経理になるには

  • 2020.09.15
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経理になるには

経理の概要や仕事内容

経理とは

経理とは、企業の運営にまつわる数字を管理する職種です。売上や利益といった企業の活動に関する数字をはじめ、給与や社会保険の計算など、個々の社員に関する数字の管理も行い、その情報をデータにまとめ提供します。そしてこのデータは、さまざまな部署において、状況把握や経営戦略の立案などに役立てられています。
そんな経理の業務は、業種によって仕事内容に違いがあります。例えば小売業の経理であれば、その仕事は商品の仕入れや売上、在庫管理が中心になるでしょう。一方、製造業の経理であれば、物を作るためのコスト管理が中心になります。業種によっては計算の仕方やタイミングも変わるため、経理という業務の幅は広く、非常に専門性が高いと言えるでしょう。
経理業務は、組織を運営するために必須です。そのため、多くの組織には専任の経理担当者が置かれており、数字の面から企業の発展を支えています。

経理の仕事内容とは

経理担当者は、数字や金銭にまつわるさまざまな仕事を担っています。例を見てみましょう。

  • 売上の管理
  • 仕入れの管理
  • 売掛金、買掛金管理
  • 現金、預金、資産管理
  • 経費の仕分、生産
  • 請求書、領収書発行
  • 決算書類の作成
  • 社員の給与計算
  • 保険料計算
  • 税金の計算、納付
  • 年末調整

このように、経理担当者は企業の運営に関するものから、個々のスタッフの給与や税金まで、さまざまな数字を扱います。
実際の業務は、パソコンに向かい、必要に応じて計算を行いながら、資料を元に入力を行ってデータを更新していくことになるでしょう。また、時にはデータ分析を行い、課題の追求まで担うこともあります。

経理になる方法

経理職に就くために、特別な学歴や経歴は必要ありません。企業に就職し、経理担当者に抜擢されれば、誰でも経理業務を行うことが出来ます。
新卒で経理部門に配属された場合であれば、先輩や上司から経理のノウハウを教わりながら、実務を学ぶことになるでしょう。
ただし、社員の処遇は企業が決めるため、希望したからといって必ず経理部門に配属されるわけではありません。特に専門知識が必要な経理部門に、就職してすぐに配属されることは稀です。しかし、簿記資格(次章でご説明します)や経理スキルを持っていれば、経理部門への配属の可能性は高まるでしょう。
また、中途採用やパート、アルバイトの場合は、経理に限定した募集がされることもあります。その場合は、経理経験者もしくは簿記資格2級以上取得が条件とされることが多く、即戦力が求められます。

経理に求められる資格や試験

経理職に就くために、資格は必須ではありません。しかし、経理業務に直結する内容の「日商簿記検定」は取得しておいた方が良いでしょう。
そもそも簿記とは、「企業の活動を数字で表し整理・記録をして、その成績や財政を示すこと」を指します。
簿記資格の中でも、「日商簿記検定」はもっとも広く知られる国内ステイタスの高い検定で、経理業務に就くためや就活のアピールに利用するため、多くの人に受験されています。
そんな「日商簿記検定」試験は、以下の5種に分けられています。

  • 簿記1級
    非常に高度な商業簿記や会計学、工業簿記、原価計算の知識を問う検定。法規を踏まえ、経営の分析や管理が行えるレベル。合格すれば、税理士試験の受験が可能に。
  • 簿記2級
    高度な商業簿記や工業簿記の知識を問う検定。企業活動や会計実務などのデータを踏まえて、適した対応や分析が行えるレベル。
  • 簿記3級
    基本的な商業簿記の知識を問う検定。小規模企業において、経理関連書類を適切に処理できるレベル。
  • 簿記初級
    簿記の基本原理や実践的な知識を問う、入門編の簿記検定。平成29年より新設。
  • 原価計算初級
    基本用語や原価と利益の分析・理解など、原価計算に関する基本的な知識を問う検定。平成30年より新設。

「日商簿記検定」はこのようにコース分けされており、自身のレベルに応じた受験が可能です。ただし、ビジネスに利用するためには、2級以上の取得が必要でしょう。

難易度や試験について

「日商簿記検定」の合格率は、1級が10%前後、2級が20%前後、3級が50%前後、そして簿記初級が55%前後、原価計算初級が90%前後です。特に1級と2級の合格率は低く、その難易度の高さが窺えます。
試験の概要については、以下の表もしくは日本商工会議所公式ホームページよりご確認ください。

