和菓子職人になるには?仕事内容や向いている人の特徴、おすすめの専門学校もご紹介!

  • 2020.07.21
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投稿日:2020年7月21日|最終更新日:2024年7月29日

この記事は約 5 分で読めます。

和菓子は日本の伝統的な菓子であり、その繊細な美しさと独特の味わいで多くの人々に愛されています。

そんな和菓子を生み出す和菓子職人になるには、どのような道筋があるのでしょうか?この記事では、和菓子職人になるためのおもな道のりと、必要なスキルについて説明します。

目次

和菓子職人の概要や仕事内容

和菓子職人とは

和菓子職人は、和菓子を作る人、またはその職業です。和菓子店や和菓子メーカーに勤め、巧みな技術を持って、伝統的な和菓子を製造しています。
和菓子は、日本の歴史にも季節にも結びつきが強い菓子です。特に茶の世界では、古くから和菓子が用いられてきました。そして、その特徴は、味だけでなく視覚的な美しさを持つことにもあります。和菓子職人は、美味しく目にも楽しい菓子を製造し、人々に提供しているのです。

また、和菓子作りには、和菓子特有の繊細な技術が求められます。絶妙な味付けはもちろん、ひとつひとつの菓子に細工を施すことも多く、その中には日本の伝統技術が組み込まれています。
そのため、和菓子の技術を身に付けるのは簡単ではなく、多くの和菓子職人が厳しい修行を経てノウハウを習得し、日本の食文化である和菓子を支えています。

和菓子職人の仕事内容とは

和菓子職人の仕事は、和菓子の製造です。その製造方法は洋菓子とは大きく異なり、「練る」「蒸す」「焼く」「包む」などといった技法を用い、時にはひとつひとつの菓子に模様を付けたり装飾を付けたりしながら、和菓子を作り上げていきます。

また、和菓子を製造するためには、その下準備が必要です。必要な材料を選別して発注し、小豆のアク抜きや粉類の振るいなどといった仕込みを行います。使用する道具の手入れも必要でしょう。
そして、仕事が終わった後には、後片付けや掃除も行います。

さらに、新商品を考案するのも和菓子職人の重要な仕事です。何度も試作を重ねながら、季節やテーマに応じた和菓子を製作し、新商品を完成させていきます。そのためには、ライバル店の視察や消費者ニーズの情報収集など、マーケティングも必要でしょう。

和菓子職人になる方法

和菓子職人になるための主なルートは、①製菓学校等で学んだの和菓子メーカー等に就職する、②和菓子店の見習いとなり修行を積むの2通りが考えられます。

①製菓学校で学んだ後、和菓子店・メーカーに就職する。

製菓学校で和菓子作りを学び、卒業後に和菓子関連会社に就職する方法です。製菓学校に通うための学費は必要になりますが、必要な知識や技術を効率的に学ぶことができます。

大学や短大、高校を卒業して専門学校に入るほか、中学卒業後に専修学校の高等課程に進学し、製菓を学び始めるという道もあります。
大学などで調理学や食物栄養学を学んだ後、和菓子メーカー等に就職することも考えられます。その場合、企画開発やマーケティングに強みを発揮できる可能性はありますが、職人となるには実技を学ぶ期間は必須となるでしょう。

②和菓子店で見習いとして修行を積み、やがて職人になる。

和菓子店で修行し、ノウハウを身に付けていく方法です。修行は厳しいですが、実務を職人から直接学ぶことができ、さらに、多くの場合わずかながらも給料がもらえるのは利点でしょう。

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和菓子職人になるには何年かかる?

和菓子職人になるために定められている学歴や資格はないので、中学校や高校を卒業してすぐ和菓子店に弟子入りし修行を始めることも可能です。

ただし、和菓子作りには専門的な技術が必要です。「餡炊き3年、薪焚き5年」といわれる奥の深い職業であり、一人前の和菓子職人になるには10年かかるとも言われています。

老舗の和菓子店に就職した場合は、その店の伝統的な手法を習得し身につける時間も必要です。そのため、学校や修行で何年か腕を磨いた後に、一人前の職人として仕事をすることになるでしょう。

