学校で所定の課程を修めて卒業していること

そのため多くの方は第二種を取得して実務経験を積んだのちに第一種を取得して第一種電気工事士の試験を受けられるそうです。
第一種の資格を取得するためには、図面を見て安全・適切な配線を考えることができたり、法令にのっとった工事の計画ができたりしなければなりません。

電気工事士は人々が使う電気を安全に使うことができるように働く、欠かすことができない仕事なのですね。

電気工事士の仕事内容とは?

電気工事士の仕事は大きく2つに分けられています。
それは「鉄道電気工事」と「施設電気工事」です。

●鉄道電気工事
鉄道の電気にかかわる設備の施工・保守を行います。
鉄道には多くの電気設備があります。
例えば電車を動かすために電気を送る架線の張り替え、鉄道の信号機の交換やメンテナンス、鉄道の照明のチェックや増設、発電施設や変電施設の点検・メンテナンス、自動改札機の設置、電気掲示板の施工などがあります。
ここに挙げたものはほんの一部ですので鉄道電気工事には非常に多くの仕事があります。
一日に何百人ものお客様が利用する鉄道に関する電気を支える大切な仕事です。
鉄道電気工事を行うことができるのは条件をクリアした業者でなければならないので、参入できる業者は少ないですが、やりがいがある仕事だといいます。

●建設電気工事
建設電気工事は建物の電気設備の設計や施工を行います。
住宅から事務所、ビル、病院、ホテルや商業ビルなどの施設や工場など、あらゆる建物の屋内外の電気設備の配線、コンセントや照明器具・エアコンの取り付け、大型機器のメンテナンスなどを行います。
新築の建物だけではなく、既に建っている建物の新たな配線・電気設備の追加や移動も行います。屋根裏などの狭いところで行う作業もあります。

建設作業と並行して電気工事の作業を行うことがあるため、グループで共同作業を行うことが多いようです。大きな工事になれば現場監督などの指示に従って工事を進めていきます。

電気工事士になる方法(資格取得方法等)

前述しましたが、電気工事士になるには電気工事士の国家資格が必要です。
一般的には工業高校や電気系の大学・専門学校などで勉強したのちに第二種電気工事士の国家試験を受ける人が多いようです。通信教育や短期集中講座で資格を取られる方もいらっしゃいますし、まったく電気に関係ない学校を卒業した後無資格で企業に就職して、働きながら資格を取る方もいらっしゃいます。
受験資格がないので自分に合ったタイミングで国家試験を受けることができるのですね。

資格難易度や試験について

試験について

電気工事士の国家試験は第二種電気工事士試験が毎年2回、上期と下期に分けて行われます。第一種電気工事士試験は年1回で、第二種電気工事士試験の下期と同時に行われることが多いようです。
合格率は第二種電気工事士が平成26年から30年の5年間で筆記試験が平均58.1%、技能試験が平均70.9%と国家資格にしては高めの合格率となっています。
第一種は同じ期間で筆記試験が平均44.6%、技能試験が63.4%となっており、第二種よりも難易度が高いことがわかります。

●試験の概要
※下記は2019年度の試験の日程です。
受験申込方法:書面による申し込み、もしくはインターネットによる申し込みをすることができます。
書面の取得方法は限られているようですので、インターネット申し込みをする方が多いようです。(ちなみにインターネット申し込みのほうが受験料が数百円安くなっています。)

受験書類の受付:【第二種電気工事士】
上期試験…3月19日(木)~4月9日(木)
下期試験…筆記試験申込期間7月30日(木)~8月13日(木)
実技試験申込期間9月3日(木)~9月17日(木)
※筆記試験免除者が対象

【第一種電気工事士】
6月18日(木)~7月2日(木)

試験日程:【第二種電気工事士】
上期試験…筆記試験:5月31日(日)
技能試験:7月18日(土)または7月19日(日)
※試験地により異なる

下期試験…筆記試験:10月4日(日)
技能試験:12月12日(土)または12月13日(日)
※試験地により異なる

【第一種電気工事士】
筆記試験:10月4日(日)
技能試験:12月12日(土)または12月13日(日)
※試験地により異なる

試験地:47都道府県。
一つの県に複数の試験地がある県もありますが、第一種のほうが試験地は少ないので注意が必要です。

試験科目:【第二種電気工事士】
●筆記試験
(1)電気に関する基礎理論
(2)配電理論及び配線設計
(3)電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
(4)電気工事の施工方法
(5)一般用電気工作物の検査方法
(6)配線図
(7)一般用電気工作物の保安に関する法令

