作業療法士になるには？仕事内容・年収・なり方を徹底解説【2025年最新】

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作業療法士とは？仕事内容・年収・なり方を徹底解説

作業療法士とは？

作業療法士（Occupational Therapist / OT）とは、身体や精神に障害がある方に対して、「日常生活を送る上で必要な全ての活動（作業）」ができるように治療・指導・援助を行うリハビリテーションの専門職（国家資格）です。

ここで言う「作業」とは、食事や入浴などの日常生活活動だけでなく、仕事、趣味、遊び、対人交流など、人の生活に関わる全ての活動を指します。

同じリハビリテーション職である「理学療法士（PT）」と比較されますが、理学療法士が「立つ・歩く」といった基本的身体機能の回復を主とするのに対し、作業療法士はこれらに加え、精神的な障がいへのアプローチや、「箸を持つ」「着替える」といった応用的動作と社会適応能力の回復を専門とする点に大きな違いがあります。

作業療法士の仕事内容とは？

作業療法では、患者さんが自分らしい生活を送れるよう、以下の「3つの能力」の維持・改善を行います。

1. 基本的動作能力

運動機能や感覚・知覚、精神・認知などの心身機能です。食事や更衣などの動作の土台となる、関節の動きや筋力、座る・立つといった能力の回復を目指します。また、障がいを補うための利き手交換訓練なども含まれます。

2. 応用的動作能力

食事・排泄・入浴・家事など、実際の生活で必要となる具体的な活動です。
具体的なケアとして、セルフケアの練習、金銭管理、外出訓練、コミュニケーション練習、福祉用具の選定などを行います。手芸や園芸などの作業を通じ、精神的な安定や生活の質（QOL）向上も図ります。

3. 社会的適応能力

地域活動への参加、復学・就労に向けた能力です。
対人技能訓練や公共交通機関の利用練習、パソコン操作などの職業訓練を行い、社会復帰を強力にサポートします。

作業療法士になる方法(資格取得方法等)

作業療法士は国家資格であり、業務に就くには国家試験に合格する必要があります。

受験資格を得るには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

• 作業療法士の養成校（大学、短大、専門学校）で3年以上学び、所定の課程を修了する（見込み含む）。
• 理学療法士の資格を既に持ち、養成校で2年以上学ぶ。
• 外国で作業療法士の学校を卒業、または免許を取得し、厚生労働大臣の認定を受ける。

養成校では3〜4年かけて医学的な基礎知識から臨床実習までを学びます。修業年限による資格の優劣はありません。

資格難易度や試験について

国家試験の合格率と難易度

作業療法士国家試験は、例年2月下旬に実施されます。
しっかりと養成校で対策を行えば、合格率は決して低くありません。

直近の2025年（第60回）国家試験の合格率は85.8％でした（新卒者のみではより高い合格率となる傾向があります）。
ただし、既卒者の合格率は大きく下がる傾向にあるため、養成校在学中にしっかりと知識を定着させ、現役合格を目指すことが重要です。

試験の概要（例年のスケジュール）

※以下は例年の目安です。正確な日程は毎年9月頃に厚生労働省より発表されます。

今後の作業療法士の将来性

2025年現在、全国の作業療法士有資格者は約12万人に達しています。
数字だけ見ると多く感じられますが、医療・介護の現場では依然としてリハビリ専門職の需要が高く、就職先に困ることは少ない状況です。

特に日本では「超高齢化社会」の進行に伴い、身体機能のリハビリだけでなく、認知症ケアや生活の質（QOL）向上に関わる「老年期障がい」への対応が急務となっています。
また、精神科領域や発達支援（児童）、就労支援など、活躍の場が病院以外にも広がっていることから、将来性は十分に高いと言えます。

作業療法士の就職先

最も多い就職先は病院（約6〜7割）ですが、近年は地域包括ケアシステムの推進により、生活の場に近い施設での求人が増えています。

• 医療機関： 総合病院、精神科病院、リハビリテーション専門病院、診療所
• 介護・福祉施設： 介護老人保健施設（老健）、デイケア、特別養護老人ホーム
• 地域・在宅： 訪問看護ステーション、地域包括支援センター
• 児童・教育： 児童発達支援センター、特別支援学校
• その他： 行政機関（保健所、役所）、就労支援事業所など

