母子家庭/父子家庭の大学費用が免除になる奨学金・学費支援制度5選!

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投稿日:2021年5月2日 | 最終更新日:2024年4月1日

母子家庭や父子家庭のひとり親世帯は経済的に困窮している世帯も多く、進学したい意欲があるのに大学進学を諦めなければならないケースもありますよね。

今回は、ひとり親家庭が対象となりやすい学費免除制度や貸付金制度を紹介するほか、実質無料で保育士・介護士等になれる修学支援制度、地域枠採用、高卒認定試験合格支援などの学費支援制度をピックアップ。

大学等の学費が免除となる方法や、母子家庭が大学の学費全額免除になりやすい理由も解説します。

家庭に合った方法を見つけて進学の夢を叶えましょう!

学費から学校を探してみる

母子家庭、父子家庭が受けられる大学の学費免除は?

ひとり親世帯でも安心して大学進学できる支援制度としては、

・高等教育の修学支援新制度
・母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
・保育士・介護士等の修学資金貸付等制度
・医学部の地域枠
・ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業

の利用を検討してみましょう!

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①高等教育の修学支援新制度

2020年4月から新しく始まった国の高等教育無償化制度で、世帯収入や学習意欲の要件をみたせば、授業料・入学金の免除または減額と、給付型奨学金の支給を受けることができます。

大学無償化制度と呼ばれることもあります。

無償化制度の対象となる条件は?

高等教育の修学支援新制度の対象者は、
・世帯収入や資産の要件を満たしていること
・進学先で学ぶ意欲がある学生であること
の2つの要件を満たす全ての学生です。

具体的な条件は、
学生等とその生計維持者の所得額の合計が以下の範囲であること、
第Ⅰ区分(標準額の支援)100円未満
第Ⅱ区分(標準額の2/3支援)100円以上~25,600円未満
第Ⅲ区分(標準額の1/3支援)25,600円以上~51,300円未満

生計維持者が1人の場合、資産が1,250万円未満であることなどです。住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯の学生となります。

また、学生の高校の評定平均値が3.5以上であること等が条件になります。(成績に関しては平均値は目安であり、学習意欲があるとみなされることが重要です!)

どのくらいの学費を支援してもらえる?

支援を受けられる金額は、世帯の年収(収入)がどのくらいか、進学先の学校の種類(大学か、短期大学か、高等専門学校か、専門学校か)、自宅から通うか、一人暮らしか、などによって異なります。

申請により支援の対象となると、大学等に納める授業料または入学金から支援される金額が免除・減額され、満額であれば学費のほぼ全額がまかなえる金額が支給されます。

また、学費のみではなく生活費まで補填してくれます。給付型奨学金は、学生生活を送るための生活費として、日本学生支援機構(JASSO)から、原則毎月、支援額が学生の口座に振り込まれます。

【大学(昼間制)進学の場合 】
■授業料等減免の上限額(年額)
【国公立】
入学金:約28万円
授業料:約54万円
【私立】
入学金:26万円
授業料:70万円
■給付型奨学金の給付額(月額)
【国公立】
自宅生:29,200円(33,300円)
自宅外:66,700円
【私立】
自宅生:38,300円(42,500円)
自宅外:75,800円
※住民税非課税世帯の学生の場合
※住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生は、住民税非課税世帯の学生の2/3又は1/3の支援額
※()内は生活保護世帯で自宅から通学する人及び児童養護施設等から通学する人の金額

住民税非課税世帯かつ私立大学かつ自宅以外からの通学であれば、年間《約91万円》の給付型奨学金を受け取ることができるのです!

■授業料・入学金免除の上限金額
国公立大学:授業料535,800円(年額)・入学金282,000円
私立大学: 授業料700,000円(年額)・入学金260,000円
■給付型奨学金の給付額上限
国立大学(自宅生)350,400円~私立大学(自宅外)909,600円(年額)
※住民税非課税世帯の学生が大学に進学した場合

支援の対象となる学校の種類は?

高等教育の修学支援新制度の対象機関は、一定の要件を満たした大学・短期大学・高等専門学校(4年・5年)・専門学校です。

「大学無償化」とも呼ばれている制度ですが、大学だけでなく短大や高専、専門学校も対象になります!

令和5年12月時点では
・大学・短期大学:1064校(全国の学校数の98.1%)
・高等専門学校:57校(同100%)
・専門学校:2036校(同78.5%)
が対象となっています。

■気になる学校は無償化支援を受けられる?
文部科学省:制度の対象となる大学・短大・高専・専門学校一覧

学費が高い大学や学部に進学し、以上の支援内容では学費が不足してしまう場合は貸与型奨学金との併用も可能です!