●技能試験
(1)電線の接続
(2)配線工事
(3)電気機器及び配線器具の設置
(4)電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の
使用方法
(5)コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
(6)接地工事
(7)電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定
(8)一般用電気工作物の検査
(9)一般用電気工作物の故障箇所の修理

【第一種電気工事士】
●筆記試験
(1)電気に関する基礎理論
(2)配電理論及び配線設計
(3)電気応用
(4)電気機器・蓄電池・配線器具・電気工事用の材料及び工具並びに受電設備
(5)電気工事の施工方法
(6)自家用電気工作物の検査方法
(7)配線図
(8)発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性
(9)一般用電気工作物及び自家用電気工作物の保安に関する法令

●技能試験
(1)電線の接続
(2)配線工事
(3)電気機器・蓄電池及び配線器具の設置
(4)電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
(5)コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
(6)接地工事
(7)電流・電圧・電力及び電気抵抗の測定
(8)自家用電気工作物の検査
(9)自家用電気工作物の操作及び故障箇所の修理

合格発表:【第二種電気工事士】
上期試験…筆記試験:2019年7月1日
技能試験:2019年8月19日
下期試験…筆記試験:2019年11月8日
技能試験:2020年1月17日

【第一種電気工事士】
筆記試験:2019年11月8日
技能試験:2020年1月17日

今後の電気工事士の将来性

どれだけ時代が変わっても、電気がなくなることはありません。
エコの時代になり太陽光発電や電気自動車などが普及していますが、太陽光パネルの設置や電気自動車の充電設備など電気工事は必要不可欠です。
また、設備の老朽化に伴う改修・補修にかかわる電気工事もありますので、電気工事は常にあり続けると考えられます。
少子化による電気工事士の減少も問題化されており、電気工事士の需要は常にある状態であることから考えても、電気工事士は十分将来性がある職業だといえるでしょう。

第一種電気工事士の資格があればすぐに登録電気工事業の免許を取得して開業をすることもできますし、資格に年齢制限はありません。そのため長く働き続けることができるというメリットもあります。

電気工事士の就職先

電気工事士の主な就職先は建設会社や電力会社などです。
電気工事を取り扱う工務店や家電量販店、電気工事会社、家電メーカー、電力会社なども就職先として挙げられます。
電気工事士の資格手当をつけてくれる会社もあります。

電気工事士に向いているのはこんな人

まず電気に関することが好きかどうかです。学校の理科や技術の時間に電気を扱う工作をすることが楽しかった、プラモデルやDIYが好き、家族が電気工事をしているのを身近に見ていて興味があった…といった工作や電気にかかわる作業を行うのが好きな人が向いているようです。

そして、丁寧でルールを守ることができる人であることも求められます。
電気を扱う際、一歩間違えれば命の危険にかかわってしまいますので、作業を行う際は方法を守り、手順に沿って確実に行うことができる真面目さが大切だからです。
ほかにもいろんな人と作業を行っていくためのコミュニケーション能力や、屋外での作業や機材の運搬などを行うための体力なども求められます。

電気工事士に関連する職業や資格

関連する資格・職業

●電気主任技術者
事業用電気工作物を設置する者は、その工作物の配電設備や配線などの工事・維持・運用に関する保安監督の責任者を選任しなければなりません。
第三種から第一種まであり、扱うことができる業務の範囲が異なります。第一種になるとすべての工作物の保安監督を行うことができます。
ただし、電気工事士の資格がなければ工事を行うことはできません。

●電気工事施工管理技士
電気主任技術者と同じように、建設業営業所や現場に必ず設置しなければならないのが電気工事施工管理技士です。
第一種と第二種があり、第一種のほうが管理することができる現場の規模が大きくなります。

●電気通信設備工事担任者
公衆回線やケーブルテレビ・インターネットなどの通信回線にかかわる端末設備の接続や配線工事、または監督するための国家資格です。
アナログ第一種~第三種、デジタル第一種~第三種、アナログデジタル総合種の7種類があり、アナログ・デジタルどちらも第一種を取得するとそれぞれに関するすべての工事を行うことが可能になります。総合種を取得するとすべての工事を行うことができるようになります。

これらの資格を取得して、電気工事士として扱うことができる業務の範囲を増やしている方が多いようです。電気工事士を取得した後はこれらの資格を取得してみてはいかがでしょうか。

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