1級 2級 3級 簿記初級 原価計算初級
受験日程 6月、11月 2月、6月、11月 各試験会場による
受験料 7,850円(税込) 4,720円(税込) 2,850円(税込) 2,200円(税込)
試験会場 全国の指定会場 全国のネット試験会場
試験形式 記述問題 ネット試験
試験時間 商業簿記・会計学90分/工業簿記・原価計算90分 商業簿記・工業簿記120分 商業簿記120分 40分
受験資格 特になし
合格条件 正解率70%以上かつ、各科目の正解率40%以上 正解率70%以上

※2020年現在の試験概要です。

今後の経理の将来性

経理という業務は、一般企業はもちろん、団体や学校などさまざまな組織において、欠かせないものです。どんな組織でも運営していくためには、売上や利益、給与、税金などの計算は必須です。そのため、経理を担当する職種が無くなることは、今後もないでしょう。
ただし、近年では会計ソフトやPOSレジの性能が進化し、経理業務の効率化が促進されてきました。そしてそれに伴い、人が行う経理業務は短縮されつつあります。これにより、経理を担うスタッフの数は、今後減少していくでしょう。
そんな中で経理職としての将来性を保つためには、経理の知識だけでは不十分です。しかし、経営や外国語などといった高度な専門的知識を持ち併せていれば、コンピューターに代替できない経理の専門家として、需要は保たれると予想されます。

経理の就職先

経理の就職先は、一般企業や団体、学校などさまざまです。経理部署は多くの組織に設けられており、求人案件も常に一定数出されているため、就職自体は難しくはないでしょう。ただし、資格や実務経験の有無は重視される可能性があります。
さらに、経理職は雇用形態も、正社員や派遣社員、アルバイト、パートと幅広い職種です。そのため、ライフスタイルやビジョンに合った働き方の選択は比較的しやすいでしょう。
また、経理のアウトソーシング会社も、経理職の就職先のひとつです。このような会社では、さまざまな組織の経理業務を専門的に請け負っています。ここでも、経理関連の資格や実務経験は、就職にも実務にも役立つでしょう。

経理の平均年収・MAX年収

経理職には正社員や派遣社員、アルバイト・パートなど多様な働き方があり、その雇用形態によって年収には大きな差があります。正社員の場合であれば、年収相場は500万円前後がボリュームゾーンでしょう。また、派遣社員であれば、350万円前後が年収の相場です。
経理職の年収は地域差も大きく、東京都をはじめとした都心の水準が高い傾向にあります。
一方、経理職として働くアルバイトやパートの時給は、1000円前後が一般的です。
ただし、経理の待遇は実務経験や資格の有無、役職によっても変わり、条件によっては年収700万円以上を目指すことも可能でしょう。

経理に向いているのはこんな人

経理は、売上や税金の計算をはじめとした会社運営に関するさまざまな数字を扱いますが、この数字入力や計算のミスは、大きなトラブルに繋がりかねません。そのため、経理担当者には正確な仕事ができることが求められます。よって、数字が得意であることやきちんとした性格であること、集中力があることなどは、経理担当者に必要な要素だと考えられます。
また、こつこつと事務作業を行うことが苦にならない人も、経理には向いています。経理は人と接するよりも、パソコンや資料に向き合い、一人で行う作業が多いためです。逆に、人との触れ合いや体を動かす仕事が好きな人は、デスクワークがほとんどである経理の仕事には、あまり向かないでしょう。
さらに、会社にとって重要な数字を扱う上では、強い責任感も大切です。経理は決して華やかな仕事ではありません。しかし、会社にとって重要な役割を担っていることを自覚し、守秘義務を守りながらきちんと仕事をこなせる人こそ、経理には向いているのです。

経理に関連する職業や資格

経理に関連する職業

経理の関連職には、公認会計士という職業があります。公認会計士は、会計の専門家として経理業務を担いますがそれだけではなく、他にも会計監査や税務、コンサルティングまで幅広い業務を手掛けます。経理業務に携わる点で、経理職と公認会計士は共通していますが、公認会計士は企業の財務を監査するより専門的な職業として知られ、国家資格の取得が必須です。
また、税務の専門家である税理士も、経理の関連職のひとつ。経理は業務の一部として税務業務を担いますが、税理士は専門的に税務業務を行います。この税理士も公認会計士と同じように国家資格が必須であり、独立して活動することも可能です。

経理に関連する資格

経理に関連する資格には、以下のようなものがあります。

文書情報管理士
文書の管理能力を測る検定
給与計算実務能力検定
給与計算のスキルを測る検定
ファイナンシャルプランナー
ビジネスや生活における、お金にまつわる幅広い知識を測る検定
FASS検定
経理および財務の実務スキルを測る検定
ビジネス会計検定
会計の基本的知識を測る検定

このように、経理に関連する資格は数多く存在します。経理分野においてもっとも重視されるのは簿記検定ですが、これらの資格も取得しておけば、仕事の幅は広がるでしょう。

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