和菓子職人に求められる資格や試験

和菓子職人には、必ず取得しておかなければならない資格や試験はありません。それよりも、和菓子作りの実力が重視されます。
ただし、和菓子職人の実務に役立つ資格はいくつかありますのでご紹介します。

製菓衛生師

「製菓衛生師」とは菓子作りとその衛生・安全管理に関する知識を問う国家資格であり、製菓に関わる多くの職人が取得しています。
この資格を取得した者は、「製菓衛生師」を名乗って働くことができ、開業や就職、海外でのビザ取得などが有利になると言われています。

ただし、「製菓衛生師」の国家試験を受けるためには、「指定の製菓衛生師養成施設において、必要なカリキュラムを1年以上学んでいること」もしくは「菓子製造業に2年以上従事していること」のどちらかの受験資格を満たしていなければなりません。
つまり、製菓系学校での学歴か製菓実務経験が受験条件とされています。

菓子製造技能士

また、より難易度の高い資格に「菓子製造技能士」という菓子の製造技能を証明する国家資格があります。
「和菓子製造」と「洋菓子製造」の部門があり、それぞれ「1級」と「2級」に分かれています。2級は専門学校を卒業することで受験資格が得られますが、1級は経歴により数年の実務経験が必要になります。
菓子製造に携わる者としての広い視野が求められ、1級取得の難易度は高いものになりますが、その分業界からの信頼も高い資格です。

職業訓練指導員(菓子)

職業訓練指導員とは、職業能力開発施設や職業訓練施設で働くための指導員の資格です。
受験資格を得るためには通常5年間の実務経験が必要ですが、指定の専門学校を卒業した場合は3年間の実務経験で受験が可能になります。
菓子製造技能士1級に合格している場合は職業訓練指導員の実技試験と学科試験の関連学科が免除、2級合格者は実技試験が免除になります。
職業能力開発施設は各都道府県が設置・運営している施設なので、職業訓練指導員となり、各都道府県に採用されて働くと、原則として各都道府県の「地方公務員」になれます。

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製菓衛生師試験や難易度について

前章でご紹介した「製菓衛生師」国家試験は、例年70〜80%ほどの合格率になっており、難易度は比較的易しいと予想されます。
試験の概要は以下の表をご覧ください。

受験日程 6月
受験料 9,500円
試験会場 各都道府県指定会場
試験形式 マークシート
試験時間 約2時間
受験資格 1.学校教育法第57条に規定する者であって、都道府県知事の指定する製菓衛師養成施設において1年以上製菓衛生師として必要な知識及び技能を修得したもの

2.学校教育法第57条に規定する者であって、2年以上菓子製造業に従事したもの

(厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000065164.html)より引用)

合格条件 得点率60%前後

※これらは都道府県によって異なり、ここでは東京都の場合を記載しています。
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今後の和菓子職人の将来性

統計によると、ここ10年ほど国内における和菓子の消費量は大きな増減を見せず、安定を保っています。これは、和菓子には流行の影響が少なく、桜餅や水羊羹など、季節ごとに人々の心に根付いた菓子が存在していることが一因でしょう。

また、世界的にも日本の文化は注目されており、その中で外国人による和菓子人気も高まっています。味はもちろん、見た目にも美しく、また四季を感じられる菓子は珍しく、その需要は国内外問わず、今後も続いていくでしょう。そしてそれに伴い、優れた腕前の和菓子職人の需要も高まっていくと考えられます。

しかし、和菓子界では、後継者不足や売上低迷に悩む声も少なくありません。廃業を余儀なくされる店舗も存在しています。そして、このような問題を解決するためには、若い世代による和菓子界への参入が必要であり、今後の和菓子職人の人材育成が求められます。

和菓子職人の就職先

和菓子職人の就職先は、個人の経営する和菓子店もしくは和菓子メーカーです。
求人に応募し採用されれば、和菓子職人として就職できますが、そのためには和菓子作りの技術を持っていなければなりません。
そのため、製菓学校を出ていれば、就職は有利になるでしょう。また、まずは見習い職人として就職し、修行から始めることもあります。