貸与型奨学金には保証人が必要

無償化支援が受けられない場合や学費が足りない場合は、将来返済の必要がある奨学金を借りることもあるでしょう。

日本学生支援機構(JASSO)で貸与型の奨学金を借りる場合、「人的保証」または「機関保証」が必要になります。
※高等教育の修学支援新制度のように返還の必要のない給付型奨学金の場合は不要です。

人的保証では、原則として保護者が連帯保証人となり、借主(学生)から4親等以内の親族が保証人となります。
保証人は65歳未満に限られるので、祖父母に頼ろうとしている人は年齢に注意してください。
また、原則として連帯保証人は父または母、保証人は父母を除いた親族と決められていますが、離婚した配偶者が生計や住所を同一にしていなければ、保証人になることが可能です。例えば母子家庭の場合、別れた夫が子どもの保証人になることができます。

もし保証人を頼める親族がいない場合は「機関保証」を選択できますが、毎月の保証料を支払う必要があります。

母子家庭が学費免除になりやすい理由

高等教育の修学支援新制度は、収入や資産等の条件を満たせば全ての学生が授業料の減免と給付型奨学金の支給の両方を受けることができる制度です。

最も支援額が大きいのは住民税非課税世帯ですが、母子家庭(合計所得500万円以下)の場合は、ひとり親控除または寡婦控除が適用され、前年の合計所得が135万円以下(給与収入204万4千円未満)ならば住民税が非課税になります。
扶養親族がいる場合は所得が135万円を超えていても非課税になるケースもあります。なお、ひとり親控除の要件である「生計を一にする子」の年齢に制限はありません。

約半数の母子家庭が無償化支援の対象に?

厚生労働省の令和3年度全国ひとり親世帯等調査によると母子家庭の母親の平均年収は236万円ですが、母子家庭全体の47.4%の方の年間就労収入は200万円未満となっています。

そのため、一人で生計を立てているシングルマザーの場合、高等教育の修学支援新制度を利用できる世帯は非常に多いと考えられます。進学先によっては学費の全額免除も可能でしょう。

また、生計維持者が一人の世帯は、保有する資産が1250万円未満の場合は基本的に高等教育の修学支援新制度が利用できます。

対象となる資産の範囲は「現金及びこれに準ずるもの、預貯金並びに有価証券の合計額」であり、不動産は資産の対象でありません。

高い価値を持つ不動産を保有しているかどうかは審査の対象にはならないため、もし配偶者が資産価値の高い不動産を残して亡くなった場合でも利用することができるというのは非常に良心的ですね。

例えばローソンが創設し全国母子寡婦福祉団体協議会が運営している「夢を応援基金『ひとり親家庭支援奨学金制度』」などの給付期間は高校3年生までですが、この制度は世帯1人あたりの収入平均額が100万円未満の家庭の生徒を対象としているので、高等教育の修学支援新制度も利用できる可能性が高いです。

児童手当など高校卒業後には支給が終了してしまう手当も多く、大学や専門学校に通うことをためらう場合もあるかもしれませんが、進学を考えている母子家庭世帯の方はまず高等教育の修学支援新制度の利用を考えてみると良いでしょう。
高校在学中から申請の準備をすることも大切ですが、この制度は大学在学中からでも利用できるので、まずは高校や大学、専門学校などに相談してみましょう!

父子家庭も収入や資産条件は同じ

父子家庭の場合も母子家庭と同様に合計所得金額が500万円以下であれば、ひとり親控除などの適用が受けられます。

父子家庭の年間収入の平均は496万円ですが、それぞれの家庭の収入や資産の条件が合えば、もちろん高等教育の修学支援新制度を利用できます。

【進学資金シュミレーターで基準に該当するか確認!】

JASSOのホームページの進学資金シュミレーターを使えば、進学のための資金計画をシュミレーションすることができます!
詳しい情報を調べなくても、高等教育無償化制度の対象になりそうかどうかが大まかにわかるのでぜひ確認してみてください!
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②母子父子寡婦福祉資金貸付金制度

20歳未満の児童を扶養している母子家庭や父子家庭の方に、就学資金として無利子で貸し付ける制度です。

修学資金は、高等学校、高等専門学校、短期大学、大学、大学院または専修学校に就学させるための授業料、書籍代、交通費等に必要な資金として利用できます。

【限度額】※私立の自宅外通学の場合の限度額の例
大学: 月額146,000円
短期大学: 月額131,000円
専修学校(専門課程):月額126,500円

貸付期間は就学期間中、据置期間は卒業後 6ヶ月、償還期間は20年以内になります。
申請する場合は、最寄りの地方公共団体の福祉担当窓口にお問合せください!

