【応用化学】って何が学べる?学問の研究内容や学ぶ方法についてご紹介します!

【応用化学】って何が学べる?学問の研究内容や学ぶ方法についてご紹介します!
        

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投稿日:2024年3月14日 | 最終更新日:2024年4月3日

【応用化学】では何が学べる?

産業や経済分野との関わりが求められる化学の応用について学ぶ
応用化学では、何が学べるのでしょうか?応用化学は、より工学に近い研究対象を扱う化学分野で、産業や経済分野との関わりが強い分野です。

近代になってから大きく発展した化学ですが、現代社会を支えている豊かなテクノロジーは化学の大きな恩恵を受けており、化学とは切っても切り離せない関係にあるといえます。たとえば、寒い季節でも暖かい素材の衣服は、化学的に開発された新素材が使われています。スマートフォンやタブレットを構成しているICには、シリコンなどの半導体材料が用いられています。お湯を沸かすときに使うポットのヒーターは物理化学と関わりの深い熱力学の原理を活用しています。農地では、収穫効率の良い化学肥料が用いられています。また、毎日の食事には、栄養化学や生化学の見地から導き出された栄養バランスの良い食材が摂取されていることでしょう。

このように、私たちの日常生活に化学を応用するためには、物質の基本単位となる元素の知識や分子の性質を記述する化学の基本原則を、実際の問題や技術に当てはめていく応用化学が不可欠です。応用化学を学ぶと、化学メーカー、製薬会社、食品メーカーなど、あらゆるものづくり産業の開発者を目指すことができます。

【応用化学】とはどんな学問?

万能な化学を他分野の工学領域に応用することを目指す学問分野
化学と応用化学の違いはどこにあるのでしょうか? 自然現象の本質を観察し、普遍的な法則や理論を探究する化学に対し、化学を基礎として幅広い分野へ応用し、化学の理論を使って新しい物質を作り出すのが応用化学ということになります。言い換えれば、純粋な化学とテクノロジーの橋渡しをすることが応用化学の役割です。

応用化学の適用範囲は広範で、医療、農業、食品、エレクトロニクスなど幅広い分野にわたって実践的な研究が行われています。応用化学のテーマのひとつである新素材の開発では、高分子材料、生体材料、セラミックスなどが扱われています。

応用化学は、いわば化学を使った「ものづくり」の学問といえるでしょう。化学を電気・電子工学、システム工学、材料工学、半導体工学、計測工学、情報工学などの関連する学際分野へ応用することを目的としています。このことから応用化学は化学だけでなく、材料工学・半導体工学・情報工学などの理工学と複合的な研究が行われます。結果として、応用化学の適用範囲は超伝導、生体材料、セラミクス、ゲノム、量子コンピュータなど、幅広いものとなっています。

私たちが毎日のように使っている素材、材料、コンピュータ、自動車、航空機、そして宇宙を目指すロケットにも、応用化学の知識が詰まっています。化学の基礎的な素養があり、かつ基礎法則を解明する研究よりも、日常用いられる新製品の開発など産業応用や社会応用のほうにより興味のある人にとって、応用化学は満足のいくフィールドになることでしょう。

【応用化学】に関連する学部

工学部や理工学部で学ぶことのできる応用化学
応用化学に関連する学部としては、工学部・理工学部・基礎工学部・創造理工学部などがあります。
学科やコース名などに「応用化学」がついている場合が多いので、注意して検索してみましょう。
応用化学を学べる大学はこちら

【応用化学】で学ぶ科目

分析化学、栄養化学など幅広い化学系科目を学べる
  • 応用化学総論: 応用化学の基本的な概念や理論を学びます。
  • 無機化学: 元素や無機化合物の性質、反応、構造について学びます。
  • 有機化学: 炭素を主成分とする化合物(有機化合物)の性質、反応、構造について学びます。
  • 物理化学: 物質の性質や反応を説明するための物理的原理について学びます。
  • 化学工学: 化学反応を利用した製品の製造方法やプロセスについて学びます。
  • 生物化学: 生物の構成成分や生命現象に関わる化学反応について学びます。
  • 分析化学: 物質の組成や構造を明らかにするための分析手法について学びます。
  • 化学数学: 化学の理論やモデルを数学的に理解するための科目です。
  • 材料化学: 新しい材料の開発や既存の材料の改良について学びます。
  • 栄養化学: 食品の栄養成分やその働きについて学びます。

【応用化学】に向いている人

実験が好きな人、さまざまな素材開発に興味がある人など
応用化学は化学を基本としているため、言わずもがな化学が得意な人や、手を動かしたり実験が好きな人、さまざまな素材の開発に興味がある人、自然現象のメカニズムに興味がある人、論理的思考が得意な人などが応用化学に向いています。また、多岐にわたる他分野と連携するうえでは、ひとつの専門領域にこだわらず、全体を見通せるような視野の広さがあることも応用化学に向いています。

また、物理学や化学など理系科目が好きな人、身の回りの工業製品の原理や仕組みに詳しい人、技術全般に興味・関心がある人、数理的センスがある人、社会と積極的に関わりをもちたい人、独創的なアイディアをもっている人など、知的好奇心が旺盛な人が応用化学に向いているといえます。

また、物質をさまざまにデザインすることで、新しい機能を導き出すことが応用化学の使命であるため、「人の役に立ちたい」と思えるような性格や人間性を備えていることも応用化学に向いているといえます。

【応用化学】で目指せる職業/資格

化学、製薬、食品など、あらゆるものづくり産業の開発者を目指せる!
応用分野であるため、応用化学を学ぶことで目指せる領域は多岐にわたります。

  • 技術士: 工学や農学などの専門知識を持ち、技術開発や技術管理などを行う資格です。
  • 教職免許(中学・理科、高校・理科): 中学校や高等学校で理科を教えるための資格です。
  • 弁理士: 特許出願や商標登録などの知的財産権に関する業務を行う資格です。
  • 毒物劇物取扱責任者: 危険物の製造、貯蔵、販売などを行うための資格です。
  • 危険物取扱責任者: 爆発物や可燃物などの危険物を取り扱うための資格です。
  • 食品衛生責任者: 食品販売業や飲食店などの営業許可取得に必要な食品衛生に関する資格です。
  • 環境計量士: 環境汚染物質の測定や分析を行う資格です。

応用化学を学ぶことで目指せる職業としては、化学メーカー、製薬会社、食品メーカーなど、あらゆるものづくり産業の開発者を目指すことができます。

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