【最新情報】第3子以上で大学無償化!新制度の対象・支援内容・注意点とは?

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投稿日:2024年4月1日|最終更新日:2025年3月12日

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大学や専門学校に進学したい学生にとって、学費は大きな負担ですよね。そんな学生を支援するために、2020年度から「高等教育の修学支援新制度」が導入されました。「大学無償化」ともいわれるこの制度では、所得に応じて授業料等減免や給付型奨学金を受けることができます。

でも、制度の対象には所得制限があるため利用できないと残念に思っている人もいるのではないでしょうか?

しかし2025年度から、ついに多子世帯の大学無償化が所得制限なしで実現します!実は、2024年度にはすでに第3子以降がいる家庭で所得制限が緩和されていました。それに加えて、理工農系の学生も支援の対象になっています。大学無償化制度の対象者は拡大しているので、進学がこれからの方も、既に入学している人も、ぜひ一度制度を確認し直すことをおすすめします。

そこでこの記事では、新制度の支援の対象となる条件や支援内容、注意点を詳しく解説します。学費の負担を減らし、将来の夢を叶えるために、ぜひ参考にしてくださいね!

既に始まっている第3子以上世帯支援・理工農系支援も教えるよ!

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さらに新しくなる大学無償化制度(高等教育の修学支援新制度)とは?

大学無償化は2020年から始まった、経済的な理由で進学を諦めることのないように学費をサポートするための制度です。入学金・授業料の減免と、生活費として利用できる給付型奨学金を受けられます。

対象となれば、最も多い金額(私立大学・自宅外通学の場合)で入学金26万円と年間授業料約70万円の減免、そして年間約91万円の給付型奨学金を、在学期間中ずっと受け取ることができます。

▼これまでの大学無償化制度の詳細はこちら

ただし、これまでの大学無償化制度の対象となるには上記の記事のとおり、「住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯の学生」であるなどの条件がありました。

2025年度から始まる新しい大学無償化制度では、所得制限を撤廃!扶養する子どもが3人以上いる多子世帯なら、大学無償化(入学金・授業料の減免)の恩恵を受けることができるようになります。

2025年からの大学無償化制度と従来制度との違いとは?

従来の制度 2025年からの新制度
支援対象 世帯収入・資産の要件を満たす世帯 3人以上の子どもを扶養している世帯(※1)
世帯収入 住民税非課税~年収約600万円世帯(※2) 制限なし
無償化される費用(上限) 入学金約28万円・年間授業料約70万円(※3)
対象となる学校 大学、短期大学、高等専門学校(4・5年)、専門学校(※4)

※1 扶養する子どもが3人以上いる間は第1子から対象
※2 2024年度より約380万円から約600万円(多子世帯の場合)に拡充
※3 従来制度の対象の場合、給付型奨学金も支給
※4 高等教育の修学支援新制度の対象校のみ

大学無償化制度の支援金額は?

新しい無償化支援制度の授業料と入学金の減免金額は下表の通り、従来の制度で最も金額が多く全額支援となる第Ⅰ区分と同じです。

また、以下は昼間部の支援金額のみ表にしましたが、大学無償化制度は夜間部や通信課程も対象となります。夜間部は昼間部の金額の約半分、通信課程は入学金約3万円・授業料約13万円の減免になります。

昼間課程はもちろん夜間課程や通信課程でもOK!
【入学金・授業料等減免の上限額(昼間部)】

国公立 私立
入学金 授業料 入学金 授業料
大学 約28万円 約54万円 約26万円 約70万円
短期大学 約17万円 約39万円 約13万円 約70万円
高等専門学校 約8万円 約23万円 約13万円 約70万円
専門学校 約7万円 約17万円 約16万円 約59万円

※授業料は年額

多くの昼間制の国立大学の入学金は282,000円、年間の授業料は535,800円で、授業料等減免の支援金額も同額であるため、国立大学であれば授業料・入学金の負担なく進学できることになります。

また、修業年限内は支援の対象となるため、医学部・歯学部等の場合なら6年間支援を受けることが可能です。
ただし、留年すると打ち切りになることには注意しましょう。

なお、生活費として利用できる給付型奨学金の支給については、従来の通り世帯収入の要件があります。しかし多子世帯の場合は、2024年度から目安の年収が約600万〜約740万円までに拡充されています。

”第3子以上大学無償化”の注意点

子どもを3人以上扶養している間だけ、無償化の対象となる

2025年からの大学無償化制度では、複数の子どもを同時に養う家庭の支援が拡大します。従来の大学無償化制度と新制度の違いで補足した通り、「扶養する子どもが3人以上いる間は第1子から対象」となります。