就学するために必要な被服等の購入に必要な資金として借りられる「就学支度資金」もあります。

③社会福祉協議会による貸付制度(修学資金貸付制度)

都道府県・指定都市の社会福祉協議会では、保育士や介護福祉士・社会福祉士を養成する学校に通うための学費や入学・就職準備金、生活費などを貸付け(無利子)、資格を取得後に同地域で一定期間働くことで返還を免除してくれる制度があります。

ひとり親家庭だけを対象とした制度ではありませんが、保育士や介護福祉士、社会福祉士を目指し、卒業後は学校のある地域で働きたいと思っている人にはとても有利な制度です。
対象となる学校や実施内容は各都道府県により異なるので、それぞれの地域や学校を調べてみてください!

修学資金貸付等制度の対象者は?

各都道府県の実施団体が指定する養成施設(大学・短大・専門学校等)の在学生。学校を通じて申し込みます。

貸付金額は?

都道府県により少し異なりますが、保育士や介護福祉士・社会福祉士ともに概ね次の金額です。世帯収入などの要件がある場合があります。

・修学資金:月額5万円以内(在学期間)
・入学準備金・就職準備金:各20万円以内(任意)
・国家試験受験対策費用:一年度あたり4万円以内(任意)
・生活費加算(条件を満たす場合)

返還免除の条件は?

卒業後、その都道府県の保育施設や社会福祉施設等で5年間継続して働けば全額が返還免除されます(返還免除対象業務)。
返還免除の条件を満たさなかった場合は、全額返還しなければなりません。
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④医学部の地域枠採用・奨学金制度

私立医学部は6年間の学費が2000万円前後から4000万円前後にのぼり、母子家庭出身では進学が難しいのも事実です。
ですが一部の大学には卒業後一定のあいだ大学が定めた地域の医師として従事することを前提に、奨学金の返済が免除される制度があります!

例えば順天堂大学の東京都地域枠として入学すれば、修学費2080万円と生活費月額10万円、6年間総額で2800万円が貸与されます。医師となり東京都内の医療機関において規定の期間と領域で働けば、奨学金の返済が免除されます。

どの地域の地域枠採用を行っているかは、大学によって異なるので、ぜひ自分の志望校が対象校か調べてみてください!

また、自治医科大学や産業医科大学、防衛医科大学校などは、卒業後に医師として一定期間既定の職務を行うことで在学中に学費等として貸与された奨学金の返済義務が免除される制度があります。

6年間の医学部と2年間の臨床研修後におよそ9年程度の勤務が必要になりますが、無償で医師になりたい意欲のある方はご検討ください!
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⑤ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業

これまでは高校卒業後の学費サポートについてお伝えしてきましたが、例えば高等教育の修学支援新制度の対象である大学や短大、専門学校に入学するには高校を卒業していなくてはいけません。

高校に進学していなかったり中退していたりする人が大学などに進学したい場合は「高卒認定試験」に合格する必要がありますが、ひとり親家庭には、この試験の合格を目指す講座の受講費用をサポートしてくれる給付金があります。

対象は、ひとり親家庭の親または20歳未満の子ども(所得制限あり)です。

【支給内容】
■通信制の場合
①受講開始時給付金:受講費用の4割(上限10万円)
②受講修了時給付金:受講費用の1割(①と合わせて上限12.5万円)
③合格時給付金:受講費用の1割(①②と合わせて上限15万円)

■通学または通学および通信併用の場合
①受講開始時給付金:受講費用の4割(上限20万円)
②受講修了時給付金:受講費用の1割(①と合わせて上限25万円)
③合格時給付金:受講費用の1割(①②と合わせて上限30万円)

給付を受けるには講座申込前に自治体での事前相談が必要です。
また、合格時給付金は受講修了日から2年以内に高卒認定試験に全科目合格した場合に支給されます。

児童扶養手当を受給している方や同程度の所得水準のひとり親家庭の方が、より良い条件で就職や転職ができるようにするための支援です。20歳未満の子どもも対象となるので、これから大学入学資格を得たいと考えている人の助けになります。

まとめ:ひとり親家庭へのサポートを活用して進学しよう!

今回は、母子家庭や父子家庭で経済的に困難な家庭でも安心して大学に進学できる制度を紹介しました!
各学校の資料(パンフレット)には、学費にまつわる情報や学費サポート情報が載っています。
ぜひ資料請求をして、学費について良く調べてみてくださいね。

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