和菓子職人の求人数自体は、一定数ありますが、給与や福利厚生などの待遇に優れた案件は少ないのが現実です。
高待遇を求める方には規模の大きな和菓子店や和菓子メーカーへの就職が向いていますが、「この和菓子を残したい」「この店の和菓子を伝えていきたい」という熱い思いがあるのなら、待遇に関わらず、自分の目指す店へ就職するのも良いでしょう。

和菓子職人の平均年収・MAX年収

和菓子職人に限定した年収の情報は乏しく、一概にその平均を述べることはできません。
しかし、多くの場合、初任給であれば14万円程度、経験を積んだ職人であれば40万円程が月給となるようです。これを平均すると、およそ300万円〜400万円が和菓子職人の年収におけるボリュームゾーンになるでしょう。

このように、和菓子職人の年収は決して高くはありません。特に経験が浅い時期の給料は少なく、厳しい修行とともに忍耐が必要になるでしょう。
とはいえ、有名な和菓子職人や人気店、高級店などに勤めている場合は、平均以上の年収を得られる可能性もあります。そして逆に、規模が小さい店舗や経営が厳しい店舗に勤めている場合には、年収がより低くなることもあるでしょう。

和菓子職人に向いているのはこんな人

和菓子職人には、手先が器用で美的センスに優れている方が向いています。
なぜなら、和菓子は味だけでなく、その見た目も楽しむ菓子であり、細やかな細工や豊かな色彩を用いることが多いからです。
ひとつひとつの菓子に繊細な模様を付けたり、季節感のあるデザインの菓子を生み出したりするためには、器用さとセンスは必須でしょう。

また、重い材料を運んだり、それらを混ぜたりと、和菓子職人は体力勝負の仕事です。立ち仕事を長時間続けなければならないこともあるでしょう。そのため、体力に自信がある人も和菓子職人には向いています。

そして、なんといっても重要なのが、和菓子に対する熱意を持っていることです。「和菓子が好き」「自分の作った和菓子を食べてもらいたい」などという気持ちが強ければ、厳しい修行や業務に耐えながら、良い和菓子を作るための努力を続けられることでしょう。

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和菓子職人に関連する職業や資格

和菓子職人に関連する職業

和菓子職人に関連する職業としてまずご紹介したいのが、パティシエです。パティシエは洋菓子職人のことであり、和と洋で種類は違うものの、同じ菓子を扱う職業として、和菓子職人と共通しています。また同様に、チョコレート菓子を作るショコラティエも、関連職と言えるでしょう。

和菓子と洋菓子では使用する材料に違いがあります。しかし、近年では、和菓子に洋風のクリームを使用したり、洋菓子に小豆や抹茶などの和食材を使用したりと、和と洋の枠を超えた菓子が多く生み出されています。そのことから、和菓子職人と洋菓子職人はそれぞれの菓子に影響を受け合っているとも考えられ、関連性は深いと考えられます。

和菓子職人に関連する資格

和菓子職人に関連する資格には、先ほどご紹介した「製菓衛生師」以外にもありますが、その中でも代表的なのは以下の3つでしょう。

  • 菓子製造技能士・・・菓子作りの技術を証明する厚生労働省による技能検定。和菓子製造と洋菓子製造の2分野に分けられる。
  • 和菓子ソムリエ・・・種類や道具、材料など、和菓子に関するさまざまな知識があることを証明する民間資格。
  • 和菓子パティシエ・・・和菓子の知識に加え、日本各地における郷土和菓子の知識があることを証明する民間資格。

「菓子製造技能士」は技術を、「和菓子ソムリエ」と「和菓子パティシエ」は知識を問う資格であり、取得すれば和菓子の製造はもちろん接客にも役立ちます。
和菓子職人を目指せる専門学校一覧

和菓子職人になるためのおすすめの専門学校

ここからは、和菓子職人を目指せるおすすめの専門学校を改めてご紹介します。
いずれも和菓子職人分野でとても評価の高い学校なので、和菓子職人になるために専門的に学びたいという方にはぴったりな学校です。

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福岡ホテル・ウェディング&製菓調理専門学校(2024年4月 福岡キャリナリー農業・食テクノロジー専門学校より校名変更)【福岡県福岡市】

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まとめ

和菓子職人は、日本の伝統文化を担う魅力的な職種です。どんなお菓子づくりに携わりたいか、将来を見据えて勉強を始めましょう!

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