作業療法士に向いている人

特別な才能は必要ありませんが、「人」に関心を持ち、寄り添えることが最も大切です。

• 共感力と忍耐強さ：思うように回復せず落ち込む患者さんの気持ちに寄り添い、小さな変化を見逃さず励まし続けられる人。
• 観察力：患者さんの身体だけでなく、精神的な変化や生活背景まで細かく気づける人。
• コミュニケーション能力：医師、看護師、理学療法士、ケアマネジャーなど多職種と連携するための協調性がある人。
• 幅広い好奇心：手芸、工芸、音楽、園芸など、様々な「作業」を治療に取り入れるため、多趣味な人や遊び心のある人は強みになります。

よくある質問（FAQ）

Q. 理学療法士と作業療法士、どちらが良いですか？

A. 「歩く・立つ」などの身体機能回復（運動療法）に興味があるなら理学療法士、「着替え・入浴」などの生活動作や精神面のケア、手先を使った作業に興味があるなら作業療法士が適しています。学校のオープンキャンパスなどで体験してみることをおすすめします。

Q. 作業療法士の年収はどれくらいですか？

A. 勤務先や経験年数によりますが、平均年収は約444万円（厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より）となっています。 経験を積み、認定作業療法士などの資格を取得したり、管理職になることでさらなる年収アップが期待できます。

作業療法士に関連する職業や資格

関連する職業

医師、看護師、理学療法士、言語聴覚士、介護福祉士、義肢装具士、医療ソーシャルワーカーなどとチームを組んで働きます。

関連する資格

ダブルライセンスとして理学療法士を目指すケースは稀ですが、スキルアップとして以下の資格が人気です。

• 認定作業療法士・専門作業療法士： 協会が認定する上位資格。
• ケアマネジャー（介護支援専門員）： 実務経験5年以上で受験可能。
• 呼吸療法認定士・心臓リハビリテーション指導士： 専門性を高めるための資格。
• 福祉住環境コーディネーター： 住宅改修のアドバイスに役立ちます。

おすすめの作業療法士に関連する専門学校

ここからは、作業療法士を目指せる評価の高い専門学校をご紹介します。

現場で通用する実践力を身につけたい方に最適な学校です。

横浜リハビリテーション専門学校【神奈川県横浜市】

◆関連学科：作業療法学科

「理学療法士・作業療法士のスペシャリストを養成する専門学校」

医療現場で活躍する医療人には、Science（技術と知識）とArt（人間力、創造力、共感）の２つが求められます。
本校ではこのArt（人間力、創造力、共感）を、今でも週１日医療現場で活躍する「現役セラピスト」の教員と共に学び養います。
横浜リハビリテーション専門学校の詳しい紹介はこちら

東京福祉専門学校【東京都江戸川区】

◆関連学科：作業療法士科

「あなたらしさがカラフルな世界をつくる」

誰も取り残さない世界作りに貢献する人材を養成します！
東京福祉専門学校の詳しい紹介はこちら

日本リハビリテーション専門学校【東京都豊島区】

◆関連学科：作業療法学科

高田馬場にある4年制の専門学校。昼間部・夜間部を設置し、現場が求める即戦力を育成します。
日本リハビリテーション専門学校の詳しい紹介はこちら

東京YMCA医療福祉専門学校【東京都国立市】

◆関連学科：作業療法学科

医療・福祉のスペシャリストを育てる伝統ある東京YMCAの専門学校です。
東京YMCA医療福祉専門学校の詳しい紹介はこちら

多摩リハビリテーション学院専門学校【東京都青梅市】

◆関連学科：作業療法学科

母体が医療法人であるため実習が豊富。患者様を知るセラピストへ。
多摩リハビリテーション学院専門学校の詳しい紹介はこちら

関東リハビリテーション専門学校【東京都立川市】

◆関連学科：作業療法学科

「なりたい！」という気持ちを大切にし、国家資格取得を強力にバックアップします。
関東リハビリテーション専門学校の詳しい紹介はこちら