”3人目の子どもの学費が無料”とはちょっと違うよ

つまり必ずしも3人目の子どもの学費支援となる訳ではなく、子どもを3人以上扶養している期間だけ、その世帯の子ども全員が対象になるのです。そのため、制度をもっとも利用できるのは第1子が多くなりそうですね。

一方、例えば3人きょうだいの世帯の第1子が大学等を卒業して扶養から外れたら「扶養する子どもが3人以上」の条件が適用されなくなるので、第2子・第3子は支援の対象外になることには注意したいところ。

それでも、子どもを3人以上扶養している場合については、家庭で負担する学費が2人分以下となります。もしも、3人(以上)のきょうだい全員が制度の対象の大学や専門学校などに在籍していれば、3人とも支援が受けられます。

年齢の近いきょうだいがいるほど支援が受けやすい制度といえますが、該当する世帯にとってはとても頼もしい支援制度のひとつとなるでしょう。

Q.大学院生は対象となる?大学院生は支援対象外です。ただし、例えば第1子が大学院に進学しても扶養のままで、扶養されている子どもの数が引き続き3人以上であれば、第2子以下は支援対象になります。

※児童手当の場合の多子世帯の子どもの数は、扶養の有無ではなく22歳となる年度末までで数えますが、無償化制度では年齢には着目せず、「扶養する子どもが3人以上」の世帯を支援するとしています。

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2025年度大学無償化新制度のチェックポイント

☑ 本人(対象学生)を含めて3人以上の子どもを扶養している世帯である
☑ 進学先が高等教育の修学支援新制度の対象校である
☑ 所得制限なしで入学金・授業料が減免される。年収が約600万円以内であれば給付型奨学金ももらえる可能性がある →「2024年度から拡充されている第3子以上世帯の学費支援を再確認!」参照
☑ 減免される場合も学費の準備を忘れずに!

前期(春)申込みの場合、基本的には、給付型奨学金(所得制限あり)は7月頃から本人の口座に毎月振り込まれますが、授業料や入学金の減額または免除は大学等を通じて行われるため、直接学生本人に現金の支給はありません。
ただし大学等によって異なる場合もあるので、それぞれの学校の窓口等に確認してみましょう。

無償化制度を使うときも支援の上限額に注意!
無償化制度には支援の上限額があるため、学校によっては全ての授業料を補えない可能性もあります。施設費や諸経費、教材費などが必要となることも多いでしょう。制度を利用する場合はよく確認して、お金の準備をしてください。

大学無償化制度の申込み手続きとスケジュールは?

▼大学無償化制度の申請方法と主な日程はこちら
大学無償化制度の申請方法とスケジュール
※4月から支援を受ける場合の手続きの主なスケジュールです。申込期間は学校ごとに異なるため、よく確認しましょう。
▶進路に悩む高校生の皆さんへ!高等教育の修学支援新制度 完全ガイド
子ども3人以上を扶養していて、2024年度までの所得制限では対象外だった世帯は、2025年度進学後に大学等で在学採用の手続きをしよう!

大学無償化制度の学業要件とは?

高等教育の修学支援新制度(大学無償化制度)の対象となるには、これまでご紹介してきた通り世帯収入や資産の要件を満たしている世帯であることに加え、「進学先で学ぶ意欲があること」が必要になります。

大学無償化制度は、学ぶ意欲のある人がお金の心配なく進学し、将来社会で自立して活躍できるようにサポートする制度です。人数制限がなく、高校や大学等の推薦もいらない制度である一方、進学後も継続して支援を受けるには学修成果についても一定の要件(学業要件)を満たさなくてはいけません。

2025年度(令和7年度)以降に、支援打ち切りや警告の対象となる具体的な学業要件は、次の通りです。

【警告(支援は継続)】
・出席率が8割以下
・修得単位数が7割以下
・GPA(成績評価)が、所属する学部等の下位4分の1
【廃止(支援打ち切り)】
・修業年限内で卒業・修了できないことが確定
・出席率が6割以下
・修得単位数が6割以下
・警告要件に2回連続で該当

▼学業要件の詳細はこちら
文部科学省:高等教育の修学支援新制度の学業要件って何?

2025年度(令和7年度)から学業要件が変更され、廃止要件の出席率は5割以下から6割以下などに変わっています。2024年度(令和6年度)以前から在学している人にも適用されるので、改めて確認しましょう。

欠席が多かったり、留年したりした場合は打ち切りになりますが、自分や家族が病気になるなど不測の事態の場合には、急に廃止になることはないので安心してくださいね。

第3子以上世帯の学費支援を再確認!

子ども3人以上を扶養する多子世帯では、2025年度から所得制限なしの無償化制度が開始となりますが、2024年度からも従来の大学無償化制度の支援対象が拡大されていたことをご存じですか?新入生以外にも制度は適用されるので、過去に支援対象外とあきらめてしまった方も再確認することが重要です!

給付型奨学金ももらえる支援対象が拡大!

大学無償化制度の支援には「授業料・入学金の減免」と「給付型奨学金」があります。2025年度から所得制限が撤廃されるのは「授業料・入学金の減免」ですが、「給付型奨学金」支給の対象となる世帯年収の目安はすでに拡充されています。

これまで世帯年収約380万円までだった支援対象が、扶養する⼦どもの数が3⼈以上の世帯なら、世帯年収600万円程度まで対象が広がり、第Ⅳ区分として⾮課税世帯に準ずる世帯(第Ⅰ区分)の学⽣の4分の1の額の授業料等減免が受けられるようになっています。

所得基準は家族構成によっても変わるので、例えば父(給与所得者)、母(無収入)、⼦3人(本⼈・⼤学⽣・⾼校⽣)の家庭の場合、約740万円まで年収の目安が拡充されることも。

【多子世帯(第Ⅳ区分)の授業料等減免額(昼間部)】

国公立 私立
入学金 授業料 入学金 授業料
大学 約7万円 約13万円 約7万円 約18万円
短期大学 約4万円 約10万円 約6万円 約16万円
高等専門学校 約2万円 約6万円 約3万円 約18万円
専門学校 約2万円 約4万円 4万円 約15万円

※授業料は年額

資産や修学意欲などの条件もありますが、支援対象となれば、授業料等の減免に加え、第Ⅰ区分の4分の1の額の給付型奨学⾦(学資⽀給⾦)も支給されるので家計がグッと助かります。

給付型奨学金(第Ⅳ区分)は、私立大学の場合は自宅生約12万円、自宅外生約23万円!

2025年度以降は授業料・入学金も全額減免(第Ⅰ区分と同額)となります。まずは申請してみましょう!

入学後でも新制度に申込みできる!

大学無償化制度の申込みには高校3年生や既卒生による予約採用のほか、すでに大学等に在学している人が行う在学採用があります。前年度まで収入等の条件に該当しなかった多子世帯の人も、2025年度以降に進学・在籍するなら、入学後でも新しい制度の申込みが可能です。ぜひ支援を受けましょう!

多子世帯なら進学後でも無償化の対象に!給付型奨学金は毎年6月に更新される所得情報で区分が決まるから、例えば高校生の時にダメだった人も、入学後(秋以降)に申請すれば対象になる可能性があるよ!
高等教育修学支援制度の対象校はこちら!

すでに理工農系の学費支援も始まっています!

私⽴の理⼯農系の学生・志望者は注目!扶養する子どもの数に関係なく、一定の要件を満たした私立の大学・短大・高等専門学校(4・5年生)・専門学校の理工農系学部・学科に通う学生を対象とした、授業料等減免の支援も始まっています。

理工農系支援の減免額の上限は、私立大学で入学金約9万円、授業料約23万円!
拡大される所得区分の世帯年収の目安は約600万円~約740万円(家族構成等で異なる)です。もちろん、それ以下の所得区分の世帯では従来通りの支援が受けられます。

多子世帯支援と理工農系支援の両方に該当する場合は多子世帯支援が優先されますが、第一子が卒業して扶養外になるなど多子世帯に該当しなくなった時に該当学部の学生がいればこちらの支援が受けられるので、同時に始まった制度として覚えておくとよいでしょう。

理工農系といっても、データサイエンス学科やコンピュータシステム学科、環境創生学科など、学部や学科名に理学・工学・農学が入っていない場合でも対象となることがあるので、文部科学省の理工農系学部学科の対象機関リストをチェックしてみてくださいね!

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まとめ:大学無償化制度で夢を叶えよう!

2025年から始まる新制度では、第3子以上を扶養する家庭であれば、所得制限に関わらず大学無償化の恩恵を受けることができます。
既に、第3子以上世帯への支援拡充や、理工農系学部・学科への支援開始は始まっています。経済的な問題で進学を諦めることがないよう、ぜひ制度を活用して学費負担を軽減し、夢を叶えましょう!
気になる学校を探してみよう!

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